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弱い人間の愚かで浅はかな考え

作者: 百合

この短い人生の浅はかな考えの中で、私はこう思っている。申し訳ない。


私は小学生、中学生、高校生をみて世間に汚されずそのまま育ってほしいと、いつも思う。(何様だよ) 高校は例外として、ある程度義務教育という檻の中にいる間は頑張ればその分周りが認めてくれるし、勉強すれば成績が上がる、いい子にしてれば"いい子"でいられる。(そうだと信じたい)

そんな中で学生らしく、思いっきり綺麗なままでいてほしい。(これもひとつのエゴなのかもしれない) 大学生になると汚い。サークルという名の飲み友の集まり(出会い系か)、空きコマという名のカフェ巡り、飲み会という名のお持ち帰り探し(偏見の塊)。ある程度社会を知るのだ。知らなければいけない状況に置かれるのだ。良い意味でも悪い意味でもあの頃の檻はない。大人になるということは汚くなるということだ。いつしか遊び心なんてなくなるし、やりたいこと、夢だってなくなる。(極端) しかもそれは生活の中でいつしかなくなっているのだから怖いものだ。今までいい子、いや、将来のため、人のため頑張ってきた人なんて尚更だ。いざ自分は何がしたいんだろうと思っても、何がしたいのかわからない。何か将来したいことの、その何かの為に頑張ってきたはずが、何も無い。(著者である) 皮肉なものだ。

世間では"普通"でいることで社会に溶け込むことが出来る。わたしは"普通"が嫌いだ。みんなと同じ、周りはそうだから、こういう考えが嫌いである。いつしか私は周りの人を見下してしまっている自分がいることに気がついた。怖い。自分は何者でもないくせに。

人なんて所詮そうだ。何を考えているかなんてわからない。信じていてもいつかは裏切られるかもしれないし、永遠の愛なんてない(に等しい、くらいにしておこう)。周りに人がいたとしても結局は自分ひとりで生きていくしかないのだ。自分を理解できるのは自分しかいない。自分でも完璧に自分自身を理解することは難しい。そんなものである。だが、人と人の繋がりはそんなに悪いものでは無い(少々、いやかなり面倒臭いが)。実際私ひとりではここまで生きてこれなかっただろうし、沢山の人に支えられてきたと振り返ってみて思う。有難い。でも時々その繋がりのお陰で苦労する。無償で有難いことを得ようとし続けること自体、考えが甘いのかもしれないが、私は弱い人間なのでそれが苦痛で、堪らなく苦痛である。時々、何もかも投げ出してひとりになりたいことがある。まあそれはこのストレス社会を抱える日本において私だけの珍しいことでもないだろう。私の場合、悲劇のヒロインになって落ちるとこまで落ちて落ち込んで落ち込んでやっと生きていられる。ポジティブな考えなど出来るわけがない。それさえしんどい。起きた途端に煌々と電気を浴びせられるようなそんな感じ。実に不快である。

私はあるバンドマンと仲良くなった、実際会ったことはなかったが、よく連絡を取り合っていた。彼はとてもネガティブな考えの持ち主で口癖のように"死にたい"、"自分が悪いんじゃない、世界が悪いんだ"と言っていた。最初はこれしか言わないのか、面白くない、いや何とか私が慰めてやろう、とお節介な考えをしていたものだった。私だって最初は必死に慰めたし、死ぬのを止めた。(このネガティブな私が大口を叩いていたのだ) でもそのうち不思議なことに段々と彼の言っていたことが理解出来るようになり、むしろ彼のネガティブな言葉が私の支えとなっていたのである。私はバンドマン特有のあのなんとも言えない世界観が好きである。ロックな生き方。格好良い。一般の、きちんと生きている人からすれば(これも偏見である)ただの甘えに聞こえるような言葉たちも私には救いとなった。彼と私は弱かった。今も弱い、甘いのだ。それはわかっている。だが人間らしくて私は好きだ。


幼い頃思い描いていた綺麗な世界は汚かったし、思い描いていた未来なんてきっと簡単には手に入らない。幸せを手に入れることがこんなに難しくなるなんて思ってもみなかった。

世間は汚いし、人は弱い。

それでもまだ未来に少し期待を抱いている自分がいることに腹が立つ。そしてそんな自分がほんの少し愛おしい。

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