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FirstのSクラス


 あ~めんどくせえ~。


 なんで俺が授業せんとならんのだ。


 アランとかに任せて俺は寝たいのに……。


 あのクソジジイめ。


 身体強化系だけパパッと教えて後は自習でいいや…。




「よう!ラストじゃん!」


「……」


「ちょいちょいちょい!無視しないで!同じ魔導師だろー!」


「なんだよ、ディック…。眠いんだが」


「それオレ関係なくね!?お前はまたサボろうとしてるだろ。最初位出ておけよ!いつまでもフィルちゃんに甘えてなくてよ!」


「あいつが勝手に来るんだよ……。頼んだ覚えはない」


「っかー!オレもそうゆうこと言ってみてー!」


「で、なんだよ。用事は」


「ただの世間話だ。外が騒がしいぞ」


「チッ…分かった」


「頼むなー!」




 めんどいことが増えたな。あいつの声だけでも頭に響くんだよ。うっとおしい。


 で?今日の講義室はどこだ?


 ThirdのSからFと?


 SecondのBとC。


 FirstもSからFか…。



 ダルいからThirdとSecondはサボるか。


 Firstは行っといたほうがいいか……。めんどくせー。




≪説明しよう!この学園のクラス分けは1回生がFirst、2回生がSecond、3回生がThird、4回生がForthとなっており、普通に就職する場合は3回生で卒業し4回生にはならないのが一般的である。4回生は特別で誰でもいいから弟子と証明できるものを持っている場合はその師に確認を取り、魔導師が直々にその師に合ったやり方で教えるらしい。まあ世に出ても3回生までの者と4回生までの者との差は歴然である。

クラス分けは上からS、A、B、C、D、E、Fとなっており、Firstでは入学試験順であるが、Second、Thirdでは戦士(Warrior)魔法士(Wizard)騎士(Knight)鍛冶師(Blacksmith)支援職(Supporter)等々様々な分野に分かれることとなる。そのクラス分けは人数調整のためS、A、B、C、Dのみとなり、過去にはクラスが一つというところもあったらしい。

私は後からもちょいちょい出てくるからよろしくな!≫




 最初は?FirstのSか……。


 一番めんどくさいところじゃねーか。


 Sってだけで自分は偉いんだ感出す奴が毎年教師に噛みついてくるんだよな。


 クラスに一人はいる程度だったのが、クラスSを作った瞬間にそいつらの吹き溜まりみたいになりやがって…。


 クソめんどくさいのを作るんじゃねーよ、学園長(クソジジイ)


 さっさとやって終わらそ……。



 教室の前に行き扉に手をかけ開く。


 甲高い叫び声が聞こえる。


 面倒ごとだ。




「もう一度言ってみなさいよ!!」


「何度でも言って差し上げますわ!!この意地汚い劣等種が!!」


「ナメてんじゃないわよ!?たかが男爵家のくせに!!」


「っ!私の名が穢れるので劣等種は呼ばないでくださるかしら!」


「それを止めろって言ってんのよ!!」


「も、もうその辺で…」




 おーおー揉め事が起きてんなぁ。


 まあ関係ないから止めないけど。


 それと貴族っぽいやつ怒るポイントそこじゃねーぞ?




「揉めてる奴はそのまんまで授業を始めるぞー」


「「「「「これ放置でいくの!?」」」」」


「んー、止めたほうがいいか?」


「先生なら止められるんじゃないですか?皆もこうも騒がしいと授業に集中しずらいと思いますし…」


「あー、そうかぁ…。じゃあ『無音結界』。これで静かになったろ。始めるぞー」


「「「「「無詠唱魔術!?」」」」」


「あと、さっきの奴…」


「え、僕ですか?」


「お前このクラスの委員長な。眼鏡で優等生っぽいし」


「えっちょま」


「じゃあやるぞー。俺は壇上でも紹介したとは思うが、無属性魔導師のラスト・オルフだ。担当教科は無属性主に全般だな。めんどくさいことは嫌いだから、授業終わってから質問には来るなよ」


「分からないところがあったらどうしたらいいんでしょうか?」


「副担当講師のフィルに聞け。あいつぐらいでしか無属性知ってるやついねーから」


「先生は?」


「俺はめんどくさいからヤダ」




 なんだその呆れた目は。




「じゃあ始めるぞー。最初は魔力循環を覚えてもらう。臍の辺りに魔力機関があるからそれに集中しつつ、動かせる方向に好きに動かしてみろぉ。それができた奴は均等に手のひらに集中させること。できた奴から見せに来い」


「どうやって見せるんですか?」


「俺は体内の魔力そのものが見えてんだよ。俺の前で見りゃ分かるから心配するな」


「あの…」


「まだ質問か?それともできたか?」


「後ろの二人は止めないんでしょうか?」


「止めない」


「めんどくさいからですか?」


「良く分かってるなお前」


「はぁ…」




 後ろの金髪ドリルと赤髪釣り目の喧嘩はまだ続いてる。


 俺の『無音結界』は自身の周りに音を出さないようにするためのモンだが、今は魔術化にして二人の周りに張ってる。


 それと、消費しているのは俺の魔力じゃなく二人の魔力だ。


 だからいつかは魔力不足で止まるだろ。




「あの、出来ました」


「見せてみろ」


「はい」


「均等じゃない。もう一回来い」


「これでですか…。一応魔法は発動するんですけど」


「そりゃ魔法は発動するだろ。見とけよ?右手が適した発動の魔法で左手がちょっと多めに魔力を注いだ魔法だ。」




 そうして俺は基礎中の基礎の『水』で球を作り出す。


 違いが分かるか?




「あっ!左手の方が形が悪い!!」


「後ろの奴が言ったようにあえて球体にしたが左の方が形が悪い。これは魔法に対して適した魔力を注げていない証拠だ」


「で、でもこの魔力でも球体にはなりますよ」


「形を整えるための魔力が更に注がれてるからだ。適した量ならばその必要もなくなる。こんな風にな。これは多くても少なくても歪や不出来になるから気を付けろよ」


「わ、分かりました」


「じゃ、席に戻れー」




 まあナメてかかってきそうな奴ら同士喧嘩してくれてて助かったぞ。


 少し寝るか……。


誤字等御座いましたら誤字報告へお願いします。

「1回生」は誤字ではありません。態と1年生ではなく1回生にしています。

理由はググってください。上手く説明できる自信がありません。

2018年2月26日23時59分訂正

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