輝き
優しい笑みを持つ友人へ
ある少女は視界を白く染める雪の中、輝く金色の花を見つけました。
その花は歌うように話しました。
「私にはちをちょうだいな」
少女は家でちょうど良い大きさのはちを取ってきてやりました。花はまた歌うように話しました。
「はちに土を入れてちょうだいな」
少女は畑で土をすくい、はちに土を入れてやりました。花はまた歌うように話しました。
「私をはちに入れてちょうだいな」
少女は花をはちに入れ、花の根に土を優しくかけてやりました。花はまた歌うように話しました。
「私にお水をちょうだいな」
少女は井戸で水をくみ、花にかけてやりました。
すると金色の花は、今までで一番美しく優しい声でこう言いました。
「ありがとう、優しい優しい娘さん。お礼になんでもいたしましょう」
お礼になんでも、と言うので、少女はうれしくなりました。
「じゃあ私、あなたと一緒に暮らしたいわ」
少女ははずんだ声で言いました。
「そんなことでよろしいの?」
花はおどろいたように言いました。
「そんなことが良いの」
少女は心の底からそう言いました。
「私、あなたが大好きになりそうよ」
花は輝きを増しました。
「あら、私はあなたのことが、もうたっぷり大好きだわ」
少女はほほえみました。
少女は花のように輝いていました。
最後までお読みくださりありがとうございました。
とても短いですが、想いはたくさん詰めました。
あなたの心にも輝く花が咲きますように。