三
色々と改稿しております。
申し訳ないです。
楽しんでいただけると、嬉しいです。
イラストの方もあげる予定です。
話を聞くところによると、晶が急いでいる理由はこうだ。僕が遭遇したあの、機会人間、というよりかは、改造人間と言った方が正しい。それらが、地上へと出回る可能性がある、ということだった。その他にも、陽和が言っていたように、ロボットやホムンクルスなどもあるそうだ。
「それ、どのくらい」
「さぁね、でも、沢山。」
「目的は」
「そこまでは知らない。少なくとも、俺が生まれた、百年前には計画されてたって、こと」
「あとね、三十分もしないうちに、此処、崩れるよ。アイツが来る。」
アイツとは誰だろうか。ここが崩れさるとは、本当であるか。あるとしたら、一刻も早く、ここから退却しなければならない。ここへ来て三時間ほどが経っている。皆は知っているのだろうか。だが、もうひとつだけ気になることがあった。
「動きにくい」
「え、ああ、忘れてた。まぁ、これじゃ、見つかる。もう随分歩いたけど」
晶も忘れていたらしく、のほほんと、マイペースに答えた。
「…俺まだ、感覚掴めてないんだよね。」
「なに」
「能力だよ。水中で何十年も前にやっただけ、だから」
「手」
「?」
手の平を差し出すと、それに晶の手が乗せられる。細身だが、手はやはり、男性という点において、自分よりはるかに大きい。それが乗せられたと同時に、晶の濡れたままだった身体がみるみるうちに、乾いていく。水系統のものと物体変化は容易に扱える。つまり状態変化もお手の物。つまり、体内の水分以外を蒸発させたのだ。
「すごいな。けど、体温何度なの」
「別に、ゼロ。急ぐ」
「そうだね」
晶はまた少しだけ表情を変えた。まぁ、普通の人間の体温がゼロなど、有り得るはずがない。驚くのは普通のリアクション。それを気にする間もなく、雪乃は先を急いだ。それに晶も続いた。目指すのは千歳のところ。彼女のところへ行けば、椿やほかの隊員たちにも情報が回る。千歳は確か、琥珀らと落ち合ったあと、制御室へデータをコピーすると言っていた。その場所を確かめるべく、隣を走る彼に聞いた。
「制御室…何処」
「最上階。そこに行くまでに、崩壊が始まる。その千歳って子に会うのは、得策じゃないよ。」
「…」
最上階はここから、二十階ほど上だ。そして広い。確かに晶の言う通りだ。得策ではない。
「だから、俺が彼女にアクセスする。これなら、助かると思うけど」
「…僕たちは」
彼は問題ない、と言った。どうやら彼も機械には強いとのこと。あの中にいた時、じっと研究者の操作を見て覚えたそうだ。
「この階にある。だから、大丈夫」
「なんで……頭」
「アレ?不安そうにしてたと思ったんだけど」
「否定」
頭を撫でられ、驚きを隠せなかったがすぐさま彼の言葉を否定した。無関心とも取れる彼だったが、以外にも情があるらしい。
再び彼の行くがまま、廊下をひたすら走り、とある部屋で立ち止まった。ロックは一切かかっておらず、すぐに扉を開いて中に入る。ホコリっぽかったがそれに構っている暇はない。モニタの電源を立ち上げ、それと睨み合う。雪乃はそれを黙って見ていた。十分もしない内に、繋がった。
『誰』
「僕、雪乃。今、実験体と一緒にいる。緊急、変わる」
『…』
「聞こえてる?今から、二十分もないけど、ここが崩れる。脱出ゲートをそっちに送るから。すぐここから出て」
「そういう事だから、また上で」
『確認完了、了解』
通信を切って、部屋を出た。
「助かった。感謝」
「そう、それならいいけど」
「安心はできない。」
「そうだね」
出口を見つけ、それに乗り込む。一気に地上まで上がっていった。
午後三時半。多少、陽は沈み始めていたがまだ眩しいくらいだ。地下の中も明るくはあったが、やはり輝きが違った。陽を浴びるのが何年ぶりかのよに思えた。




