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第一章 第一話~異世界に行って、早速迷う?~

神は言った。

汝よ。貴様はモテすぎだ。よって異世界に強制転移する。

「・・・はぁ?」

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俺は咲桜高校2年生、一条和哉。ごく普通の高校生だ。

ただ一点を除いては・・・

「キャ~!一条くんよ!」

そう。自分でも言うのはなんだが、俺はモテる。すごくモテる。

何故っかって?決まっているだろ?

イケメン&この細マッチョだからさ!

そして何より。

「おはよう!三柳さん♪」

白状しよう。俺には、表和哉と裏和哉がある。

女子と話すときは、表和哉。

裏和哉は、主に俺の心の中でバンバン出している。

だがさすがに常に表にしているのは辛い。

なので、いつもお昼ご飯のときは外にある体育倉庫の中で食べている。

お察しのとうり俺はぼっちだ。だがこれも、自分がもてるための代償だと思ってる。


そんなある日。

俺がいつものように、弁当を持って体育倉庫へ向かっていると。

「お~い!カッズヤ!」

その声の主は、昔から知ってる声だった。

「どちら様でしょう。」

「あ~、またそんなこという~!」

こいつは俺の唯一、裏和哉を出せる幼稚園からの親友、早瀬莉々奈。

ちなみに今の俺の莉々奈に対する発言も、裏和哉だ。

もっとひどいときもあるけどな。まあそれは一回置いておいて、それともう一個。

「も~私なら全然言ってくれてもいいけどさ、っていうかもっと言ってくれ、私を罵倒し続けてくれ!」

お気付きだろうが、こいつはMだ。

ドMだ。俺が気づいたのは小学6年生のころだった。

その時にはすでにこんなかんじになっていた。そう俺が不機嫌そうな顔をすると。

「私ならなんでもエッチィこと以外なら、受け付けるよ!」

なぜそんなに自信満々に言えるんだ?と、言いたいところだったが俺にはそれを言える勇気がないのでやめておいた。

超疲れている俺は、莉々奈に少しあきれたように質問してみた。

「お前って疲れたりしないのか?」

莉々奈は、「何言ってんの?」みたいな顔で頭をかしげてきた。

そんな莉々奈に説明を重ねる。

「ほら。身体がだるくなったり、頭が痛くなったりとかないのか?」

莉々奈は即答で。

「あるようにみえる?」

さも、疲れていないことが当たり前のように、そして俺を小馬鹿にしたように笑ってくる。

「私は、みんなと一緒にいればそれでいい。カズヤもそうでしょう?いつも学校に来るたびにキャーキャー言われて。私には恐怖の悲鳴にしか聞こえないけどねぇ~♪」

「やーめーろ。俺は日々の筋トレとかの努力があってこそ、まるで俺を歓迎しているようなキャーキャーが聞けるんだよ!それを恐怖の悲鳴とか言うな!」

莉々奈は少しムスッとした顔でにらんできた。

それを見て俺はすかさず目をそらす。

そのまま無言で体育倉庫についた。俺が体育倉庫の中に入ると莉々奈も入ってきた。

「お前も入るのか?」

「悪い?」

「別に、悪かないけど・・・。」

そういえばこいつと一緒に飯食うの、以外と初めてかもしれない。

高校生2人で体育倉庫・・・、結構ヤバくね?

・・・ぬぁ!何を考えているんだ俺は!

いきなり頭を振り出した俺に、莉々奈が少しビクッとする。

「だっ大丈夫?」

その言葉に、無意識で俺が頭を振っていたことに気づく。

「うっうん。ちょっといま一瞬理性が・・・」

「はぁ?なにバカなこと言ってんの?」

こいつが鈍すぎるのではないかと思ったが、それ以上話すのはやめた。

いきなり莉々奈が話題を変えてくる。

「今日、一緒に帰らない?」

少々疑問に思ったが。

「別にいいけど。」

「よかった!」

そう言って弁当をさっさと食べ終わり体育倉庫を手を振りながらでていった。

「なんだったんだ?」


放課後。

俺は、校門の前で待っていた。

そこに莉々奈が来た。

「ごめんごめん、委員会があってさ~。」

俺は、そうかと言わんばかりに歩き始める。

後ろを振り返ると莉々奈が何か言いたそうな顔をしている。

俺はその理由を尋ねてみた。

「どうかしたか?」

「あっあの、ちょっと寄り道しない?」

「どこに行くんだ?」

「それは、秘密・・・」

少しばかり歩くと、住んでいる街が一望できる高台のようなところについた。

そして莉々奈が言う。

「ここはね、私しか知らない秘密の場所。ほかの友達や親友にも教えていない、私のお気に入りの場所。」

それを聞いて俺は疑問に思った。

「なんでそんなところを俺なんかに教えんだ?」

そんな俺に莉々奈はそっと笑顔で。

「この場所を私だけの場所じゃなくて、私とカズヤの場所にしたいの。」

「それってどういう・・・?」

戸惑う俺に莉々奈は、顔を真っ赤にして続けて言ってくる。

「あっあのね、その・・・わっ私、カズヤのことが、すっ好・・・」

莉々奈が何かを言おうとする前にどこからか声が聞こえる。

その声は、段々大きさが増しついには耳をふさぐまでにもなった。

しかし耳をふさいでも声はちっとも小さくならない。

そして驚くことが2つあった。

1つ。

その言葉の内容だった。

それは。

「我は雷帝ゼウス。汝よ。貴様はモテすぎだ。よって異世界に強制転移する。」

その言葉には謎としか言いようがない。

2つ。

俺と莉々奈の足元に、赤色の魔方陣があった。

非現実的なその魔方陣は光を増しながら俺たちの身体を消した。


気が付いたら俺たちは立っていた。

幸い莉々奈も何も変化はないようだ。

俺らが立っていたところは、電柱も無く、馬車が大きな荷物を運んでいた。

まるで、アニメのレトロな町ってかんじだ。

俺は周りを見て莉々奈と目が合う。

そして言葉が、はもった。

「どこココ?」

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