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君への告白をもう一度  作者: リョウさん
3/4

入院生活




直樹君へ

雪はもう溶けて桜が顔を出す季節になりました。あの丘の木にも桜が咲き始めています。それを見る度に「直樹君に見てもらいたいなぁ」なんて思ってしまいます(≧∇≦)

東京はどうでしょうか?

私も東京の景色とか見てみたいなぁ( ̄(工) ̄)

恵里より




恵里へ

手紙ありがとう。東京は青森と比べると、とても窮屈な処です。

早く青森に帰りたいなぁ。恵里に会いたい

直樹より




直樹君へ

今日、高校の入学式があったんだ。

高校になるとね、みんな大人っぽいね。私だけ、置いて行かれてるように感じます(´Д` )

直樹君はどんな感じ?

恵里より




恵里へ

僕もなんだか、置いて行かれてるような気がするよ。

部活とかは何に入るつもり?

ちなみに僕は帰宅部です。

直樹より




直樹君へ

私も帰宅部です(笑)

激しい運動すると直ぐに息切れしちゃうので…(´Д` )

そういえば、昨日家の屋根に鳥が巣を作っていました。このまま住んでくれたら嬉しいな

恵里より






病院の窓から見える景色はものすごくつまらない。絶え間無く行き交う人、車。

全てが騒がしく通り過ぎる。


春が過ぎて窓から見える桜も散ってしまった。儚く散ってしまう桜はまるで僕の様だ。なんて自虐を考えて笑ってしまう。

実は高校の入学式は行っていない。 恵里に謝らないとな




恵里へ

夏ですね。とても暑いです。

この季節になると、みんな薄着で目のやり場に困ってしまいます(笑)

みんな海に行こうとかプールに行こうとか言っています。

青森はまだ涼しいのかな

直樹より


なんて高校生活を想像して手紙を書いてみる。高校行ってみたいなぁ



直樹君へ

青森はまだ涼しさが残っていますね。私は泳げないので、この季節が嫌いです(*`へ´*)

確かに最近、薄着の子が増えてきましたね。今私も薄着です。

恵里より



「ふふっ、妬いてるのか」


恵里との手紙は不安や恐怖を忘れさせてくれる


「そろそろだぞ」


「ねぇ、もうちょっと引き伸ばせないかな?」


「お医者さんが言っていた、これ以上伸ばせば手術の成功率が下がる。冬に会いに行くんじゃないのか?」


父さんは不安なんだろう、そして僕を失う事を怖がっている。


そりゃそっか……


「そうだね。父さんも一緒に行こうよ青森。改めて僕の彼女を紹介するからさ」


すると父さんは少し笑って応えた


「知ってるさ、恵里ちゃんだろ?何回も家に来てたじゃないか」


「あはは、そうだったね」


父さんもよく見てくれてるな


「なんだ、お前諦めてるのか?」


父さんはまったく手術に対しての不安を見せない僕に疑問を持ったようだ


「いや、諦めてないよ。

分かるんだ、この手術は成功する。でもさ、本当に本当にもしもの時はこの手紙を恵里に渡してほしいんだ」


僕は大事にポケットに入れておいた手紙を父さんに渡した


「手紙か。中々粋な事やるじゃないか

分かった渡しておこう。中は見ないで置いといてやるよ」


「ありがとう。これで安心して手術を受けれるよ」


もう後悔も不安も恐怖すらない。


これが終われば恵里の元へ

なんて考えるとニヤけてしまう


「さあ、時間だ。がんばれよ、恵里ちゃんが待ってるんだから」


そう父さんがニヤけながら言った


「行ってきます」


手術室の扉が開く。


これが終わったら恵里の元へ……

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