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Sniper  作者: yosuke
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「も……もし……よかったら……?な……なんだろう?……」


「家に……来ませんか?……」


え?え?どう言う事?え?これどう言う状況なんだろ……ちょっと待って、一旦整理しようか?はい、ウルトラマンカップルがイチャついてました。それを後ろから2人で見てました。ウルトラマンカップルが歩き出しました。それを2人で後ろから見てました。ウルトラマンカップルがホテルへ入りました。それを2人で後ろから見てました。「家に来ませんか?」それを猟師が鉄砲で撃ってさ?あ、落ち着け。撃たないし、まず猟師なんて居ない。今ここだよね?え?え?どう言う事?流れからすると、「私たちも入っちゃいましょうか♪てへ♪」って来ると思ったよね?善からぬ事を想像してしまいましたよね?え?え?でもちょっと待て……「家に来ませんか?」?……裏の裏の裏を行っちゃってるよね?


「来ます……あ、行きます……」


勢いにまかせて俺はそう言ってしまったんだよね。もうさ、なにがなんだか解らなくなっちゃったんだけど、これさ?よくよく考えたら騙されるよね?俺たぶんこの後変な所に連れていかれて、高価な宝石とか買わされちゃう感じだよね?財布の中に2千円しか入ってないのに……それと、お赤飯炊いてる場合じゃないよね?


「なぜ覗いていたかをお話したいんです……」


「え?あぁ……うん……聞かせてもらおうかな……」


これ凄い急な展開だね。なんだかもう面倒くさいから物語を早く終わらせようって言う、作者の意図が見られるよね。そして飽きてきた人には朗報だよね?とりあえず、行くとこまで行くって俺は腹を括っていたんだ。もし騙されて高価な宝石を売り付けられてもほら?ウチにはリーサルウエポンの渡辺くんが居るじゃん。まぁ、ホクロデッカチじゃどうにもならないけどね。俺はミポリンと今歩いてきた道を引き返して、駅に背を向けた。


「なんか変な感じですよね?……ごめんなさい……初めて会った人なのに……」


ミポリンが恥ずかしそうに言うもんだからさぁ、俺は覚悟を決めている事を伝えたんだ。


「え?いや……その……俺は心の準備は出来てるから……」


「え?……」


「え?え?」


「え?え?……えっ?」


「え?え?あぁ……え?え?」


俺とミポリンは噛み合わないまま歩いて行ったんだけど、そりゃもうドキドキですよ。寒さなんかもう忘れるくらいだね。背中とお腹に貼るタイプのホッカイロあるけど。でも、とりあえずなんか話さなきゃと思ってさぁ。俺は「歴代の総理大臣の名前言い合いっこゲーム」をミポリンと繰り広げていたんだ。そして歩いてきた道を戻りながら、ちょうどミポリンが「ジョン・F・ケネディ!」と叫んだところでウチの会社が見える位置まで来ていたんだ。


「あ!事務所の電気が消えてるからホクロデッカチくんは帰ったんだな……」


「それあだ名なんですか?(笑)」


「え?あぁ……あだ名って言うかキャッチフレーズかな……」



正直俺はもう会話どころじゃなかったんだよね。これから一人暮らしの女の娘のマンションへお呼ばれですからね?なんて言うか、気分は高校1年生の夏だよね。あのウブな甘酸っぱい感じの大事なところで腹が痛くなって何も出来なかったリベンジだよね。題して「何も出来なかった夏」……そんなことを考えていると俺の携帯電話、略して俺電が鳴った。ちなみに着信音は「想い出がいっぱい」である。


俺は無造作にそして格好良く仕事の出来るニューヨーカーのように、けたたましく鳴る携帯を鞄の中の巾着袋から取り出し、アンニュイな雰囲気のまるで仕事の出来るニューヨーカーのように応答した。


「はい、もしもし私だ……」


ミポリンはそんなニューヨーカーの受け応えをよそに、ショーウインドウのトランペットを被り付きで見ていた。俺はまるでニューヨーカーのように不敵な笑みを浮かべながら、それでいてニューヨーカーのように紳士に電話に耳を傾けていた。しかしそれは連絡先にも登録していない、見たことも覚えたこともない番号からの着信だったんだ。そんなニューヨーカーの第一声に電話の相手はこう話してきた。


「もしもし……今君の横に居る女に悟られないようにこの話を聞くんだ……いいか?絶対に悟られるなよ?悟られたら君は間違いなく殺される……」


俺はそのままニューヨーカーな佇まいでミポリンを見ると、今度は被り付きでタンバリンを見ている。


「もしもし?どちらにおかけですか?」


紳士的なニューヨーカーはいきなりとんでもない会話をしてきたその電話越しの相手にこう聞いてみたんだ。すると、少し食い気味に電話越しの相手は声を大きくして話してきた。


「いいか?もう一度言う……今君の横に居るそのトライアングルを眺めている女には気をつけろ!何としてもその女から離れるんだ!殺されるぞ?」


俺はまた横目でミポリンを見てみると、ウインドウの一番端に飾ってあるトライアングルを被り付きで見ていた。殺される?え?なにこの映画みたいな展開は。ちょっと待って?こいつ誰なんだ?俺の電話番号知っていて尚且つこの状況をどっかから見てるよね?声には聞き覚えもない曇った声の男だった。


「いいか?その女には関わるな!こちらでその時が来たら発砲も視野に入れている!」


えっ?発砲?この電話はなに?発砲とかすることの出来る人からなの?え?え?映画だとこれ俺殺されるやつだよね?てか、ミポリン何者なんだよ!?


「ちょっとあの……どういうことか詳しく……」


電話は切れていた。ミポリンを見るとトライアングルを携帯のカメラで撮っている。俺はとりあえず携帯を鞄の巾着袋に仕舞って、今の出来事を頭の中でまるで仕事の出来るニューヨーカーのように整理していたんだ。













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