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とりあえず電話を切ってミポリンを見ると不安そうな目でこちらをまだ見つめていたんだ。そんな目で見るなよハニー♪心の中でそう呟くとミポリンに近づいて俺は謝ったんだ。
「ごめんごめん、ばあちゃんがやっぱりもう遅いから来なくていいって(笑)」
俺はおどけながらもミポリンを探っていた。こちらには指令が出てるのでね?もうあれだよ?気分は潜入捜査ですよ?「潜入捜査官三郎」の三郎役ですよ?そんな映画もドラマ、観たことも聞いたこともないけど。
「大丈夫なんですか?……」
ミポリンのその言葉と表情を見て思い出してしまったんだけど、俺さっきミポリンを庇うのに後ろからガッツリ行っちゃったよね?そう言えば咄嗟に凄い恥ずかしい感じでトレンディな台詞まで言っちゃってたよね?もう抱きしめてTONIGHTだったよね?
「大丈夫♪大丈夫♪てへ♪」
俺は重大な任務を任されているのでこのままミポリンを帰すわけには行かなくなってしまったんだけど、この流れでミポリンのマンションに一緒に行くのって厳しくない?どうすればいいのこれ?これは潜入捜査官三郎の腕の見せ所だね。俺はミポリンにこう言ったんだ。
「えっと……マ…マン…マンション……マンションに行こうかな?……」
我ながら自然な流れである。さすが三郎である。伊達に三人兄弟じゃないのに名前を三郎と付けられてはいない。あっぱれである。
「えっと……(笑)誠さんは本当に大丈夫なんですか?(笑)」
ミポリンのその問いかけに少しビックリして慌てて答えたんだけど、これは何か裏があるんじゃないかと疑ってしまう三郎であった。
「大丈夫です……だよ?ミポリンの話しを聞きたいし……」
「じゃあ行きましょうか?(笑)」
間髪入れずにミポリンはそう言ったんだけど、これやっぱり裏があるのかな?何かとてつもない大きな組織が絡んでるのかな?このままミポリンのマンションにお邪魔したら三郎本当にお邪魔にされちゃうんじゃないのかな?俺は意を決してミポリンのマンションへと小さな歩幅で歩いて行ったんだ。三郎の見せ場がやって来ますよこれ?
「私……男の人を部屋に上げるの初めてかも知れないです(笑)」
え?なにこの告白?あれか?そう言っといての三郎を人質にでもする感じなのかな?いやいやいや、三郎は騙されませんよ?これは潜入おとり捜査ですからね?「潜入おとり捜査官三郎」の威信にかけても失敗することは許されないからね?あと、題名変わっちゃってるからね?俺はミポリンの顔をしっかりと見つめてこう言ってやったんだ。
「イエス」




