お約束です
「私って、そもそもなんでこんなところにいるの?」
ブラックまではいかない(だって働いた分は残業代がちゃんと出てたもの!ちょっと労働時間がおかしかっただけよ!)と思うけど、それに近い企業の社畜でSEだった私は、プロジェクトの大詰めで、残業という名の泊まり込みをしていたんじゃなかったかしらね?
「あぁ、過労死だね。心臓が悲鳴をあげたんだね。君、頑張りすぎたみたいだよ」
過労死…。
心臓が悲鳴…。
納得するしかないわね。
身に覚えしかないわ…。
「で、転生?」
「そう!」
「ジュリエティーヌ・ファンラーレンに転生?」
「そうだよ」
うーむ。
あのままの人生を送る気には、全くなれないんだけど!?
「聞いてもいい?」
「何かな?」
「転生したとして、好きに生きていいんだよね?」
それじゃなければ嫌よ。
「もちろん。むしろ好きに生きて欲しい」
なるほど?
「彼女が死んだら、世界は滅亡するのよね?寿命で死んでも滅亡するの?」
それって、どう考えても100年が限度じゃない?
「いや、50年生きてくれれば、ジュリエティーヌの魔力が世界を巡る。そうすれば世界は固定される」
なるほど?
50年ね。
「彼女って、喋れないの?身体的な問題?」
最後しか話せないってことじゃないよね?
「いや、話せるけど話しちゃいけないって思ってる間に、話し方を忘れちゃったみたいなんだよね」
えぇー?
そんなことあるの!?
いや、映像の最後に喋ってたから、話し方を思い出したってことかな?
それともただこぼれ落ちただけかな…?
忘れたふりでもしないとやってられなかったってことかもね。
でも最後が【死にます】とか【消えます】とかじゃ救われないじゃない。
ジュリエティーヌだって、幸せになる権利はあるよねぇ。
その後、色々確認させてもらったのは、
・侯爵令嬢なのは変わらない。
・膨大な魔力と特殊なスキルを持っていることも変わらない。
・王太子が婚約者なのも変わらない。
・魔法が使える事も変わらない。
・言葉や文字も問題ない。
・話したことが現実になるのも変わらない。
うーむ。
「書いた文字にスキルは適用される?」
「それはしないね」
【言霊】が影響しないってことかな?
【言霊】って、声に出すからこそってことよね?
それなら、筆談は可能ってことね?
「で、何歳に転生するの?」
「3歳か6歳か9歳のどれかだね。何歳がいい?」
えっ?
選んでいいの?
9歳だとすでに色々詰んでる可能性が高くない?
家族にも疎まれてたらデッドエンドよね?
そんなこといったら6歳も同じじゃないのよ…。
あぁ、そう。
なら、選択肢って3歳の一択しかないんじゃないの?
3歳ならまだリカバリーが効くんじゃない!?
でも3歳だと筆談はまだムリよねぇ…。
意思疎通が出来ないのは、ちょっとメンドクサイとか思ったのは仕方なくない?
「3歳にするわ」
「そうだね。それがいいと思うよ」
“自称神様“のアーテファートが頷いている。
元々3歳の予定だったってことかな?
とりあえずそれは置いておいておこう。
「今までの彼女の記憶も私の前世の記憶も覚えたままよね?」
「えっ?まっさらからやり直さなくていいの?」
えっ!?
わかってる方が、作戦も練れるし回避も出来るようになるじゃない?
「覚えてないと同じ結果になると思うけど?」
きっと私は頑張っちゃうわよ?
社畜根性が染み付いちゃってるもの。
でもわかっていたら、手を抜ける。
たぶんね。
“自称神様“のアーテファートは、そういうもの?と不思議そうにしているけど、君がそう言うならと、記憶は残しておいてくれると言ってくれた。
よし、あとは…。
「転生特典ってないの!?」
よく転生ものの小説では、何かもらえるじゃない?
なんかすごいスキルとか。
「あー、君たちの国の物語にはそういうお約束があるんだっけ?」
お約束かどうかは知らないけど、もらえるものはもらっておくわよね?
しかし“自称神様“も知ってるとか、すごくない?
日本のラノベ…。
でも今はそれが好都合ね!
「そうそう、そんなヤツ!ないの?」
はぁぁぁぁ…って、盛大にため息吐くのやめてくれない?
「わかったよ、何が欲しいの?」
何?
困ったわね。
何って言われても、今の段階じゃわからないじゃない。
どんな世界かもわからないんだから。
そう言ったら、
「それなら、転生後に必要なスキルとかがあれば、取得できるようにしておくよ」
おっ、いいね。
わかってるじゃない!
「それは、必要だと思えば幾つでもいいわよね?」
いくついい?なんて聞かないわよ?
メンタル強強な私は、強気にいくわよ?
「いや、ちょっと待って!?制限なしってのはさすがに…」
“自称神様“が焦ってるわね。
このくらいで焦っちゃうなんて、ねぇ?
もう少し追い込んじゃおうかな?
「えっ!?だって、ジュリエティーヌに長く生きてもらいたいんだよね?そのくらいの恩恵はないと、死ぬってわかってる令嬢に転生するのは、ちょっとねぇ…?」
じぃーって、視線を逸らさずに口角だけを持ち上げてニヤリと笑ったら、“自称神様“が折れたわ。
「……………わかったよ」
よし!!
思わずガッツポーズしちゃったわ。
「ありがと!好きに生きて長生きするわね」
「本当に頼んだよ。起きたらステータスを確認するように」
私は、それからすぐに【ジュリエティーヌ・ファンラーレン】へと転生した。
ジュリエティーヌが願って欲したであろう【愛】を手に入れてやろうじゃないの!!!
お読みいただきありがとうございます!
もしよければ評価もおねがいしますm(_ _)m
トーヤのテンションがあがります(笑)
感想、誤字脱字報告もありがとうございます。
引き続き他の作品共々よろしくお願いします!
生まれたその日にダンジョンに捨てられた俺はドラゴンに育てられる
https://ncode.syosetu.com/n4334li/
ダンジョン代行 なんでも屋におまかせ!〜俺のダンジョンはまだないので他人のダンジョンで活動します〜
https://ncode.syosetu.com/n0151lz/
大賢者リオールは楽しみたい!
https://ncode.syosetu.com/n6058kb/
ようこそ!ダンジョンへ!
https://ncode.syosetu.com/n3468kt/




