本編中に散りばめられた惨劇への警告〈サイン〉をあなたはいくつ見つけられる?
■プロフェシー (2002年アメリカ映画)■
この映画を観るうえで、エンタメ性やどんでん返しを求めるとかなり肩透かしを食らいます。
なぜって、この映画は地味だから。
それも当然。この映画、じつは実話なんです。
アメリカにあるポイントプレザントという田舎町で実際に起きた怪物モスマンの目撃談と町に降りかかった惨劇の実話をもとにしたもの。
「あなた、あれをみた……?」
運転中に不気味なものを見てしまった恋人がおぞましい絵を描き残してこの世を去るところから物語は始まります。
記者の男は死んだ恋人が見たという怪物の正体を探り、車を走らせると何かに導かれるようにしてとある田舎町にたどりつく。
そこでは恋人が見た怪物に似た目撃証言が多発している町だった……というのが本作のあらすじ。
最近だと「2025年7月5日の日本で大災害が起こる」
という不吉な予言が大注目されていますよね。
あれに感じる不気味さと近いものをこの映画は持っています。
モスマンとは、ある一定の時期にアメリカのとある町で数多く目撃された謎の怪人の事。
そしてモスマンの予言通り、その町で大惨劇が実際に起きてしまいました。
それ以来、モスマンの目撃証言はプツンと途切れています。
この映画にエンタメを求めるならそういう存在と対峙して倒す展開を期待するかもしれませんが、リアルに考えてみてください。
もし、人知を超えた何かがこの世界に存在したとして、それを捕まえたり、倒したりできると思います?
まず無理です。
この映画をみると、人類ってちっぽけなんだなって感じます。
クトゥルフやSCP、『Xファイル』に近いものもあるのでそういう想像を膨らませるのが好きな人にもささるかも。
監督いわく最初から最後までそこかしこに惨劇の伏線が仕込まれてるので、映画が提示した惨劇のヒントを探しだすのも面白いです。
もしかしたら私達も日常のなかで、これから起きる不幸のヒントをたくさん見逃してるのかもしれませんね。