笑いと恋と怪異ホラーを男女二つの視点で体感する遊園地的な面白さ。
■ドロメ (2016年日本映画)■
日本の青春映画のなかでは五本の指に入るであろう面白さ。
本作の評判は家族内ではそういう認識だったので、わざわざここで語るのは野暮と思ったんですが、ネットの評判を見ると意外と評価低いのでご紹介。
本作は『カメラを止めるな!』と同じような低予算で作られたタイプ。
友達とわちゃわちゃしあって見るような若者向けの青春エンタメ映画です。
あらすじをザックリ説明すると、女子高と男子校の演劇部が、誰もいない校舎で合同合宿をするところから始まるのですが、途中から青春ドラマに「ドロメ」という名の怪異が割り込んできて、校舎を舞台にしたゾンビもどきのパニックコメディが幕を開けます。
低予算なのでガッツリとしたホラーを求めると低評価まっしぐらですが、本作は「ホラー展開をゲラゲラ笑いながら楽しむ」といった一種のホラゲー実況プレイを見てる感覚に近い体感ができるタイプの映画です。
最近だと『きさらぎ駅』がそのタイプとして有名ですが、本作の面白い特徴はもう一つ。
それは、同じ時間軸で起きたお話を「男子篇」と「女子篇」の二つの視点で楽しむことができる点。
映画としてはかなりの異例です。
前編後編の映画とかではなく、二本の映画を観ることで一つの物語が完成するのですから。
なので、どちらから観ても楽しめます。
一応楽しめますが、女子篇の小さな謎が男子篇で明かされるので女子篇から見るのがオススメ☆
さらに言うと、視点が異なることで二つの作品でジャンルが変わる特徴があります。
女子篇は「ゾンビもどきパニックコメディ」
男子篇は「幽霊ホラー」
・・・という特徴があるので、これらの情報からどちらを先に見るか決めてもいいかも?
もし、この映画を気に入った方がいましたら、これに近いカタチの映画というと『夜のピクニック』も挙げておきます。
こちらも青春映画で各人物の視点が短編として紡がれた前日譚の作品『ピクニックの準備』を見ることで一本の物語が完成になる仕組みとなってます。
■ おわりに ■
今回ご紹介した映画はSNSのフォロワーさんから教えていただいた作品なのであまり知られてないかもしれません。
インターネットというツールは映画だと危険なツールとしてよく描かれがちですが、こうしてネットを介して知らなかった素敵な作品と出逢うことができる時代になったのは本当に有難く感じます。
それでは皆さん、また巡り会う日が訪れる機会がありましたら、またほんの少しだけお時間を下さいませ笑
ではでは~♪
◇ 完 ◇