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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
六章 異世界とは古き民が居る世界

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13話 天然混じりの恐怖のドジっ子.7



 ファンガーデン製のコンロ使って、湯を沸かし、ミルン工房で作られた、高級ティーポットに、ジアストール産高級茶葉を入れ、お湯を注ぎ込み、二分程蒸らす。

 冷めない様に注意だな。

 時間を見計らって、ミルン工房で作られた、お洒落なティーカップに、少し高めの位置から注いだら、完璧だ。


「ほれ、お飲みなさいな」


「何ですかこれー? 良い香りですーっ」


「普通のお茶だけど?」


 そう言えば、アッジスノード王国でも、水や酒ばかりで、茶葉を見かけなかったな。土が悪いから、栽培出来ないのかねぇ。


「おちゃ? 飲み物ですかー?」


「見りゃ分かるだろ」


「それなら、頂きますーっ」


「苦かったら、蜂蜜もあるからな」


 空間収納から、蜂蜜入りの小瓶を出そうとしたその時、パキィンッと何かが割れた音が、聞こえて来た。

 はいはい、分かってますとも。

 ミルン印の、お洒落なティーカップですね。


「おい……」


「割れちゃいましたーっ」


「お前それ……ワザとなの? 俺が淹れた茶を、飲みたく無いって事なの?」


「この入物が、脆いんですよーっ」


「力の加減を知らんのかっ!?」


「加減?」


 愛らしく首を傾げ、俺を見て来るが、その手元にある割れたティーカップが、ゴリゴリ削れて、粉状にされてんの。

 証拠隠滅ですか?

 熱いお茶で火傷をせず、割れた破片で傷一つ付かず、あっという間に粉の山。


「あれっ? この粉は何ですかーっ」


 恐怖映像其の二。割れたティーカップを、手の中で揉み揉みして、粉に変える女帝。


「お嬢さんや。お前いつもはどうやって、水とか飲んでんの?」


「お水ですかーっ? お手伝いさんが、お世話してくれるのでーっ。自分で飲んだ事なんて、無いですよーっ」

 

「……お前その時、絶対に"動くな"とか、言われてないか?」


「何で知ってるんですかーっ」

 

 そのお手伝いさん、命懸けだろうなぁ。

 

「ステータスを確認しながら、力加減を覚えようとは、思わないのか? 不便だろうに」


「すて? 何ですかそれーっ?」


「んっ?」


「えっ?」


 この女帝っ、まさか……ステータスの存在を知らずっ、一度も確認した事が無いのか? 

 

「……ステータスって、頭の中でも、口に出しても良いから、言ってみてくれ」


「すてーたす? うわぁっ!? 何か変なモノがっ、目の前に見えますよーっ!」


「マジかっ……お前ステータスの事、両親とかに教わらなかったのか?」


「パパンですかーっ? 私が小さい頃に、"二つに割れて"、亡くなりましたーっ」


 パパンが二つに割れるとは?


「ママンもぉ、私が小さい頃に、"天井に刺さって"、そのまま亡くなりましたーっ」


 ママンが天井に刺さるとは?

 

「ワザとじゃ無かったんですよーっ!」


 さて、情報を整理しよう。

 パパンは二つに割れて、お亡くなりに。ママンは天井に刺さって、お亡くなりに。そして今の、この女帝の発言だ。

 


『そうだね。見た目は大人しい子供なんだけど、彼女が動けば、間違い無く死人が出るんだ。なんとも不憫な、女帝だよ』



 チャッフ国王の言っていた、あの言葉。

 攻め込まれている状況にも関わらず、ノブストンの女帝を、憐んでいた理由。


「ボソッ(嫌な予感がするなぁ……)」


「これって何ですかーっ。私の名前の横に、無邪鬼って書いてますーっ」


「名前の横に、無邪気? 何故に無邪気?」


「私は鬼じゃ無いですーっ」


「ああ、成程。無邪鬼の事かぁ……やっぱり人間辞めてんじゃんっ!?」

 

 半魔王や魔王にでは無く、無邪鬼に成るとか、お似合い過ぎてヤバいだろ。


「……称号欄に、何て書いてある?」


「称号? えっと、無慈悲な殺戮者? ドジっ子暴君? 欠落者? 神を蹂躙せし者の末裔って、何ですかこれーっ!」


「……お前今までに、大臣何人変わった」


「えっ? 大臣ですかーっ?」


「そうそう、雇われ大臣……」


「えっと、覚えているのはーっ、ムズリ、ヤット、デビノル、サトゥーイ、バームル、ポッホイ、ペヘッホですーっ」


 ペヘッホは今の大臣だ。それなら、その前の大臣達は、一体どうなったのか。

 理由なんて、わざわざ聞く必要も無い。

 だってさっき、『大臣が亡くなるのなんて、珍しい事じゃ無いですよーっ』って、この女帝が言ってたからな。


「ボソッ(見事に称号通りじゃんっ)」


「変な事ばっかり、書いてますよーっ!」


「変じゃ無いだろ。まんまお前の事だからな」


「酷いですーっ!」


 酷いのはお前だと、ストレートに伝えたい所だが、怒らせるのは得策じゃ無いな。


「そいで、そのステータスに、STAか力って項目は無いか? 数字書いてるだろ」


「むぅぅぅ……千五百って、書いてますーっ」


「それ以外の数字は?」


「体力、八十? 生命力は、二千四百って書いてますよーっ。何ですかこれーっ?」


「……ボソッ(魔神より、強くね?)」


 スタミナは無いけど、生きる為の力は、ずば抜けて化物って事だよな? それと、称号のアレ、神を蹂躙せし者の末裔って、何?


「末裔? 古代人の……末裔って事なの?」


 駄目だっ、色々情報が多過ぎて、頭が痛くなって来た。さっさとペヘッホ大臣を起こして、なる早でこの場から去ろうっ。


『たじゅっ、たずげてぐれええええええっ!! じにだくなああああああいっ!?』


「……何今の叫び?」




 次回は、4月6日、朝7時半更新っ!

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