表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
六章 異世界とは古き民が居る世界

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

583/593

13話 天然混じりの恐怖のドジっ子.6



「戻りましたーっ。ほらっ、大臣も連れて来たんだから、うるちゃんを返してーっ」


「だっ、じゅげ……で……」


「陛下をお止めしろおおおおおおっ!」


「「「うおおおおおおおおおっ!!」」」


 恐怖映像。自国の大臣の首根っこを掴み、ポキッとしかけてる女帝様と、自国の女帝に襲いかかる、屈強な騎士達。


「うわぁ……降りたくねぇ……」


 例の如く、門の上から、お送りします。

 何をやねん。

 だってね、ちゃんと出迎えるにしても、あの近衛っぽい騎士達が邪魔で、降りたら間違い無く、巻き込まれるだろ。


「陛下っ! どうか手をお放し下さいっ!」


「このままですとっ、ペヘッホ大臣が死んでしまわれますっ! 陛下っ!」


「放されよ陛下ああああああっ!」


「押さないで下さいよーっ、あっ────」


「────嫌だああああああっ!?」


「デルボが巻き込まれたぞおおおっ! 救護班急げえええっ! 死なせるなああああああっ!」


 あの女を押さえ込もうとした、一人の騎士様が、転けそうになった女に、腕を掴まれて、そのまま勢い良く、川へとグッバイ。


「……地面に落ちたら、死ぬんじゃね?」


 しかも、ワザとでは無く、転けそうになったから、反射的に騎士を掴み、持ち前の馬鹿力で、投げてしまったかの様に見える。


「何も無い所でも、転けてたよなぁ。もしかしてだけど、ドジなだけなのか?」


「変態さーんっ、うるちゃん返してーっ。大臣なら、ちゃんとここに居ますよーっ」


「だーかーらーっ、変態言うなやゴラァっ!!」


「うるちゃああああああんっ!」


 何だろう……天上天下唯我独尊我が道を行く的な、人の話を聞かないドジっ子?

 

「そっ、そこの貴様あああっ! 陛下を見下ろすとは何事かああああああっ!」


「降りてこおおおおおいっ!」


「大臣を助けろおおおおおおっ!」


 ほらほら、こっちに飛び火して来たじゃん。

 火消しぐらい、自分でやれっての。


「ほい強めの"威圧"っと……」


 はいっ、一秒で静かになりました。


「あれっ? 皆さんどうしたんですかーっ」


「思った通り、お前には効かないか」


「何がですかーっ」


 門の上から飛び降りての、初対面。

 こうして見ると、背は低くて顔付きも幼く、十歳と言うのも、間違いでは無いのだろう。


「先ずは、その右手に握っている大臣を、この椅子に座らせなさいな」


 空間収納から、椅子三脚とテーブルを出し、交渉の場を用意する。


「何処から出したんですかっ!?」


「そんなもん、スキルに決まってんだろ。早くその大臣を、座らせろっての」


「むぅ……ほら大臣っ! 早く座りなさーいっ!」


「へぶぅっ!?」


 右手で掴んでいた大臣を、勢い良く、椅子にバキィッと叩き付け、粉々になりました。

 大臣が粉々に、なった訳じゃないぞ。


「椅子壊してんじゃねえよっ。お前それ、絶対に弁償金を、支払って貰うからな」


「だっ、大臣が壊したからっ、私は関係ありませんっ! 請求は大臣にお願いしますーっ!」


「その大臣様が、失神してんだろ……って、脚ポッキリ折れてんじゃんっ!?」


 椅子に座った時と、高さが同じ状態です。

 昔のギャグ漫画で、骨が飛び出て痛そうな描写があったけど、生で見るとグロいわぁ。


「お前これ、どうすんの? 治療出来るのか?」


「……無理ですーっ」


「何その諦めた感。この男、大臣なんだよな?」


「無理なモノは無理ですし、大臣が亡くなるのなんて、珍しい事じゃ無いですよーっ」


 その眼差しには、一点の曇りも無く、自分の行いに、疑問を感じていない様だ。


「ボソッ(チャッフ国王が言っていた、暴力の権化とか、マジでそのまんまじゃん……)」


 悪意の欠片を微塵も感じず、話す分には、少し変な子供。しかし、そこに純粋な力を合わせると、暴力の権化の完成です。


「……お前はそこに座っていろ」


「うるちゃんは?」


「良いから座ってろっ!」


「怒鳴らないで下さーいっ。お耳がキンキンするんですからぁーっ」


 それでもちゃんと座る辺り、皿くれお化けよりかは、マシなのだろうか? 

 失神しながら震えている、今にも死にそうな大臣に近付き、空間収納から世界樹の葉の薬を取り出すと、ゆっくりと飲ませる。

 

「薬の代金も、請求するからな」


「それって、お薬なんですかーっ? うわっ! 大臣が光ってますーっ!?」


「うげぇ……折れた脚が、逆再生してんじゃん」


 世界樹の葉を使った、回復薬の原液だから、やっぱ効き目が凄いわ。


「傷も塞がったし、少し寝かせとくか。おーいっ! 黒姫さんやーいっ!」


『何ぢゃーっ!』


「このおっさんをっ! 簡易小屋の中でーっ! 寝かしといてくれーっ!」


『今そっちに行くのぢゃーっ!』


 そうして、パタパタと飛んで来た黒姫に、失神中のおっさんを預け、「ふぅ……」と一息吐いて、椅子に座った。


「急に静かだな。どうした?」


「うぅっ、今の子供は何ですかーっ?」


「黒姫の事か?」


「生まれて初めて、ぶるぅって、なりましたーっ。怖かったですよーっ」


 本能的に、黒姫の強さを感じ取った? 天然暴力娘の上に、野生児も混じってんの? 


「取り敢えず、お前はその椅子から、立ち上がるな。大臣が起き次第、色々と話をするから、大人しくしておけよ」


「うるちゃんに会わせてーっ!」


「それも含めた話をっ、大臣とする予定だったのにっ、潰したのお前だろぉがっ!?」


「うぅ……うるちゃぁん……」


 この女帝、何でそんなにも、円堂に固執しているのかねぇ。大臣が起きる前に、少しばかり聞いておくか。



 次回は、4/5の朝7:30頃更新予定っ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ