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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
六章 異世界とは古き民が居る世界

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12話 報告対策実行しましょう.2



 傭兵国ディヒケンに攻め込むと言う、デンバー副団長の進言に対して、チャッフ国王はどう答えるのか。


「話を続けなさい、ジリス・デンバー副団長」


「ははっ。今はまだ、そこの小々波殿が居られます故、首都は護られておりますが、各地の村を襲われ、包囲されてしまえば、それもいつかは突破されましょう」


「ふむ、当然の事だね」


「しからば、その包囲前に、全軍でディヒケンへと攻め込み、殲滅した上で、ノブストンからの進行を、迎え打つべきかと」


「ディヒケンを攻めている間に、ノブストンが僕達の背後を攻め、挟み討ちされるんじゃないかな? それはどうするんだい?」


「それは……」


 デンバー副団長が、チラッとこっちを見て来たけど、そんな事手伝う訳無いだろ。


「却下。お前らがディヒケンを攻めた時点で、同盟は無効になるから、手伝う義理も無いぞ」


「この首都をっ……護るだけでもか」


「無理。攻められるだけなら、護る気満々だけど、侵略には手を貸さん。俺個人としては、ノブストンに対して、何の恨みも無いからな」


 もしそんな事をすれば、迅号の全速力を持って、この国からおさらばします。


「と言う事だね。その選択を、僕は選ばない。けれど、進言には感謝するよ、ジリス副団長」


「浅はかな考えを申しました。申し訳御座いません……小々波殿も、失言であった」


「一つの意見だろ? 謝る事じゃ無いし、そんなに暗い顔すんなっての」


 暗い顔をする暇があるなら、一つでも多くの対策を考えて、議論を交わすべきだろう。


「ノブストンの軍が、ここまで来たって事は、国境は壊滅。その付近の町や村も、占領されてるって事で、良いんだよな?」


「国境から、この首都の間には、元々町や村は無いよ。ここより東西に分かれて、町や村が点在しているんだ」


「へぇ……それなら、まだ被害は出てないと?」


「どうだろうね。報告は来ていないけど、逃げた彼等が回り込んでいたら、危ないかな」


 とするならば、先ずはそれの確認だな。


「ここの護りは万全なんだし、騎士団達に、各村町を、巡回させるべきだな」


「そうだね。ジリス副団長。第二騎士団と第三騎士団を、直ぐに向かわせなさい」


「畏まりましたっ!」


 デンバー副団長、行っちゃったよ。まだ話してる途中なのに、せっかち人間か。んで、チャッフ国王の目付きが変わるとか、本気だな。


「ジリス副団長も行ってしまったし、そろそろ考えている事を、教えてくれないかい?」


「やっぱりあんたは、王様だわ……」


「ほっほっほっ。良き王でありたいと、努力はしているけどね。魅了された事への報復は、しっかりしないと、示しが付かないさ」


「うわぁ、顎肉たぷたぷ揺れてるぞ。優しそうな面して、目がキレてるとか、器用だなぁ」


「僕は器用じゃ無いよ」


 早く喋れと、目で訴えて来るなっての。


「ふぅ……チャッフ国王。俺と交わした同盟の内容は、勿論覚えているよな?」


「覚えているとも」


 アッジスノード王国と、魔神流との同盟。その同盟の内容は、以下の通りとする。

 アッジスノード王国を、魔神流の拠点とし、その行動に制限を設けない。

 アッジスノード王国が、他国から攻め入られた際、同盟者として、防衛に参加する。

 魔神流が可能な限り、食料支援及び、土壌の改善、作物の栽培を指導する。

 アッジスノード王国が、他国に攻め入った際は、同盟を破棄、一切の縁を切るモノとする。


「さて、今この状況は、どう見るべきだ?」


「状況的には、国境を越えられ、攻められ……成程、"他国から攻め入られてる状況"だね」


「その通り。同盟を結んでいる以上、俺はノブストンの奴等を、国境まで押し返す必要が有る訳だ。ここ迄は良いか?」


「ああ。同盟の内容の通りだね」


 さてさて、ここからが肝になる。


「教えて欲しいんだけど、この地図の"何処に"、アッジスノードの"国境"があるんだ?」


「ほっ、ほほっ、そうだね。その地図には、僕の国の国境なんて、"書かれていない"よね」


「だよな? どこまで取り返せば良い?」


 先程俺は、ノブストンに対して、何の恨みも無いと言った。が、それは少し違う。

 円堂やペペルーノが、俺の情報を流して、万の軍勢で攻めて来たって事は、俺に対して攻めて来たのと、同義だろう。

 俺のモットーは、やられたらやり返す。


「そうだね……ここ迄は、取り戻したいかな」


 チャッフ国王が、地図に指を差した場所。

 ノブストンの首都から、南に下った場所にある、小さな川の、手前の陸地。


「目当てはこの川か? 欲張りだねぇ」


「そんな事は無いさ。元々はこの川が、アッジスノード王国の、国境だったのだからね」


「なら問題は無いな。一時ここを離れるけど、勝手に陥ちるなよ?」


「大丈夫さ。この国は、まだ死んじゃいない」


 最初謁見した時の、ボーッとした感じは何処へやら。優しそうな笑みを浮かべる、チャッフ国王の目が、闘志に燃えていた。


「ミユンに交代まで、あと八日。サクッと済ませて、休みを取るか。ミルンっ!」


「なあに?」


「あいっ!」


「タダイル君は、呼んで無いぞーっ。ミルンに指令だっ! ドールを連れて、北門集合っ!」


「攻めるっ! かしこまっ」


「あいっ!」


 そんなに元気に挨拶しても、タダイル君は、連れて行かないからね?


「黒姫は、壁の上だろうから、こっちに気付くだろ。んじゃ早速、行動するわ」


「ああ。頼んだよ、魔神小々波君」



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