11話 毎食カツ丼尋問タイム.4
四月八日、朝六時。ミルンと一緒に、カツ丼を持って、二人の部屋へと向かう。
二人共、美味しそうに平らげていた。
二人を同室にして、互いに生きている事を確認出来て、とても嬉しそうだった。
九時になったので、ミルンと一緒に、カツ丼を持って、二人の部屋へと向かう。
二人共、何とか食べ切った。
お腹を押さえて、少し苦しそうか?
十二時になったので、ミルンと一緒に、カツ丼を持って、二人の部屋へと向かう。勿論、豚カツ追加で、ボリューム満点だ。
二人共、泣きそうな顔で食べた。
ミルンの獲物を狙う目が、ジッと二人を見詰めており、残せば何をされるのか、不安になったのだろう。
十五時になったので、ミルンと一緒に、カツ丼を持って、二人の部屋へと向かう。
二人共、食べるのを拒否した。その瞬間、ミルンが動き出し、先ずはとペペルーノの口に、カツ丼を流し込んだ。それを見ていた円堂は、必死になって、カツ丼を食べ切った。
十八時になったので、ミルンと一緒に、カツ丼を持って、二人の部屋へと向かう。勿論、豚カツ追加で、ボリューム満点だ。
ペペルーノは泣き出した。
円堂は震えている。
ミルンはカツ丼を持って、ジリジリと二人に迫り、「食べ無いの?」と、不思議そうに質問をするが、二人は答えられない。
要らない、食べ無いと答えた瞬間、ミルンの鬼の流し込みが、行われるからだ。
二人は何とか、カツ丼を食べ切った。
時刻は既に、二十一時。
お夜食のお時間です。
勿論カツ丼。
吐きそうになった二人の口に、ミルンはすかさず薬を流し込み、下呂を回避。そしてそのまま、二人が食べ終わるまで、ジッと監視した。
今の時刻は、二十三時。
因みにミルンは、二人と同じ量を食べてるのに、腹八分目らしい。
「そんじゃっ、明日からずっと、これを続けるから、頑張って食べてくれよ」
「お残しは許さないのっ」
その言葉で、二人の心が折れた。
一日でギブアップとは、情け無い奴等だ。
四月九日、朝八時。
ペペルーノを別室に連れて行き、椅子に座らせての、尋問開始。勿論、目の前のテーブルには、カツ丼が鎮座している。
「うぷっ……もうそれは嫌ですわっ!」
「勘違いすんなよ。これはミルンの、朝御飯だ」
ミルンは嘘に敏感だから、朝御飯ついでに、尋問を手伝って貰います。
「頂きますっ! ムゴムゴっ、旨しっ!」
「ミルンは良く飽きないな。そんなにカツ丼を、気に入ったのか?」
「毎日毎食お肉三昧なのっ!」
流石肉食系ケモ耳。肉は飽きないのね。
「それじゃあ、お前国の事……話して貰おうか」
「分かったわ。先ず私達は────」
ペペルーノの話によると、大国ノブストンの目的は、アッジスノード王国に眠る、古代遺跡の調査、及び奪取との事。
その先遣隊として、魅了魔法の使い手であるペペルーノと、補佐として円堂が寄越されて、情報を送っていた訳だ。
「そんな時に、俺達が来たと言う訳か」
「そうよ。まさか……この首都の遺物を、動かすだなんてね。どうやったのかしら?」
「そんなん俺も知らんわ。実際やったのは、扉の向こうで見張りをしてる、ドールだからな」
「アレは何なの? ずっと頭巾を被っているけど、人なのかしら?」
「お前の質問には、これ以上答えんぞ」
こう言った奴等は、話術のプロだ。だからこそ、話の主導権を、握られる訳にはいかない。
「んで、何でノブストンは急に、万単位で攻めて来たんだ? 焦れたのか?」
「貴方の所為じゃないっ。あの円堂と、真正面から戦って、無傷でいられる存在なんて……魔王以外で、初めて見たわ」
「お父さんは、魔王より上っ」
「ミルンさんや、カツ丼に集中しなさいな」
「かしこまっ。ムゴムゴっ」
ほらぁ……今の一言で、ペペルーノの顔付きが、変わったじゃん。
「魔王より、上?」
「それに関しては、国王に伝えてるから良いんだけど。魔神って、知ってるか?」
「魔人? 人の上位の存在かしら?」
「何か勘違いしてそうだな……魔の神と書いて、魔神な。人の方じゃ無いぞ?」
「神の名をっ、貴方は……人じゃないのかしら」
心はずっと人だけど、この異世界では、どんな扱いになってんのか、知らないのよ。
「……人だと良いなぁ」
「お父さんは、お父さんですっ」
「有難うよ、ミルン。何で米粒が、お髭の様に、口の周りに付いてるの?」
空間収納から、手拭いを出して、ミルンの可愛いお口を、拭き拭きします。
「それも、貴方のスキルなのかしら?」
「見りゃ分かるだろ。何だ? またカツ丼を食べたいのか? 在庫沢山有るぞ」
「結構よっ!」
「お代わりを要求しますっ」
本当に、ミルンの胃袋はどうなっているのか、心配になる程食べるよなぁ。
「ほい、追加のカツ丼」
「頂きますっ! ムゴムゴっ、魚醤の風味とオークの脂が合わさって、濃い味かと思いきや、卵がそれを優しく包んで、まろやかな味わいに変えてるのっ。旨しっ!」
「そのワンブルの子……大丈夫なの?」
「んっ? 何か文句でもあるのか? ミルンを貶したら、容赦無く潰すぞ?」
「っ、失言だったわね、御免なさい」
直ぐに謝ったから、今回は許そう。次変な事言ったら、マジで許さんけど。
次は円堂から、話を聞かないとな。




