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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
六章 異世界とは古き民が居る世界

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11話 毎食カツ丼尋問タイム.3



 カツ丼を前に、自白を促します。

 非人道的だって? 

 米に飢えてる相手には、有効的な手段だろう。

 

「ほれほれ、良い匂いだぞぉ」


「何を……」


「あんっ? 何か言ったか?」


「何を知りたいのよっ! 米が食べられるならっ、何でも答えるわよっ!」


 米の力は、偉大だなぁ。これが欧米系の異世界人だったら、通じなかっただろう。

 

「お前の所属する、国の名前は? ノブストンって言う、大国なのか?」


「ぺぺはそうだけど、私は違うわ」


「お前は違う? ならディヒケンなのか?」


「傭兵な訳無いでしょっ! 私が籍を置いてるのは……っ、レッツァマーダー魔導国よっ!」


 知らん国名が出て来たな。何で違う国の奴が、ノブストンに手を貸してるんだ?


「もしかして、スパイの下請け?」


「言い方っ!?」


「その反応……正解なのにビックリだわ」


 レッツァマーダ魔導国。ノブストンの北、他の国々に挟まれた、ヴォイド大陸の中心に位置する国。エイドノア大陸における、ジアストールと、似た様な感じだろうか。


「同盟と言う名の鞭で、大国から無理難題を押し付けられ、貧乏籤を引かされたと」


「同盟は結んで無いけど、概ね間違っていないわ。私が任されたのは、コレの実験よ」


「やっぱ、それしか無いよなぁ」


 円堂が耳から外した、とある物。

 ただのイヤホンにしか、見えないんだけど、音楽用な訳が無いだろう。ならば、考えられるのは、一つしか無い。


「ドールを作れる様な奴らが、"通信機"を作れないなんて訳が、無いだろうからな」


 古代の遺物であろう、近代戦必須アイテム。


「そんなの、俺にバラして良いのか?」


「バラすも何も、薄々勘付いてたでしょ」


「そりゃあ、似た様な事が、前にもあったし」


 ドゥシャさんと旅行した時に、南の国境で捕まって直ぐ、何故か釈放されたからな。恐らく連邦国も、通信機器を持っているのだろう。


「それ一つで、戦況を覆せる物……正に、チートアイテムってやつか。おっと、カツ丼が冷めちゃうから、先に食べてくれ」


「っ……コレ食べたら、もう話さないかも知れないわよ。それでも良いの?」


「命が惜しくて、米が食いたいなら、話すしか無いだろう? 一時間後にまた来るから、その時迄には、食べておけよ」


 そう言って部屋を出た。

 あの感じだと、毎食米を確約すれば、何がしら話してはくれるだろう。そう思いたい。


「ドール。俺は手前の部屋にいるから、何かあれば呼んでくれ」


「了。サボリですか?」


「考え事だよっ!」


 ポチポチ番号を入力して、部屋へと入り、空間収納から椅子を出して、「どっこいせっ」と座り、息を吐く。


「レッツァマーダ魔導国ねぇ……魔導って事は、魔法使い達の国か?」


 魔法使い一人居れば、相当な戦力になる。それが国を成してるなら、なぜノブストンに従っているのか……分からんわぁ。


「円堂が嘘をついてんのかも知らんし、こればっかりは、見てみない事にはなぁ」


 ノブストンに関しては、何と無くだけど、碌な国じゃない様な、気がして来た。

 

「相手の反応待ちだけど……どうするかね」


 エイドノア大陸の東もそうだけど、この異世界って、争ってる所多くね?

 

「このままだと、ここで足留めか」


 このアッジスノード首都の防衛には、ドールの力は必須。だけど、移動の足である迅号も、ドールが居ないと動かんのよ。


「色々と、情報が足りんわ。ペペルーノからも、ノブストンの事を、聞き出さないとだ」


 ペペルーノには、朝と晩にご飯を出すと言ったけど、少しだけ、やり方を変えようか。


「この役目は、ミルンが適任だな」


 どこかに遊びに行ってるのか、姿が見えないから、夜にでもお願いしよう。それまでは、頑張って聞き出すとしますか。




「……二人共、埃っぽいな」


「遊んでたからっ」


「ミルンに付いていたからなのぢゃ」


 夜八時になったので、ビルの一室へと戻って来たら、ミルンと黒姫がゴロゴロしていた。それは良いんだけど、埃が沢山付いてんのよ。


「後で、首都の外に簡易小屋出すから、ちゃんと風呂に入るんだぞ」


「かしこまっ」


「ミルンの頭を、洗うてやらねばのぅ」


「頭? なーんか、白い跡があるな……」


 ミルンの可愛い頭のてっぺんに、何かが付いていたであろう、跡が見える。


「あの魔物のうんちっ……洗い流すのっ!」


「何のこっちゃ?」


「流や、聞いてやるで無いのぢゃ。ミルンには、良い薬になったのでのぅ」


 ミルンの良い薬になったとは、なんぞ?


「っとそうだ、なあミルン。明日から、手伝って欲しい事があるんだ」


「なあに?」


「あの捕まえた二人居るだろ? ご飯をちゃんと食べるよう、指導してやってくれ」


「あの二人、ご飯お残ししてるの?」


「いんや、今日はモリモリ食べてた。けど、明日から、食事の時間を変えるんだ」


 正確には、食事の時間を、六時、九時、十二時、十五時、十八時、二十一時の六回にして、毎食カツ丼を提供します。

 十二時と十八時には、オカズを一品追加して、カツ丼と豚カツを、セットで提供。


「てな感じで、沢山食べて貰うから、お残しさせないように、指導を頼みたい」


「ミルンの分は?」


「ちゃんと有るぞ。なんなら、あの二人の前で、同じ量を食べても良い」


「じゅるっ……かしこまっ!」


 さてさて、あの二人は、耐えれるだろうか。

 もしもミルンの前で、ご飯をお残ししようモノなら、鬼のミルンの降臨だぞ。


「黒姫も手伝うか?」


「我はやらぬっ! 巻き込むで無いっ!」


 黒姫は口を押さえて、ぷるぷる震えている。

 

「黒姫お前……トラウマ?」


「当たり前ぢゃっ!」


 以前は良く、ミルンに無理矢理食わされて、下呂下呂してたからなぁ。


「それなら、明日から黒姫は、周囲の警戒を頼むわ。敵さん来たら、ドールと防衛よろっ」


「承ったのぢゃっ。飯地獄より、遥かに楽なのぢゃぁ」


 そんなに喜ぶなんて……黒姫さんや、ミルンがジッと、狙っているぞい。


「そんじゃあ、風呂の用意するから、二人共ゴロゴロしてないで、行くぞーい」


「お風呂っ!」


「行くのぢゃぁ」



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