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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
六章 異世界とは古き民が居る世界

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間話 アッジスノードの迷宮.1



 あの間諜を達を捕まえてから、お父さんは忙しそうなので、今日は一人で冒険するの。そう意気込んで、色々見て回っているけど、面白味に欠けます。


「……首都なのに、露店も無いっ」


 しかもこの場所、獣族が少ないの。

 子供達も、皆んな引き籠もってばっかりで、誰もお外で遊ば無い。


「何でだろ?」


 お父さん曰く、机に向かってのお勉強も、大事だけど、体を動かして、自分の目で見て触って、色んな体験をする事も大事って、言ってたから、この国は不思議です。


「どこかでうんと、体を動かしたいなぁ」


 そんな時は、地元の人に聞いてみます。

 デンバーなら、お部屋にいるかな。そう思って、お部屋の前まで来ました。


「失礼しまーすっ!」


 ドバンッと扉をこじ開けて、パキィッて鍵が壊れたけど、脆い物を使ってるのね。

 

「ワンブルの子よ……先ずはノックをして、誰か居るかを、確認するのだっ」


「確認したら、蹴破って良い?」


「蹴破らずともっ、待てば鍵を開けるであろうっ……あの者と言い、君と言いっ……」


「居留守をされてたら、分から無いよ? お父さんなら、絶対居留守するもん」


「常識を覚えるのだっ!?」


 お父さんを基準に行動したら、怒られたの。

 次からはノックして、鍵に手をかけた瞬間を狙って、扉を開けてみよう。


「その尻尾……何か良からぬ事を、考えておるであろう。君は礼儀を、学ばなかったのか?」


「学んだよ?」


「学んでその行動なのかねっ!?」


「ちょっとしたお茶目です。言い方を変えると、暇だから遊んでるだけっ」


「余計にタチが悪いぞっ!?」


 このデンバーって言う人、どことなくリティナに似てるの。顔とかじゃ無くて、残念な雰囲気が、そっくりなの。


「今お仕事中?」


「ふぅふぅっ、そうだ。捕縛中の、二人から得た情報を、まとめておる」


「ミルンはお邪魔?」


「ぐっ、そこまでは言ってないだろうっ」


「なら、お邪魔して良い?」


「邪魔をするならば、出て行ってくれっ!」


 やっぱり、残念な雰囲気がします。お父さんがコレを知ったら、デンバーは過労死するの。

 

「聞く事聞いたら、出て行くの」


「……何が聞きたいのだ」


「どこか、暴れても問題無い場所って、なあい? あったら教えて下さいな」


「物騒過ぎるっ」


「無かったら、このお部屋で暴れるっ」


「今度は脅迫かっ!?」


 準備運動からの、お部屋の壁を使った、オリジナル体操を始めます。

 この建物の壁は、中々堅いから、ミルンの本気を出したとしても、問題無いの。


「しゅっ、しゅっ。頑張ってこの壁を、叩き壊せる様になるのっ!」


「壊すで無いわっ!?」


「なら、暴れる場所を、下さいなっ」


 デンバーが、頭を抱えたの……。

 そう言えば村長も良く、お父さんの尻拭いで、頭を抱えて居たの。


「お薬あるよ?」


「頭が痛い訳では無いっ」


「仮病?」


「そう言う事ではなああああああいっ!?」


 今度は大声? 疲れてるのかな。仕方無い。あのお薬を、飲ませてあげよう。


「疲れたら、元気の源これ一本っ」


 デンバーの前に、コトっと小瓶を置く。


「何だねコレは……」


「飲んだら、三日は寝れなくなる程元気になる、ただの栄養剤。飲んでみてっ」


「薄緑なのだが、飲んでも平気なモノなのかね。毒では無いだろうな……」


「毒じゃないの」


 嘘は言って無い。正確に言うと、世界樹の葉を煮詰めた後に出る、残りカスと、オークの心臓、ミノタウロスの角の粉、各種薬草を混ぜ込んだ、リティナ印の栄養剤。

 オークの睾丸を使った精力剤より、効果はイマイチだけど、それでも目がバキバキになる、美味しく無い栄養剤なの。


「心労、肩こり、頭痛になったら、これ一本っ」


「先程は元気の源と、言っておっただろ。まあ良い。毒で無いなら、頂こう……(ゴクっ)」


「どう? 疲れ取れた?」


 ジッと見詰めて、効果を確認。そう思っていたら、『ゲフッ……』デンバーはそのまま、机に顔面を打ち付けて、寝てしまった。


「……効き過ぎたの」


 折角、動き回れる場所を、聞こうとしたのに、これじゃあ意味が無い。仕方無いので、お部屋を物色します。


「んー、ここの地図は無いかなぁ」


 棚や机の引き出しを、ゴソゴソ漁っていたら、一枚の地図らしき物を発見。


「地図? えっと、"攻略済みの迷宮目録"……迷宮っ!? 遊んでも問題無い場所っ!」


 一番近い迷宮だと、ここから東に徒歩五分の場所に、迷宮が存在するのっ。


「これは……行くしか無いっ!」


 目録を懐に仕舞って、デンバーを放置したまま、部屋から飛び出す。

 一人で勝手に行くと、お父さんに知られたら、毎日お野菜の刑にされるから、ついでに黒姫も、連れて行こう。

 

「何か起きても、黒姫の所為に出来るっ。何処にいるのかな……すんすんっ、あっちっ!」




 次回は3月21日0時30分頃更新!

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