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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
六章 異世界とは古き民が居る世界

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10話 年齢不詳の古代人.8



 問題です。大手を振って、他国に力を貸す為に必要な事は、何でしょーうかっ。

 答えは、コレだっ!!


「起きてるかゴラァっ!!」


 扉をドバンっと蹴り破り、国王様の寝室に殴り込み。では無く、セーフアースとの国交を結ぶ為の書面に、国王自らのサインと捺印をして、互いに交換をする事。

 俺個人との、同盟を結ぶ。


「なっ、どうしたのかねお客人っ!?」


「あらぁ、見ないで下さいまし」


「デンバー副団長っ!? お前国王様に伝えたんだよなあっ! 俺が行くってよおっ!」


「へっ、陛下っ、お召し物をっ」


 ミルンが居なくて良かったわぁ……デンバー副団長を、呼んで来て貰った後に、ドールに同行させて、正解だったな。

 只今の時刻、夜の十一時。夫婦の邪魔をしたのは悪かったが、思い立ったら直ぐ行動が、俺の理念なんだ。


「一分で準備しろっ! じゃ無いとそのまま引き摺って行くからなあっ!」


「きっ、貴様は礼儀を知らんのかっ!?」


「知らんわっ! ほらあと五十秒っ!」


 パンイチにガウンを羽織らせ、顎をたぷたぷさせながら、テーブルに座らせる。

 ギリギリ一分前だな。


「ほぅ……この書面の内容で、本当に良いのかな? 僕の国に、メリットしか無いんだけど」


「チャッフ・デフレイヤ・ルボワ・ノル・ポメラリオン国王。ミルンに感謝しろよ」


「娘と遊んでいた、ワンブルの子だね」


「ああ、俺の娘のミルンだ」


「勿論感謝するよ。占い師様にも、君達にもね」


 アッジスノード王国と、"魔神流"との同盟。その同盟の内容は、以下の通りとする。

 アッジスノード王国を、魔神流の拠点とし、その行動に制限を設けない。

 アッジスノード王国が、他国から攻め入られた際、同盟者として、防衛に参加する。

 魔神流が可能な限り、食料支援及び、土壌の改善、作物の栽培を指導する。

 アッジスノード王国が、他国に攻め入った際は、同盟を破棄、一切の縁を切るモノとする。

 

「ほれっ、サインしたら寄越せ。内容が同じ事を確認したら、互いに交換だ」


「ほっほっほっ。まさかこんな姿で、こんな書面を交わすなんてね。癖になりそうだよ」


「癖になるなよ。ほい書いたぞ? 書いたか国王? ほれっ、これと交換だ」


 書面を交換して、はい同盟締結っ!!


「ふむ……今気付いたんだけど、魔神とはなんだい? 魔王では無いのかな?」

 

「さてね、俺にも良く分からん。まぁ、明日にでも、面白い物が見れるかもな」


「それは少し、楽しみだね」


「夜遅くにすまんかったな。それじゃっ、また明日だ。おやすみっ!」


「ああ、おやすみ」


 交わした書面を、空間収納に入れて、そのまま、次の行動を開始する。

 何をするのかって? 

 そんなの、緑地開発に決まってるじゃん。


「土が死んでるなら、緑化魔法の出番だろ」


 ビルの外にでると、夜にも関わらず、ゴゴゴゴゴゴと、壁が音を発しており、ドールが掌握したであろう、この遺跡の防衛施設が、息を吹き返したのだろう。


「ほっと。流や、待たせたのぢゃ」


「待ってないぞ? んで、他国の兵は近くに居るのか? 居たら対応を、考えないとだけど」


「魔王の力場が邪魔しとるが、百キロ圏内には居ないのぅ。その先は分からぬのじゃ」


「俺の十倍の範囲じゃん。凄いな……」


「ふふんっ。エイドノア大陸ならば、全土を知覚可能なのじゃ。もっと褒めるのじゃっ」


 調子に乗られると、やらかしそうだから、さっさとやる事済ませて、寝るとするか。


「んじゃ黒姫は、ミルンを捕まえて、そのまま寝といてくれ。俺も緑化魔法使ったら、そのまま寝るからさ」


「分かったのじゃ。ミルンはあの壁の上かのぅ」


「ああ。頼んだぞ」


 そして来ました、迅号の開けた穴。

 緑化魔法で、半径十キロを緑豊かな草原へと変える為、五キロ程進んで、魔法を行使する。

 

「一日一回の緑化だからな。無駄打ちは勿体無い。ほい"緑化魔法"っ!」


 徐々にこれを、海側まで進めて行けば、ミユンが来た時に、上手い感じで畑を作れる。


「魔物用の壁は、アッジスノードに任せるか」


 明日からの予定を、考えないとだ。

 一日一回緑化魔法で、荒地を生き返らせる。

 防衛施設の確認及び、修復作業。

 他国の情報収集。

 古代人の事を、あの女から更に聞き出す。


「大まかには、こんなところか。重要度で言うと、他国の情報収集かね。ふあああふっ……寝るか」


 ふらふらとビルへと戻り、軟禁部屋へと入ると、ミルンがすやすや寝ていた。

 

「毛布もかけずに、風邪引くだろ」


 空間収納から、ハーピィの抜け毛百パーセントの、羽毛布団を取り出し、ミルンへと掛け、俺もゴロンと、天井を眺める。


「そう言えば、何で古代人は、この世界に転移させられたのかねぇ……」


 ちょっとした疑問だ。

 俺と、俺の家族は、あの糞リシュエルが、何かしたのだろうと予想は付くが、そもそも、遥か昔に、古代人がこの世界へ来た理由って、何だろうな。


「大体の転移モノって、魔王を倒す為だとかだけど……この世界、魔王蔓延ってるしなぁ」


 明日にでも、あの女に聞いてみるか。

 そう思い、目を閉じた。

 ゆっくり眠って、気分爽快。の、筈だった。

 この国が、他国から攻めれる頻度を、先に聞いておけば良かったんだ。


 ゴゴオオオン──ッ!! と、ビルを揺らす程の爆音が響き渡り、飛び跳ね起床で、最悪の目覚めを味わった。


「っ、何の音だっ!?」


「すぅ…すぅ…むにゃ、煩いのぉぉぉっ」


「起きろミルンっ!」


「なあに……あさごはん?」


 そんな状況じゃあ、無さそうだぞ。

 時計を確認すると、四月六日の朝六時。

 早朝ですね。


『緊急警報、緊急警報。北方、五十キロメートルより、武装集団接近。威嚇射撃……着弾。流は至急、北側壁上部まで、来られたし』


「早速ドールの奴、仕事してんじゃん。てか、黒姫の知覚範囲外……そりゃそうかっ」


 マッスルホースのゴーレムなら、休まず行軍なんて簡単だろうし、考えが甘かったか。


「むわっ!? 敵っ!」


「目が覚めたか? ミルンは、そこの黒姫を起こしてから、集合してくれっ!」


「かしこまっ」


「噂をすれば、敵さんですよってか?」


 部屋を飛び出し全速力で走り、北側の壁の下に、穴が開いていたので、そのまま入って、階段を駆け上がる。


「ととっ、危ねぇ……」


 壁の最上部には、柵が無いから、そのまま空中へと、駆けて行くところだったわ。


「流。敵です」


「ああ……チッ、同盟結んで次の日とか、タイミング良過ぎだろ。"知覚"っ!」


 頭の中に見える、敵さんの赤色マーカーが、北の先の大地を、埋め尽くしている。


「いやいやっ、万単位の軍じゃんっ!?」


「了。威嚇射撃では、効果無し。防衛施設の主砲を使い、殲滅すべきかと」


「その被害の規模は?」


「ここから見える範囲全てが、焦土と化します」


「それ……絶対に撃つなよ」


「フリですか?」


「命令だっ! 絶対に撃つなっ!」


 流石古代の防衛施設。主砲で大地が焦土と化すとか、マジでヤバい兵器だろ。古代の奴等が、神とドンぱちやったのって、その兵器が原因じゃ無いだろうな。


「敵、一体接近中。騎馬を確認」


「一人で……何しに来たんだ?」



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