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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
六章 異世界とは古き民が居る世界

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10話 年齢不詳の古代人.7



 夜も遅くに、牢屋からの釈放。

 寝る場所? 勿論軟禁部屋です。その部屋で、俺、ミルン、黒姫、ドールが集まり、さっきまで話をしていた内容を、共有です。


「と言うとで、ドール。万丈(ばんじょう)(まこと)徒然(つれづれ)敦史(あつし)って名前に、心当たりは有るよな?」


「了。副管理者から、管理者の名前を確認。流の言う通り、その二名は管理者です」


「素直に答えたか……この二人のどちらかが、転移魔法研究者なのか?」


「否。これ以上は、副管理者の権限外です」


 違うと言う事は、教えてくれるのね。


「黒姫は、あの円堂(えんどう)兎留美(うるみ)って奴の事、知ってるか?」


「知らぬの。哲也のパーティーにも、大魔法使いのエルフはおったが、彼奴は男なのぢゃ」


「エルフ……男のエルフに、会った事無いな」


「緑人族や、緑隠族と言ったエルフは、本来根暗な引き籠りぢゃからのぅ。影の中にも数名おるが、彼奴らは珍しいのぢゃ」


「へぇーっ。まあ確かに、院長影さんは、明るいと言うよりも、暗い方だわな」


 良い言い方だと、静かな大人の女性。

 超美人だし、孤児の子供達の面倒見も良い、素晴らしい女性だ。


「んでさ、十八日までには、セーフアースに帰らなきゃ、ミルンがミユンと交代出来ないし、これからどうする?」


「ミユンと交代しないと、怒られるっ」


「だよなぁ。明日は四月六日。残り十二日で、移動を考えたら、十日、十一日の猶予はあるけどもだ……」


 この国の現状を見るに、結構不味い。

 アッジスノード以外にも、人が居る事は確実だろうから、そこに向かうべきか。


「ここにこのまま居たら、確実に戦に巻き込まれるだろ? なあ黒姫?」


「であろうのぅ。食料を見る限り、他国との交流も絶ってそうぢゃし、畑も見当たらぬ。他国がこれを、逃すまいて」


「ドール。姉妹機の反応はどうだ?」


「否。この大陸の何処かには居ますが、魔王の力が邪魔をして、正確な位置までは不明」


「魔王ねぇ……」


 この国が警戒してんのは、隣国だっけ? 巻き込まれる前に、トンズラしないとだな。


「うしっ。そんじゃあこっそりと、お暇しますかね。皆んなも、それで良いよな?」


「我は構わぬのぢゃ」


「了。流に従います」


「ぬぅ……」


 ミルンが珍しく、浮かない顔をしている。


「どうしたミルン?」


「お父さん。戦になったら、ここはどうなるの」


「そりゃぁ……対抗出来なかったら、詰むだろ。若しくは、食料難で自滅か?」


「ノルパノちゃんや、タダイル君は?」


「誰?」


「ミルンが遊んでた、赤ちゃん」


 国王夫妻の、娘と息子か。

 あの時、結構仲良く遊んでたからな。情が移った……違うな。ミユンと出逢った時もそうだけど、ミルンは小さい子に、結構甘いんだ。


「国王夫妻の子供となれば……っ」


 万が一国が滅べば、運が良くても飼い殺し。悪けりゃそのままあの世行き。余程栄えた、懐の深い国で無いと、助かる道は、ほぼ無いと言えるだろう。


「でもさ、ミルン。この国はこうして、残ってるんだから、今直ぐ滅ぶ訳じゃ無いだろ?」


「そうなの?」


「ここには、あの大砲も有るし、大丈夫だって」


「ぬぅ……」


 この顔は、納得してないな。

 耳がピコピコ、尻尾がブンブンと揺れて、眉間に皺まで寄せて……可愛いっ。


「自称大魔法使い様も居るんだし、大砲と合わせたら、早々滅ぼされないと思うぞ?」


 俺の魔神化した鎧に、穴開けたんだからな。


「流や」


「んだよ黒姫……」


「彼奴は確かに、突出しておるが、所詮は人なのぢゃ。城の防護が無ければ、流の最初の一撃で、死ぬ程度ぢゃぞ」


「チッ、何を言ってんだよ」


「哲也の友であった、大魔法使いならいざ知らず、彼奴では、戦力にならぬのぢゃ」


 この黒姫っ、さっきは出て行くのに了承した癖にっ、意見を変えやがった。


「ヴォイド大陸を、調査するにしても、拠点を構えるのは、悪く無いと思うのぢゃが?」


「っ!? 黒姫の言う通りなのっ!」


「おまっ、それは……っ」


「他の国に行ったとして、この国の様に、素直に話が出来るかのぅ。戦云々も、あくまで"仮定の話"ぢゃろうて」


 一理ある。一理有るんだ。が、万が一戦になろうモノなら、またアレを見るんだぞ。

 帝国で見た、あの惨状。

 思い出すだけでも、苛々すんのよ。


「お父さんなら、どうにか出来ない?」


「ミルン……」


 信頼の眼差しが、凄いのよ。

 他国に攻められない為の方法は、有ると言えば有る。ヴォイド大陸ならではの、方法だ。

 いや、エイドノア大陸でも、やってるか。

 伸びっぱなしの髪を掻き、天井を見つめて、再度ミルンの可愛い目を見る。


「はぁ……ドールっ! この遺跡の全機能を掌握っ! 動かせる兵器が有れば動かせっ!」


「了。防衛施設内の稼働率、四十パーセントまで、使用可能。他は破損しております」


「ミルンっ! デンバー副団長を探してっ、寝ている国王を起こさせろっ!」


「お父さん……っ、かしこまっ!」


「黒姫っ! 大人モードで、知覚出来る所まで調べろっ! 武装してる奴が居たら報告っ!」


「ふふっ、任されたのじゃっ!」


 俺のモットーは、ヤルと決めたらヤル。

 この国が、滅びかけてるならば、持てるモノ全てを使って、復興させてやるっ。


「先ずはっ、大義名分作りからだっ!」



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