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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
六章 異世界とは古き民が居る世界

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10話 年齢不詳の古代人.3



 自称、大魔法使い、円堂(えんどう)兎留美(うるみ)

 若干タレ目で、全体的におっとりとした、あの糞リシュエルに似た顔を持つ、見ていると、再度グーパンしたくなる、見た目の奴。


「……古代人ねぇ」


 自称、占い師。

 自称、大魔法使い。

 自称、古代人。

 全てに自称が付くとか、ヤバ過ぎるわぁ。


「何か失礼な事を、考えてるでしょ」


「考えてない。んで、確認なんだけど。本当にリシュエルを、知らないんだな?」


「だから知らないわよっ! 誰よそれっ!」


「いちいち煩いっての」


 こいつ、見た目はおっとり系なのに、喋るとギャンギャン煩い、迷惑系ですわ。


「リシュエルとは、関係無しか……」


「先走りおって。我が止めねば、その娘……間違い無く、消し飛んでおったのじゃ」


「そうよっ、何で攻撃して来たのっ! 私何もしてないのにっ! 貴方悪い子ねっ!!」


「悪い子って、マジで何歳だよお前」


「言わないって言ったでしょっ!」


 黒姫の言う通り、止めて貰って無かったら、殴った後のトドメのミルン砲で、消し飛ばすつもりだった。

 

「危うく人殺しとか……黒姫、済まん。止めてくれて、有難う御座います」


「ふふんっ、礼は酒で良いのじゃ」


「分かった」


 となるとだ、これは非常に不味いぞ。

 国付きの占い師に、初対面で魔法を撃って、謁見のお部屋に、穴を開けた訳だ。

 しかもこの惨状よ。

 地面が砕けて、瓦礫が散乱しております。


「さてぇっ……どうしようか」


「先ずは私に謝りなさいよっ!? 貴方悪い子に加えてっ、失礼な子になりたいのっ!」


「あ──うん、めんごめんご」


「失礼な子っ!?」

 

 あまりにもリシュエルに似てて、忌避感と言うか、嫌悪感しか湧かないの。


「失礼で悪かったな。そんじゃっ、ミルンと合流して、とんずらしますかっ」


「逃げるのかや? そこの娘が、御主に用があるから、謁見出来たのじゃろ?」


「そうよっ! 逃す訳無いでしょっ!」


 そう言えば、そんな話してたな。でもなぁ、人が居る事を確認出来たし、謁見もしたし、逃げたい気分真っ盛り。


「黒姫さんや……走るぞっ!」


「ふむ、仕方無いのぅ」


「はっ? 待ちなさ────」


 残念だが、ただ走るだけなら、俺はエンペラーマッスルホースより速い。これだけなら、ドゥシャさんにも勝てるぞ。


「ミルンと合流したら、再度穴からジャンプして、そのままこの国を出るぞ」


「更に先の調査じゃな」


「そうそう。逃げるついでに、調査再開だ」


 ビルに突入して、階段を駆け上がり、騎士達がわらわら居たので、『流ダンプカーっ』で吹き飛ばしながら、十五階へと到着。したんだけど、ミルンとドールは何やってんの?


「ぬーんっ、こぇっ!」


「ぬふふ、甘いの。ここっ!」


「まけちゃ……もういっかいやゆっ!」


「かかって来るのっ」

 

 ミルンは何故か、知らない幼児と、ボードゲームで遊んでいるんです。


「ドール様。ここの問題が、分からないのですが、どうすれば解けますか?」


「否。それを考える事こそ、勉強に御座います」


「ドール様。お兄様ばかりお相手をして、狡いですわ。(わたくし)のお勉強も、見てくださいまし」


 ドールは何で、子供達に勉強を教えてんの? と言うか、子供多くね?

 

「何この和やかムードっ!?」


「気付いておらなんだか。彼奴らは、あの壁の奥で、隠れておった者達じゃのぅ」


「気付いてたんなら、言えよ……」


 男女三人ずつの、子供達。服装から見て、国王夫妻の、子供っぽいな。


「じゃ無いっ! ミルンっ! ドールっ! 撤収準備だっ! ささっと逃げるぞっ!」


 その俺の声を聞いた、"子供達全員"が、一斉にこっちを向いて、俺をロックオン。


「ちょっ……」


「ふむ、ミルンが笑うとるのぅ」


「っ、あの国王っ……子供を使って、ミルンを丸め込みやがったなっ」


 この廊下からでも見える、国王の穏やかな顔からは、悪意のカケラも感じない。

 だからこそ、ミルンは敵対しないんだ。


「ミルンっ! 帰るぞーっ!」


 何やらミルンの周りに、子供達が集まって、ヒソヒソ話をし始めた。


「っ、嫌な予感しかしないぞ……」


「そうぢゃのぅ」


「えっ!? 何でお前っ、ぷにっとモードになってんの!? 逃げ辛いだろそれっ!」


「直感なのぢゃ」


 その直感は、良い方なのか、悪い方なのか。何て考える必要は無いよね。


「部屋の中に居る、ミルンの目が、遊ぶ気満々に、輝いているんだもん……」



「お父さんを捕まえるのおおおおおおっ!!」



「つかまえゆっ!」


「逃しませんわっ!」


「えっと、ここの問題は……」


 ほらね? 子供達を指揮して、襲いかかって来るとか、良く考えているわぁ。

 六人中三人が、迫ってくんのよ。

 その内の一人は……何で勉強したまま?


「逃げるしか無いかっ……黒姫?」


「なんぢゃ?」


「何で俺の足を、掴んでんの?」


「それは……ミルンが怖いからぢゃっ」


 あぁ、ですよね──っ。

 そうして俺は、子供達に揉みくちゃにされ、デンバー副団長に捕まり、目隠しのまま、牢屋にぶち込まれたんだ。


 回想終了っ! 四月五日、夕方五時になったので、小腹が空いて目が覚めたわ。


「ふわぁぁぁふ、夕飯何にしようか」


 ミルン達は、不自由な扱いをされていない様だし、それだけは、国王に感謝だな。


「牢屋……いつ出れるんだろ」


 空間収納から、鉄板とコンロを取り出して、ミノ肉のバラで、一人焼肉パーティーです。

 秘伝のタレが、合うのよマジで。


「ミルンの好物なのに、一人占めだな」


 

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