表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
六章 異世界とは古き民が居る世界

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

553/565

10話 年齢不詳の古代人.1



 今日は俺の一日の過ごし方を、簡単に紹介しよう。開口一番に、何言ってんだコイツ? とかは、思わない様に。

 先ず、目を覚ますと、腕時計で時刻の確認。

 今は、四月五日の、朝十一時だ。

 昼だろうって? 起きた時間が朝だろう。

 空間収納から、コンロと鍋、コップと茶葉、水樽を取り出して、茶を沸かしての、優雅な朝のティータイム。

 これが無いと、延々眠気に襲われて、二十時間睡眠になるから、マジで体に悪いのよ。

 次に、軽く屈伸運動と、腕立て伏せ、腹筋をした後に、ベッドに座って、ボーッとする。

 以上っ! 終了っ!


「怠惰なニート生活ってなぁ……スマホも無いのに、どう過ごせと?」


 この言葉も、毎朝のルーティンだよね。

 さて問題です。俺は今、何処に居るでしょうか。十秒以内に、お答え下さい。


「ちゃらちゃっちゃっちゃーっ、ちゃらっちゃっちゃっ、らららはいっ! 正解は、アッジスノード王国の、ガチ牢屋でーす。はははっ」


 訳が分からんわな。

 古代遺跡を利用した、今までで一番頑丈そうな牢屋なんだけど、これがマジでヤバいの。

 先ず、出入口が分からない。

 四方を、コンクリートの様な壁で囲まれており、窓も無い完璧仕様となっております。

 空間収納で穴を開ければ、簡単に逃げられると、普通なら思うだろう? ところがどっこい、四方の壁の向こうには、兵が常駐しているという、俺対策完璧なのよ。

 んで次に、四方の壁の内、三ヶ所の壁の向こうには、それぞれミルン、黒姫、ドールが待機しており、俺が逃げ出そうとすると、有無を言わさず襲って来るのよ。

 特に、ミルンと黒姫は、ガチだった。


『お父さんっ! 反省するのっ!』


 口からお肉の切れ端が見えている、ミルンの下からの攻撃。勿論脛ダイレクト。


『少し頭を冷やさぬかっ!』


 酒瓶片手にふらふらと、大人バージョン黒姫の、手加減ボディブロー。


「壊した壁も、あっと言う間に自己修復。何で壁が勝ってに直るんだよ……」


 ドールに至っては、『解析…脅威度Cと確定。兵の物量で押せば、逃す事は無いでしょう』って、何で兵士に指示出してんの?


「牢屋に籠って、明日で十日目とか、一体いつになったら、出れるのか」


 俺も多少は、悪いと思ってる。

 だって、あの顔見たら、仕方無いじゃん。殴りたくなるじゃん。我慢出来ないっての。

 牢屋に入ってる理由?

 暴行未遂、器物破損、猥褻物陳列罪、国王への不敬罪、王妃への不敬罪ってところか。

 極刑に処そうとしても、無駄だと言うことは、デンバー副団長が知っていたから、こうして餓死させる為に、閉じ込められました。


「空間収納内に、数年分の食料や水も有るから、餓死しないんだけどね」


 灯りも有るし、暇を除けば、俺が夢にまで見た生活に近いかも。いや、暇が問題よ。


「さーてとっ、もう一眠りしようかね」


 ベッドに横になり、目を瞑りながら、あの時の事を、思い返してみる。リシュエルを見付けて、喜びの余り、殴りかかった時の事を。




 三月二十七日、謁見の間。


「顔面凹めやごらああああああ────っ!!」


 ムカつく御尊顔に、魔神化プラス威圧全開プラス御使特攻プラス、魔法を放つ前提の、ぶん殴りを、お見舞いしてやった。

 いかにあのリシュエルと言えども、今の俺の拳を受けて、無傷な訳が無いだろう。

 そう、思っていた。

 ゴガンッと鈍い音を立てて、俺の振るった拳が、見えない何かに阻まれた。


「へっ……」


 リシュエルは何故か呆けている。このチャンス、逃す訳にはいかない。薄皮一枚、突破すれば良いだけだ。


「この距離なら、逃げられないだろ……っ、死に晒せっ! "豪炎"っ!!」

 

 超至近距離からの、お手軽魔法発動。

 前方に撃ち込んだから、背後のミルン達に被害は出ないし、国王様と王妃様は……生きていたら治療してやろう。

 そう思っていたのに、豪炎も何かに阻まれ、その炎がくるっと波の様に、俺に降り注いだ。


「なっ、あ────」


 はいっ、おっさん焼き完成です。

 誰がおっさんだゴラァっ!?


「お父さんが、焼かれてるの」


「防衛機能の一つかと。あの魔法の威力では、破壊不可。当機と同期させれば、無効化は可能です」


「ドールや、やらんで良いのぢゃ。まったく、アレをリシュエルと勘違いするなぞ、馬鹿な流なのぢゃ」


「貴様等仲間であろう!? アレを止めよ!!」


 背後で何か言われているが、俺は絶賛焼かれ中で、息を止めるのに必死だからね。

 ようやく炎が収まり、シュウウウウウと身体から煙を放ちながら、一歩前に出る。

 流石魔神、火傷一つ無いわ。


「えっと、初めまし────」


「オラァっ!!」


 もう一度殴り付けるが、矢張り何か壁の様な物に阻まれ、ギリギリで届かない。


「チッ、何だこの壁っ!?」


 攻撃が駄目なのか……それとも、立ち位置が関係してるのか、分からん。

 それなら、モノは試しだ。


「えいっ」


「へっ?」


 立派な御山に、両手ワキワキ。

 見えない壁に阻まれる事無く、俺の手はそのまま、御山に吸い込まれて行きました。


「これはいけるのか……」


「ぃや……」


 それなら、このまま豪炎を撃ち込めば、阻まれる事無く、ダメージ通るんじゃね?


「ふぅ、豪────」


「嫌ああああああ──っ!! "ボムズ"っ!!」


「なっ!?」


 目の前が急に光ったと思ったら、爆音が耳を襲い、俺はそのまま通路へと、吹っ飛ばされた。


「痛くは無いが、何だ今の魔法。よいしょっと……リシュエルにしては、威力が弱いな」


 直ぐに起き上がって、謁見の間に佇む、リシュエルを睨み付ける。

 弱体化しているのか、手加減して遊んでいるのかは知らんが、本気でやるか。


「黒姫っ! ドールっ! ミルンを守れっ!」


「なっ、何をする気じゃ御主っ!?」


「了。マテリアルシールド展開。ミルン御嬢様の周囲にて、待機させます」


「お父さんが……キレてるの」


 アッジスノード王国には悪いが、このビルごと、あの糞リシュエルを吹き飛ばす。

 知覚の精神汚染も、効いて無い様だが、さっきのパイ揉みで、大体理解したわ。


「行くぞリシュエルっ……」


 流ダンプカーで、直線上に"移動"して、体当たりから近接ミルン砲で、ぶっ飛ばす。そう思い、全力で駆け出した。


 ピンポンパンポーン(上がり調)


 レベルががががが……(あ…れ…わる?)


 ピンポンパンポーン(下がり調)


「はぁっ? リシュエルのアナウンスっ!?」


 アナウンスに意識を取られ、勢いそのままにリシュエルの横を通り過ぎ、そのまま奥の壁を突き破って────どこまでも広がる、青い空に、飛び出してしまった。


「……えぇっと、どうしよう」


 某栄養ドリンクを飲めば、翼、生えますか? 売ってませんよねっ、異世界だもん。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ