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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
六章 異世界とは古き民が居る世界

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9話 朕を探してヴォイド大陸.4



 アッジスノード王国、騎士団長のワニロから聞いた内容を、整理しよう。

 ヴォイド大陸には、多くの国が存在しており、アッジスノードの東側に、傭兵国ディヒケン。北と西にを覆う様に、大国であるノブストンと言う国が、あるらしい。

 アッジスノード王国は、最南端の国。

 長きに渡って、ノブストンの脅威を退けて来たが、それも限界に近いと言う、崖っぷちの小国との事。


「そんな話を、しても良いのか?」


「構わんよ。お二方が首都に行けば、どうせ知られる情報だろうて」


「国が滅亡間際か……長きに渡って、敵を退けて居たのならば、そう易々と負けはしまい。それを何故、限界が来たなどと言う」


「儂が言ったのでは無い。占い師が、王にその事を伝え、王がそれを信じたのだ」


 何だそれは? 占いの結果、お前の国はもう保たないよと言われ、それを信じただと?


「この国の王は、馬鹿なのか?」


「馬鹿ではあったが、愚かでは無かったの。いや、先代は賢王であったから、今の王は、平凡な王と言うべきか……」


「成程。だからワニロ殿は、故郷であるこの村へ、帰って来た訳か」


「せめて、故郷だけは護りたくてね。それで死ねるのならば、本望だ」


 このワニロという者、本気だな。

 騎士団長の位で有るならば、護るべきは王であり、国である筈なのに、この国の王を、見限ったという事だな。


「そんな目を向けないでくれ。何か起きても、副団長の彼ならば、王だけは逃すだろうさ」


「私には、理解出来んな。愚かな王ならば、早々に首を落とし、別の者に王位を継がせるべきだ。国が滅べば、苦しむのは民だぞ」


「アレス殿の国では、そうして来たのかね?」


「そうだ。王はその国の象徴であり、民を導く者。愚王なぞ、存在する価値も無し」


 だからこそ、我らは"影"なのだ。

 ジアストール王国前王、王妃共々、愚かであった為に、王太子達に手を貸し、今の女王へと、王冠を移した。そうしなければ、内乱で国力が低下し、他国に攻められて、ジアストールは滅んでいただろう。


「王の子供は六人居るが、その全員が、頭の中は御花畑と言ったら、信じるかね?」


「……そうなのか?」


「残念だが、そうなのだ」


「詰んで無いか、この国」


「だから、限界が近いのだろうて」


 そうなると、占い師の言った事は、単なる事実であり、占いでも何でも無いのでは? 寧ろその事実を王に伝え、少しでも良くしようと、助言している風にも思える。


「アレス様。お話が続く様でしたら、少し漁を見学してきても、宜しいでしょうか」


「マロン……ワニロ村長、良いだろうか」


「幼い子には、退屈な話であったな。見学ならば、好きにすると良い」


「と言う事だ。村の外には行くな」


「はい。有難う御座います、ワニロ村長」


 余程退屈だったのだろう。マロンにしては珍しく、小走りで出て行った。


「済まんな、ワニロ村長」


「構いませんとも。この村には子供が居りませんで、見ていて心が癒されますわい」


「子供が居ない?」


「若い者は、皆村を出て、アッジスノードの首都に居ますからの。あそこなら、魔物にも襲われず、暮らし易いのですよ」


「城壁にでも、囲まれているのか……」


「城壁? 似た様なモノでしょう」


 何故城壁と言っただけで、首を傾げたのだ? 私は別に、可笑しな事を言ったつもりは、ないのだが……城壁では無い?


「似た様なモノとは、一体何なのだ?」


「これは、失言でしたな……現存する古代の遺跡を、我等の都市としているのです」


「っ、遺跡を都市にっ……他国から攻められる理由も、そこに有るのか」


「そうでしょうな。聖域の壊れぬ岩も含めて、他国からすれば、脅威なのでしょう。今の世では、解明出来ぬ物で、ありますからな」


 これは朗報だ。あのドールという者ならば、その古代の遺跡を調べさせれば、何かに使えるかも知れん。この事を魔神様に伝えに、私も首都へ行くべきか。


「ワニロ殿。済まんが、馬を借りる事は出来るか? 首都に向かいたいのだが」


「それは無理ですな。この村に馬は一体のみしか無く、今先程、王都に向かわせましたので」


「王都から返答があるまで、待てと言う事か?」


「はい。勿論、それまで村に滞在頂いても、徒歩で王都に向かわれても、どちらでも構いません」


 馬が居ないのであれば、徒歩で向かうしか無いが、時間を無駄にするのは勘弁だな。それに何故"一体"なのだ? 馬を数えるならば、"一頭"と言うのが普通だろう。


「馬で三月……徒歩なら半年以上か。娘のマロンと相談して、決めさせて貰おう」


「ご随意にどうぞ」


「チッ、余裕だな……」


「いえいえ。年老いた所為で、顔に出ないだけですとも。ごゆっくり滞在下され」


 今後の予定をどうするか決める為、ワニロ村長の家を出て、マロンが居るであろう、砂浜の方へと向かう。


「さて、どう動くべきか……悩むぞコレは」


 魔神様と合流するには、王都まで向かう必要が有る。ただそれだと、半年以上の期間、この村ないし、移動に時間を取られ、目的である朕野郎を、探す事が出来ない。


「サハロブ・アヒージャ・ノゾ・ルプマンティ。お前は一体、何処に居るんだ……」



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