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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
六章 異世界とは古き民が居る世界

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4話 会議は踊らずされど進む.5



 会議と言う名の何かが終わり、ミルンと遊ぶべく、館内を捜索中。

 

「はぁ……溜息が出るわ」


 ドゥシャさんとシャルネは、二人して再度、温泉に行っちゃいました。

 アレかな?

 レイズ国王を、男湯に沈めて、ザマァス王妃との密談でも、するのだろうか。


「ドールにでも、ミルンの居場所を聞いときゃ良かった。何処に居るのやら……」


 ルシィの叫び声が、煩いと言ってたから、館の何処かには居る筈だ。

 お部屋かな?

 そう思って、ミルンのお部屋の前まで来たんだけど、中で何かしてるっぽい。


『ミユンはここの守りだから、却下します』


『横暴なのっ! ミユンも行きたい!』


『今度はミルンの番っ! ミユンは村長の所で、いっぱい楽しんだでしょっ!』


『むぐっ、楽しんで無いの……』


 そっと扉を開けて、中を覗きます。

 ミルンとミユンが言い合いなんて、珍しいを通り越して、有り得ない事だぞ。


「ピュアは、お留守番で大丈夫?」


「私は良いわよ。ここの食べ物は美味しいし、わざわざあんな所に、行きたくないもの」


「良かったの。後はミユンだけっ」


「拒否しますっ! ミユンも行きたいっ!」


 何の言い合いを、しているのかは分からないが、幼女四人集まって、何とも可愛らしい光景が、そこにはあった。


 ミルン、ミユン、ピュア、黒姫の四人で、小さなちゃぶ台を囲んでの、円卓会議。


 黒姫だけ、ちゃぶ台に顔を乗せて、ミルンとミユンの言い合いを、のほほんと眺めている。

 お婆ちゃんの心境かな?

 見た目はどうあれ、最年長だろうし。


「ボソッ(ミルン以外、年齢不詳だけど……)」


 精霊二人に、魔龍が一匹。

 そこに犬耳美少女、ミルンが一人。


「ぬぅぅぅ、ミユンは我儘っ」


「ミルンお姉ちゃんこそ、横暴っ」


「「むぎぎぎぎぎっ」」


 何アレ、可愛いっ!

 ちゃぶ台を挟んでの、睨み合い。

 但しっ! 二人して、頬っぺたを膨らませてるから、癒される光景なんだっ!


「これこれ二人共、あまりちゃぶ台を、揺らすで無いのぢゃ。少しは冷静に話さぬか」


「「黒姫は黙っててっ!!」」


「うっ、うむ。黙るのぢゃ」


 黒姫は、ハブられてた、だけだった。

 またちゃぶ台に、顔を置いたな。

 哀れ黒姫。


「ねぇ、二人共。結局の所、連れて行ってくれるのか、分からないんでしょ?」


「……うん」


「ピュアの言う通りなの」


「それなら先ずは、その相談をしなさいよ」


 ピュアっ……ミルンとミユンの言い合いを、上手く止めやがった。

 流石水の精霊。

 頭から水をかけて、二人を冷静にさせたな。


「相談……お父さんに?」


「そうよ。精霊神様を宿した、あの意味不明な存在が許可しないと、駄目なんでしょ?」


「パパは、意味不な存在じゃないの」


「そこに食いつかないで。兎に角先ずは、そこで盗み見をしている人の、許可を貰うべきね」


 ピュアがそう言うと、皆んなのお顔がぐるんっと、一斉にこっちを向いた。

 ちょっと怖い……。

 何が怖いって、ミルンの首が、どう見ても左に百度以上、曲がってんのよ。


「えっと、ミルン。首……痛くないのか?」


「痛く無いよ?」


「あっ、そうですか」


 普通の人なら、首、ヤバいよね?


「んで、ミルンとミユンは、何の話をしてるんだ? 喧嘩じゃ無いよな?」


「ミユンと喧嘩? して無いよ?」


「パパの勘違いっ。これは会議なの!」


「うん、だろうと思った」


 ちゃぶ台囲んでるしね。

 お茶にお茶菓子まで完備して、女子会と言っても、良いと思う会議だ。


「そんで、さっきピュアが、俺の許可云々言ってたのが、この会議の議題か?」


「「そやねん」」


「二人して、リティナの真似なの?」


 異世界風に言うと、東方言。


「んで、議題は何だ?」


「お父さんに付いて行くのは、誰にするのかの会議っ。お祭り終わったら、行くんでしょ?」


「別大陸っ!」


 何この娘達……会議終わったの、今さっきなのに、何でその事知ってんの?


「流や。昨日パーティーで、あの女王が言っておったぢゃろ。それで、この会議なのぢゃ」


「ルシィの所為か……でもなぁ、ヴォイド大陸には、二人は連れて行かないぞ」


「「なんでっ!?」」


「その合わせて驚くの、どうやってんの?」


 理由は多々ある。

 ヴォイド大陸では、根っこ移動が使えないから、いざという時、緊急離脱が出来ない事。

 ミルンを連れて行くと、ドゥシャさんが寂しがり、帰って来た時に、少し怖い事。

 ミユンを連れて行くと、農作物に問題が発生した場合、直ぐの復旧が、出来無くなる事。


「まぁ、色々理由は有るけどもだ。一番の理由は、ヴォイド大陸が、ガチで危険な場所の可能性が、あると言う事だ」


「危険なんて無いのっ!」


「ミユンは大丈夫っ!」


 黒姫をチラッと見ると、首を左右に振っているので、間違い無く危険地帯。

 何が危険なのかって?

 勿論、魔王の存在だ。


「ミルンは、今のアトゥナに勝てるか?」


「っ……無理」


「ミユンはどうだ? 勝てそうか?」


「それはっ……分かんない」


 そう言う事だ。

 黒姫曰く、このエイドノア大陸の魔王達は、他の大陸の魔王よりも、弱いらしい。

 魔龍と恐れられる、黒姫ですら、ヴォイド大陸の魔王を、警戒するレベルだ。

 ぶっちゃけ二人を、守れる自信が無い。


「ミルンお留守番してたのにっ、お父さんがまた行っちゃうっ……狡いっ」


「ミユンもっ、ヘラクレスの所っ、頑張ってお手伝いしたのにっ……狡いっ」


 二人して、目に涙を浮かべていますけど、それは狡く無いのかいっ!?


「くっ、黒姫、ピュアからもっ、二人を何とか説得してくれっ。泣き脅しは嫌だっ!」


「情け無い魔神なのぢゃ……」


「これが、精霊神様を、宿しているのね……」


 黒姫とピュアからの、冷たい視線ですね。


「流や。以前に話した、ヴォイド大陸の魔王の特徴は、覚えておるかや?」

 

「ああ。超超遠距離タイプ、だったか?」


「然り。上空を飛んでおると、我でも痛い思いをするのぢゃ。逆に、陸地を行けば、彼奴は攻撃をして来ぬ」


「前に聞いたな。それが何なんだ?」


 そんなの、魔王の気紛れだろ。

 超超遠距離を、寸分違わず狙い撃ち出来るのならば、魔王に近付けば近付く程、その危険度は増してくる。


「人見知り魔王ぢゃから、近付けば近付く程、居場所を知られぬ為に、隠れるのぢゃ」


「俺の考えを読んだな。それが事実だとして、何だって言うんだ?」


「ぢゃからして、二人のどちらかぐらい、連れて行っても、良いのでは無いかや?」

 

 うん、お馬鹿黒姫だよねっ!

 折角二人共、連れて行くのを駄目にして、なんとかこの場を、収めようとしたのにね!


「ならミルンっ! ミルンが行くのっ!」


「パパっ! ミユンを選ぶのっ!」


 取り敢えずは、保留にするか。

 結論の先延ばしを行い、その間に、何か良い手を考えないとだ。



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