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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
六章 異世界とは古き民が居る世界

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4話 会議は踊らずされど進む.2



 小々波流の、マッサージ術。

 先ずは肩を揉む前に、後頭部の下、首の上辺りの半棘筋と、その下辺りの頭板状筋を、優しく揉み解します。

 

「あぁっ、んっ、はぁ……」


 強くやり過ぎると、首を痛めてしまうから、整体や整骨院などの、その道のプロに任せた方が、安全に施術してくれるぞ。


「ふぅ……んんっ!?」


 そのままゆっくりと、背骨に沿う様に、下へ下へと押して行き、凝りをコリコリ、固いな。

 その次に、両肩を持ち、後ろへグイッと引っ張って、背筋全体を刺激する。


「おぉっ、はぁぁぁっ……」


 良く解れたら、首周りの筋肉を意識して、ゆっくりと首を、右回転、左回転、右回転、左回転と、交互に回しましょう。

 ここからは、ちょい痛いぞ。

 僧帽筋をぐりぐり解しながら、ついでとばかりに、鎖骨の上辺りの凹みを、ぐりっと。


「んんんっ……っ、んんっ」


 後ろ側だけ解しても、意味が無いからな。

 鎖骨乳突筋や、鎖骨下の胸筋上部も解さないと、バランスが悪い。


「ああんっ!?」


 後は、柔軟体操とまではいかんでも、ラジオ体操でも良いから、肩周りを伸ばす事。


「ふぅ……」


 背筋を意識しながら、腕をピンっと上に伸ばして、ゆっくり下すだけでも、凝りの改善には役立つから、やってみてくれ。


「今やった事は所詮、素人療法だ。下手にすると、"逆に体を痛める"から、必ず最寄りの、整体、整骨院に、相談しようっ」


 流お兄さんとの、約束だぞ。

 えっ、四十間際はおっさんだって?

 寿命の半分以下だから、まだお兄さんだろ。


「で、ルシィ。会議終わった?」


「終わる訳無かろうが!? 儂らは一体っ、何を見せられておったのじゃっ!」


「ほいドゥシャさん、どうよ肩周り」


「流様の力が弱過ぎて、こそばゆいのを、耐えるだけに御座いました」


 あっ、さいですか。

 どうりで、妙に舐めかましい声を、上げていらっしゃった訳ですね。


「……男性陣共、椅子に座ってても、前屈みになってるの、バレてるぞーい」


「「「言わんで良いっ!?」」」


「ノリ突っ込み完璧かよ……レイズ国王は、普通にしてんのな。耐えたのか?」


「はははっ。儂は、ザマァス一筋なのでな。妃以外だと、背が低くて燃えぬのだ」


 レイズ国王……隣のザマァス王妃が、顔を真っ赤にしてんだけど、惚気か?

 

「世界樹の葉と、オークの睾丸を配合した、特別薬……持って帰るか?」


「コホンッ、婿殿……妾が貰い受けよう」


 あっ、レイズ国王が必死に、首を左右に振ってたの、見逃してたわ。

 御免ねっ、レイズ国王様。


「で、ルシィ。会議終わった?」


「っ、ドゥシャっ! その男を何とかせいっ!」


「陛下……今更に御座います」


「むきいいいいいい────っ!? さっさと会議を進行せぬかっ! ナブリルっ!!」


 部下に八つ当たりとは、酷い女王だな。

 でも残念、会議は進行しないぞ。

 なぜなら今のナブリル君は、椅子から立ち上がる事などっ、不可能だからだっ!!


「ちょいちょい、ルシィさんや」


「ふぅっ、ふぅっ、ふぅっ、何じゃっ!!」


「あまり煩いと、レイズ国王に失礼だろ?」


「────っ、貴様がソレを言うなあああああああああああああああ────っ!!」


 会議室に居る全員が、耳を塞ぐ程の大絶叫って、本当に迷惑な女王様だ。


 コンコンッ────『流。ミルン御嬢様より、煩いとの御言葉を、伝えに参りました』


「ほらぁ。ルシィの所為で、ミルンが怒だぞ」


「儂の所為では無かろうがっ!?」


「ドール。ルシィには、言って聞かせるからって、ミルンに伝えておいてくれ」


『了。ミルン御嬢様に、お伝えします』


「儂の所為にされたじゃとっ!?」


 何を言ってるんだルシィ。

 ルシィの大声の所為で、ミルンが怒なんだから、ルシィが十割悪いに、決まってるだろ。


「さっ、小々波閣下。陛下を揶揄われるのは、ここ迄にして、会議を進めたいと存じます」


「おっ、ナブリル君復活じゃん」


「ゴホンっ。それでは只今より、新大陸調査に向けた、二ヶ国同盟会議を始めます」


 やっぱり、その事だよな。

 恐らくではあるが、俺の居ない間に、行われた会議とやらは、セーフアースからの海路を使った、輸送の税に関する事だろう。


「ボソッ(後は、領土問題か……)」


 ヴォイド大陸を発見したのは、俺。

 んで、立場的には、ジアストールの貴族。

 と言う事は、ヴォイド大陸の、調査如何によっては、ジアストールの領土となり、アルカディアスが挟まれちゃう。


「同盟会議開始に伴いまして、先ずはレイズ国王より、小々波閣下に、お話が御座います」


 大国である、海洋国家アルカディアスは、それを踏まえた上で、どう出るか。

 

「ふぅ、ようやく本題に入れるな。小々波伯。いや、流殿。儂からの、お願いが有るのだが、聞いてくれるかね?」


「返答は、聞いてからが基本だろ」


「それもそうであるな。では、簡潔に。小々波流殿。貴殿を、我が海洋国家、アルカディアスの……"公爵"に叙する」


「…………「「「えっ?」」」


 ジアストール側全員が、『えっ?』てなったんだけど、これ……どう言う事態なの?


「ドゥシャさん、何か知ってた?」


「存じ上げません。これは、不味い状況に御座います。陛下の目の前で、この様な……」



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