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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
六章 異世界とは古き民が居る世界

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4話 会議は踊らずされど進む.1



 はい皆様、どうもこんにちは。

 ファンガーデンで、何ちゃって領主をしております、小々波、流と申します。

 今現在、領主館の会議室で、縛りプレイ中なんだけど、居心地悪いよねっ、この空間。

 ルシィ、側近のナブリル、ドゥシャさん、アズヴォルド卿、レイズ国王、ザマァス王妃、シャルネ、他五人の貴族達が集まって、俺を睨んで来るのよ。


「のぅドゥシャや。何で其奴、無言のまま、縄を解こうとしておるのじゃ」


「ミルン御嬢様との団欒を、中断致しましたので、その所為かと存じます」


「ふむ、それは悪い事をしたのぅ。しかしこの会議には、レイズ国王も出席する故、必ず来る様にと、厳命したのじゃがな……」


 このルシィ、特権を無視しているぞ。

 俺は、ルシィも含め、他貴族の命令を聞く必要は無く、攻め込まれた時のみ、力を貸す。

 会議やら、夜会やらの義務も無く、俺のやりたい様に、ケモ耳パラダイスを繁栄させる。

 その為の特権だろうに。


「陛下。流様にお与えになった特権を、軽視しておりますと、危のう御座います」


「分かっておるわ。じゃからこうして、わざわざファンガーデンで、会議をする事にしたのじゃ。其奴を王都に呼んでも、逃げるであろう」


 ルシィっ、俺は逃げも隠れもしないっ!

 ただ手紙を無視してっ、行かないだけだっ!

 

「……そのムカつく顔を止めいっ!!」


 ムカつく顔とは、失礼なルシィだ。

 俺はただ、顎を伸ばして威嚇してるだけなのに、どこにムカつく要素が有るよ。


「本当に流殿は、面白い。自国の王に対して、その太々しさ。流石、我が娘の婚約者だ」


「アナタ……アレはただの、阿呆よ」


「お母様、流様に失礼ですわ。流様が本気になれば、お母様とて、無事では済みませんのよ」


「シャルネっ、妾が負けると申すかっ」


「間違い無く負けますわ。斬撃、打撃、刺突と言った攻撃が、流様には通じませんの」


 シャルネの奴、何物騒な話をしてんだ。

 と言うか今の話の内容だと、ザマァス王妃って、近接タイプの魔王っぽいな。

 防ステ上がってて、良かったぁ。


「それで、小々波卿は、いつまでそのままなのかね。縄ぐらい、外せるのであろう」


「まあな。『空間収納』で、ほいドゥシャさん。勿体無いから、縄は返しておくわ」


「流様に拘束具は、無意味に御座いますね。次からは、薬物に致しましょう」


 それ、毒物じゃ無いよね?

 飲まされる前に、全力で逃げるぞ。


「コホンッ、陛下。小々波閣下も来られたので、会議を始めても、宜しのでは?」


「そうじゃのう。流の所為で、時間も押しておる事じゃし、始めるとしよう」


「畏まりました」


 貴族会議が、始まる様だな。

 ぶっちゃけ今回の会議、ルシィからの招集だから、議題も何も知らないのよ。



「…………?」



 誰も、何も、言わない?

 ルシィの側近のナブリルも、『畏まりました』と言ってから、全く喋らない。


「ボソッ(ねぇドゥシャさん。これ、何?)」


「流様。会議の途中に御座いますので、お静かに、お願い致します」


「えぇっと、はい」


 全員沈黙のままなんです。

 会議室の壁に設置した、振り子時計の音だけが、チック、タックと、聞こえて来ます。


 

「……嫌がらせ?」



「流様。実を申しますと、既に会議は、終わっているので御座います」


「やっぱり嫌がらせじゃんっ」


 十二時半から始まって、今十五時だからね。

 会議なんて、そりゃ終わるわ。


「それなら、俺要らなくね? ミルンとの時間を、邪魔されたんだけど?」


「流や。確かに、貴族会議は終わっておるが、今から行う会議の方が、重要なのじゃ」


「別の会議? アズヴォルド卿、あの話か?」


「いや、その話では無い」


 違うのか……それなら、余計に分からん。

 

「昨日、儂が言った内容を、覚えておるか」


「ルシィが言った内容? そんなもん……俺が覚えているとでも、思ってんのか?」


「そうじゃと思うたわ」


「なら聞くなよ。そんなんだから、気絶して泡吹いても、誰も介抱してくれないんだぞ」


「っ……(落ち着けーっ、儂。此奴にいちいち腹を立てていては、会議が進まぬっ)」


 しっかり小言が聞こえています。

 昨日ルシィが、会場でスピーチした内容だろ? 忘れる方がどうかしてるわ。


「発見した大陸に、調査に行けと?」


「覚えておるでは無いかっ!? 何で先程っ、嘘を吐いたのじゃっ!」


「えっ、その方がルシィを、弄れるから」


「儂でぇぇぇっ、遊ぶなっ!」


「遊んで無いって。弄ってるだけだって」


「それは同じ事じゃろっ!」


 ほらほら、ルシィがそんなに怒っちゃうと、会議が進まないだろうに。


「妾、あの魔王は苦手だわ……」


「お母様。私と流様が結婚すれば、義理の息子となるお方ですのよ。慣れて下さいまし」


「アレに慣れるなど、無理であろう」


「私が慣れましたのよ、お母様も慣れますわ」


 ザマァス王妃、聞こえてるぞーう。

 今直ぐお義母様と呼んで、どんな反応を返してくれるのか、確かめてやろうか。


「小々波卿……少しは立場を、弁えぬか」


「アズヴォルド卿も、"仲間"になるか?」


「"仲間"とは?」


「俺に弄られる、"ルシィの仲間"」


「丁重にっ、お断りさせて頂こうっ」


 アズヴォルド卿沈黙っ!

 ルシィへの援護射撃は、全て潰すぞっ!

 なんたって、特権を無視する様な、傍若無人の女王様だから、痛い目に遭わせないと。


「はぁぁぁ────っ、ナブリル。御主が流に説明せい。儂が話そうにも、彼奴、マトモに聞く気が無い様じゃ」


「溜息って、ルシィは疲れてるのか? 肩揉んでやろうか? こう、揉み揉みするぞ?」


「儂の何処を揉む気じゃっ!? 手を前に出すで無いわっ! この愚か者っ!!」


 両手を前にして、肩を揉む気ですが、何か?


「流様……揉むので御座いましたら、私目の肩を、お揉み下さいませ」


「おっ、良いぞ良いぞ。ちょい前に来て、しゃがんで下さいな」


「失礼致します」


 ドゥシャさんを前に座らせて、肩を揉み揉み肩を揉み揉み、凝りが酷いわ。

 流石、立派な御山の持主だ。


「で、早く内容を言えよルシィ。このままだと、レイズ国王が、空気になるだろ」


「此奴っ、話を聞く気が無い癖にっ」


「はははっ、儂を巻き込むでないぞ、流殿」


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