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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
六章 異世界とは古き民が居る世界

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2話 婚約御披露目パーティー.9



 ドゥシャさんとシャルネが戻って来て直ぐ、来賓者達に、とあるモノを配った。

 縦横十のマスに、一から百までの数字が、ランダムに書かれ、その裏には、今回の景品目録が記されている紙だ。


 ビンゴゲーム大会、景品一覧。

 全員配布・効果ランダムネックレス。

 五等・ハーピィの枕。

 四等・ミルン工房家具一式。

 三等・世界樹の葉五枚。

 二等・浄化の皿と浄化の杯のセット。

 一等・ゲーム中に発表!!


「アナタっ、二等! 二等が欲しいわ!」


「ザマァス、落ち着きなさい」


「ハーピィの枕っ、欲しいのじゃ……」


 レイズ国王とザマァス王妃は、二等狙い。

 ルシィは枕が欲しいのか。

 ハーピィ達の羽毛は貴重で、ファンガーデン製の物は痛んでおらず、質が良いからな。


「エトワル達の、抜け毛だけど……」


 抜け毛だから、エコと言えなくも無い。

 会場の貴族達も、各々欲しい物に、目星を付けてるっぽいけど、こればかりは、ゲームに勝つしか無いな。

 

「ヘラクレスは何狙ってんの? ウチは断然、一等狙いやねんけど」


「そうであるな……家具一式であろうか」


「何や、欲の無いやっちゃなぁ。ニアは?」


「私は枕ですぅ。入荷待ちの物なのでぇ、欲しくても買え無いんですよぉ」


 そろそろ頃合か。

 そう思い、用意していた物を、『空間収納』から出して、メイド達に広げて貰う。

 正確には、上から吊るす形だな。

 縦五メートル、横五メートルの巨大な紙には、一から百までの数字が書かれており、今回の催しに、無くてはならない物。


「さて皆様! ルールを説明しよう!」


 ミルンとミユンに、それぞれボールを二十五個与えて、あの大きな数字に投げて貰う。

 勿論、二人交互に、好きな数字を狙ってだ。

 一ビンゴで五等。

 最大五ビンゴで一等。

 しかし、例えば一ビンゴで声を上げ、五等の権利を得た後に、二ビンゴしたとしても、四等の権利を得る事は無い。

 声を上げる権利は、一人一回まで。

 そして、このビンゴゲームの最大の肝は、ボールを投げるミルンとミユンに、当てて欲しい数字を、伝えても良いと言う事だ。

 

「ミルンの耳はっ、地獄耳なの!」


「ミユンは普通っ」


 大きな声で伝えても良いが、ミルンとミユンの機嫌を損ねると、違う数字をワザと狙うかもだから、注意が必要だろう。


「ミルン、ミユン、準備は良いか?」


「壁を打ち抜きます!」


「投げるのは苦手っ」


「ミルンさんや、壁は打ち抜かんで良いからね。それじゃあっ、始めっ!!」


 ミルンがボールを手にすると、会場内の貴族達、主に暗部関係者達からの、物凄い声が上がり、そんなに欲しい物あんのかよ!?


『先ずは二じゃ! 二を開けるのじゃ!』


 一番声を上げているのが、ルシィ……お前女王の威厳は、何処行ったの。


「むーんっ、えいさっ!」


 ミルンの一投目は、三番に穴を開け、そのまま壁に"メゴォッ"と、めり込みました。

 壁を打ち抜く気満々じゃん。


『ミルンっ、違うのじゃあああ────っ!?』


「次はミユンなのっ、えいっ!」


 ミユンは本当に、投げるのが苦手の様だ。

 ボールが、緩やかなカーブを描いて、下の百番にポスンと当たり、小さな穴を開けた。


『やりましたわ! 後は周りをっ!』


『ミルン様! 五十二番を!』


『五番っ! 六十二番でも良い!』


『ミルンちゃん、七番。高級お肉……』


 まだビンゴは始まったばかりなのに、どうやら誰かが、このゲームを理解した様だな。

 

「おにぐぅっ!」


 ミルンのボールが、見事七番を打ち抜いた。

 今の声は、ノイズ嬢っぽいな。

 

『ミユン様っ! 九番っ、九番を!』


『七十八っ、いや、八十二番でお願いします!』


『ミユンちゃん、九十番。肥料を……』


「肥料っ!? えいっ!」

 

 肥料と言う言葉に乗せられて、ミユンのボールはそのまま、九十番にポスンっと当たった。

 ミユンさんや、ノイズ嬢の口車に乗せられてるけど、誰も"あげる"とは、言ってないんだ。

 

「流石貴族の御令嬢……怖えぇ……」


「流様、貴族では普通に御座います」


「そうですわね」


 様子を見守っている、ドゥシャさんとシャルネだけど、少し笑っている?

 あぁ、ノイズ嬢は、まだ甘いって事か。

 

『ミルンちゃん、六十五番。高級お肉……』


 ミルンの番になって、ノイズ嬢がまた、お肉で釣ろうとしてるっぽいんだけど、ミルンの尻尾が少し変だな。

 はてなマークっぽい形をしてるぞ。


「お肉をどうするのっ!」


 ミユンが声を上げて、六十四番に穴が開く。

 どうやらノイズ嬢の目論見は、潰えた様だ。

 お肉には弱いミルンだけど、頭の良いケモ耳娘だから、早々騙されない。


「すかさず投げるの!」


 ミユンに至っては、年齢不詳の元妖精だから、さっきのはサービスだったのだろう。

 九十九番に、ポスンと当てた。

 こうして交互にボールを投げて、十投目のミユンの番で、一位の景品の発表だ。


「さあさあ皆様! あと一投でっ、もしかしたら一ビンゴの方も居るでしょう! はいっ、ここで一等の景品の発表です!」


 空間収納から、そっと出した物。

 刃から冷気を漂わせるソレは、見る者全てを虜にする程の美しさ。

 これで斬られた者は、痛みを感じる間も無く、そのまま氷漬けになるだろう。


「効果付きの刀、冷刀。これが一等の品だ!」


 その瞬間、暗部関係者全員の空気が、変わった。



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