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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
六章 異世界とは古き民が居る世界

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2話 婚約御披露目パーティー.8



「えーっ、皆様。ルシィが失神しているので、俺が紹介しよう。赤色がミルン、緑色がミユン。両名共、俺の娘だ」


「お肉大好きっ、ミルンレッド!」


「肥溜め大好きっ、ミユングリーン!」


「「二人揃ってっ、ネームドバスター!!」」


「二人パターンもあるのかよ……」


 何? 戦いはどうなったのか?

 巨大ロボと言うか、二足歩行型の戦車が現れて直ぐ、『空間収納』内にスポッと収納して、ミルンレッドとミユングリーンを捕まえ、こうして貴族達に、紹介しています。

 しっかりと、仮面を取ってな。

 それを見たリティナイエローとニアブルー、ヘラクレスブラックは、裏に引っ込んだわ。

 流石に、あのロボはマズイだろ。

 レイズ国王と、ザマァス王妃にも見られちゃったし、面倒事になっちゃうぞ。


「あのぉ……小々波閣下……」


「閣下? えっと…誰だっけ?」


「デブルバムで御座います。そのっ、先程の巨大な物は……何なのでしょうか?」


「ちょっとした置物だから、そんなに気にしなくも良いぞ。と言うか、気にするな」


「置物……」

 

 戦車に脚が生えた物ですと言っても、ここに居るだれも、理解なんて出来無いだろう。


「そうそう、置物。そんな事よりも、このミルンとミユンを、今後とも宜しくな。ほら二人共、ちゃんと皆んなに、御挨拶しなさいな」


「宜しくお願い致します!」


「酒は飲んでも呑まれるな!」


 ミルンレッドは、礼儀正しく言ったものの、シュバっとファイテングポーズを決め、ミユングリーンは、貴族に指差しお説教。


「ミユンさんや、指差して言ったら駄目だぞ。ミルンも、貴族に喧嘩を売らない」


「だってあそこで、黒姫が真っ赤なの」


「ミルンレッドより、お顔が赤いの」


「……アレは放置して良いんだ」


 ぷにっとモードで呑みまくる黒姫は、酔い潰れた瞬間、周囲の暗部関係者に襲われるだろうから、放置して良い。

 

「んがっ! ……何がっ、起きたのじゃ」


 ようやくルシィのお目覚めか。

 こいつもこいつで、タフな女王様だ。


「おはようルシィ。ミルンとミユンの御挨拶は、もう済ましたからな」


「痛っ、何で儂、ここで寝とるんじゃ?」


 どうやらルシィ、記憶が飛んだっぽい。


「酒の飲み過ぎで、ぶっ倒れたんだろ?」


「酒如きで儂が? 何じゃミルン……奇妙な格好をしておるのぅ」


「奇妙じゃ無いのっ、ミルンレッド!」


「不思議素材なのっ、ミユングリーン!」


「「二人揃ってっ、女王バスターっ!!」」


 ネームドバスターは、何処に行ったんだ。

 女王をバスターしたら、色々と不味くなっちゃうから、泣かせるだけにして欲しい。


「妙に疲れたなぁ……二人共。そろそろ、ドレスに着替えて来なさいな」


「りょっ!」


「かしこまっ!」


 ミルンとミユンは、裏へと走って行った。

 時刻は十九時半。

 後は、ゆっくりと時間が過ぎるのを、待つだけだと思いたい。




 会場の曲が、アニソンっぽいモノから、クラシックっぽいモノに変わり、何とか会場の騒めきを、抑える事が出来た。

 ミルンとミユンは、ドレスに着替えて、貴族達に挨拶をしており……アレ、挨拶だよな?


「まさか、村長が来るとは、思わなかったぞ」


「手紙を寄越したのは、流君であろう」


「そりゃそうだ。領地開発は順調?」


「ミユン君のお陰で、随分と楽をしたのである。米はまだであるが、順調であるぞ」


「それは何よりだ。こっちでも米は作るけど、土地の広さが段違いだから、頼むぜ村長」


 ドゥシャさんとシャルネは、お色直しで離れているので、こうして壁際で、話をしている。

 何で壁際かって?

 ルシィ的には、俺と村長が仲良くしてると、パワーバランスがどうのこうのって、頭を悩ますらしいからな。


「んで、何でリティナが居るんだ?」


「おどれの娘に攫われたんや!」


「誘拐されましたぁ」


「いやいや、ニアノールさんは大歓迎。猫耳ドレスが見れるなんて、目の保養ですからね」


「ほんまっ、しばき倒したろか!」


 リティナのドレスは、黄色のドレス。

 胸元には、可愛いピンクのリボンを付け、こうして見ると、普通の女の子だ。

 普段の濡れリティナとは、大違いだぞ。


「何じろじろ見とんねんっ!」


 ニアノールさんは、青色のドレス。

 所々に、銀色の光る物が見えているが、リティナの護衛だから、仕方が無いのだろう。

 猫耳ドレス姿、ご馳走様です。


「視線が気持ち悪いですよぉ」


「二人共、ぴちぴちスーツと、同じ色のドレスだなって思ってさ。良かったなリティナ」


「何がやねん?」


「そのドレスなら、可愛く見えるぞ。無い乳を上手く、誤魔化せてるしな」


「貶されてとるのかっ、褒められとるのかっ、どっちか分からん事言うなや!」


 全く貶していませんとも。

 銀髪と見紛う白髪と、健康そうな褐色の肌に、青の瞳と黄色のドレス。

 そして、胸元のピンクのリボン。

 うーんっ、カラフル。


「その顔はっ、馬鹿にしとるやろ!」


「馬鹿にしてないって。リティナもニアノールさんも、とても綺麗だ」


「うぅっ、気持ち悪いですよぉ」


「ホンマやなっ……寒気感じたわ」


 今度はちゃんと褒めたのに、酷い言われ様。

 

「なぁ村長。俺、気持ち悪いのか?」


「ふむ。流君は、そうであるな……慣れている者であれば、気持ち悪さが分かるのである」


「慣れていない者は?」


「流君にコロッと、騙されるであろうな」


 村長が何を言っているのか、理解出来無い。

 慣れたら気持ち悪くて、慣れていなかったら騙されるって、どう言う事?


「深く考える必要は、無いのである。考えても分からぬし、意味の無い事なのでな」


「さいですか……」


「んで、流にーちゃん。ミルンから聞いたんやけど、まだやらへんのんか?」


「成程ね。それが、ミルンを手伝った理由か」


「報酬みたいなもんやろ。本当ならウチかて、外の祭りを楽しみたいんや」


「悪かったって。ドゥシャさんとシャルネが戻って来たら、最後の催しだ」


 この異世界で、初となる催し。

 会社主催の、大規模な忘年会であれば、必ずと言っても良い程、開催されるモノ。


「ハズレは無いから、楽しみにしてろよ」


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