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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
六章 異世界とは古き民が居る世界

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2話 婚約御披露目パーティー.5



 問題です。海洋国家アルカディアスで、最も権力を持ち、誰も逆らう事の出来無い存在は、誰かを答えよ。

 答えは、王妃、ザマァス・アルカディアス。

 別名、西の魔王。

 俺が以前、アルカディアスに行った際、首都には行かずに村へ行き、遭難した所為で、今まで一度も会う事の無かった、ヤバ気な奴。

 西のアルカディアスには、魔王は一体だけと聞いているが、その魔王が王妃なんだって。

 魔王と結婚って、レイズ国王は何者なの?

 マ◯オさんみたいに、婿養子で国王になったらしいけど、元勇者かな?


「レイズ国王、お待ちしておりました。遠路はるばるの御来臨を賜り、有難く存じます」


「よっ、レイズ国王」


 見よ! このドゥシャさんの丁寧な応対と、俺の雑な応対の、コラボレーションを!


「流殿は、相変わらずの自由人よな。妃に会うのは初めてだろう。紹介しよう、我が妻の、ザマァス・アルカディアスだ」


 うん、紹介されんでも、見てえますから。

 コレぞ貴族のヘアスタイルだと言わんばかりの巻き巻き金髪で、背も高いの。

 村長と同じぐらいじゃね?

 その癖スタイル抜群とか、化物だろ。


「ふん……貴方が、妾の呼び出しにも応じず、婚約の報告にも来ない、無礼者の魔王か」


 口元を扇で隠しながらの、嫌味ですね。

 ザッ、王妃様って感じだ。


「お母様。流様を悪く言うのなら、帰って下さいまし。お父様だけで十分ですわ」


「っ、一人娘の婚約を祝わずに、帰れる訳が無いでしょう。それに、あの話も有るのだし、妾が居なくてどうするか」


「お母様が居なくても、問題無いですわ」


「妾だけ除け者は嫌だ!」


「お前達っ、流殿の前で喧嘩はよさぬかっ」


「お父様は黙ってて下さいまし」


「アナタは黙ってなさい!」


「っ……すまぬな流殿」


 この一連のやり取りで、レイズ国王の立ち位置が、ハッキリと分かったぞ。

 ガチで尻に敷かれてる、悲しい父親だ。

 家庭円満の秘訣っぽいんだけど、見ていて少し、泣けてくるんですけど。

 

「レイズ国王。夜に酒でも、奢らせてくれ」


「あぁ……有難う」


 こうして見ていると、声を荒げて威圧感が凄い、ザマァス王妃と、淡々と冷静に答えるシャルネの姿が、やっぱり母娘だなと思う。

 どちらも引き下がらない、頑固者。

 西の魔王と、殺戮人形の言い合いだ。

 ちょっと怖い。


「流様、お時間が……」


「分かってるよドゥシャさん。シャルネ、そいつ置いてさっさと行こうぜ」


「わっ妾をそいつ呼びだと!?」


「そうですね。さっさと参りましょう」


「待てシャルネっ、妾を無視するな!」


「止めんかザマァス。娘が付けておる指輪を、お前も見ただろう。良い加減認めてやらぬか」


 アルマシロ産の、お高い指輪ですからね。

 レイズ国王、しっかり見てるじゃん。

 尻に敷かれているだけじゃ無く、しっかりと父親してるんだな。


 時計を確認すると、十八時前。


「ギリギリセーフか」


 会場の出入口まで来て、守衛に合図をし、キュッとネクタイを締めて、両隣を見る。

 右にドゥシャさん、左にシャルネ。

 考えてみたら、暗部の長と、殺戮人形って、両手に花と言うよりも、双剣だよなぁ。

 若しくは、二丁拳銃。


『レイズ・アルカディアス王並びにっ、ザマァス・アルカディアス王妃っ、おなーりーっ!!』


 守衛の声と共に、重厚な扉が開き、先に入るのは勿論、王様と王妃様だ。

 その二人が、用意した椅子に座ったタイミングで、再度声を出して貰う。


『小々波・流様並びに、ドゥシャ・マルテ嬢、シャルネ・アルカディアス嬢、御入室!!』


 ドゥシャ・マルテ?

 初めて知ったんだけど、マルテなの?

 そんな事を思っていたら、両腕を二人にキメられて、会場へと連行です。

 痛くは無いけど、血が止まる圧迫だぞ。


「ボソッ(それで、先ずは何をすれば良いんだ)」


「ボソッ(先ずは陛下に御挨拶を)」


「ボソッ(その後に、お父様達に挨拶ですわ)」


「ボソッ(頼りになる二人だわぁ)」

 

 周囲からは、色々と小声が聞こえるけど、その大半は、両隣を歩く二人を祝福する声だ。

 ドゥシャさんが呼んだ貴族って、もしかしてだけど、暗部関係の貴族だったりして。

 ふと、そんな考えが頭をよぎったけど、今は目の前の事に、集中しないとだな。

 ニヤニヤ顔のルシィの事に、集中?


「えっと、るるしあぬ・じぃる・じあすとーる陛下。御来訪、心より感謝申し上げます」


「う…む? 儂の名前、棒読み?」


「えっ? 気の所為だろ?」


 このやり取りで、会場に居た全ての女性達が、何故かくすくすと笑い出した。

 その旦那達は、困り顔だけどな。

 んで次は、レイズ国王とザマァス王妃か。


「えーっ、来て貰って悪いな。堅苦しいのは嫌いだし、気楽に楽しんでくれ」


「くくっ。ああ、楽しませて貰おうぞ」


「ジアストールの魔王はっ、礼儀を知らぬ馬鹿者なのか! 妾に対してその様なっ!」


「……帰るか?」


「先も言ったがっ、帰る訳が無かろう!」


 あっ、会場の誰かが吹き出した。

 この光景を見て笑うとか、絶対元影さんとかが、混ざってるだろ。


「この様な場でも、流様は変わりませんね」


「ドゥシャ。それが流様の、良いところですわ」


 それ、絶対褒めて無いよね?

 そんじゃ、会場に向けて一言だよなと、回れ右して、ルシィをわざと隠します。


「お集まり頂いた皆様。俺がここ、ファンガーデンを治める領主、小々波・流だ。先ずは、来て頂いた事に、感謝申し上げる」


 ルシィが俺の尻を蹴飛ばして来るけど、残念ながら全く痛く無い。

 逆にルシィの足が、ダメージを受けるぞ。


「皆様のお口に合うか分からないが、異国の料理を用意しているので、この機に是非とも、堪能して行ってくれ」


 俺の言葉と共に、料理が次々と運び込まれ、立食用のテーブルの上に、並べられて行く。

 貴族達の手に、イヨワリ産で手に入れた、ワイングラスが配られ、準備完了。


「あとは、そうだな……ドゥシャ・マルテと、シャルネ・アルカディアスとの婚約を、是非とも祝福して欲しい」


 背後のルシィをチラッと見る。

 今の言葉は、お前に言ったんだぞ、ルシィ。


「外では祭りが行われているし、今日は無礼講でと言う事で、良いよなルシィ?」


 尻を突き出し、ルシィにアピールです。


「儂に尻を向けるなぞっ、お主ぐらいじゃぞ! ええいっ、もうっ、構わぬわ!!」



「よっしゃ言質得たり! それじゃあ皆様っ、グラスを掲げて、カンパーイっ!」


「「「カンパーイ?」」」



 やっぱりお前ら、暗部の関係者だな。

 今のノリに付いて来れるのなんて、ジアストールだと、暗部しかいないぞ。


「ふははっ、矢張り流殿は、面白いな」


「レイズよ! 何が面白いか! 此奴はっ、会った時から馬鹿者じゃぞ!」


「無礼講ならばっ、妾にも酒をよこさぬか!」


「ルシィが酒瓶抱えてんじゃん。それ高いヤツだから、分けて飲めよ」


 俺は今から、来賓者との交流らしいから、酒が飲めないんだぞ。


「流様、参りましょう」


「シャルネ。流様の腕が、折れますよ」


 本当にね、力ステ低いから、マジ危ない。

 防ステ無かったら、ポキっと両腕です。

 

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