表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
六章 異世界とは古き民が居る世界

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

506/566

2話 婚約御披露目パーティー.4



 婚約御披露目パーティーの当日に、お宅の兵を借り受けたいと、ラブコール。

 その場での返答は避け、アズヴォルド卿が自領へ帰る迄に、返答すると約束した。

 この祝日の三日間、ここに滞在するそうだ。


「東の国から、敵さんわんさかとか……」


 和土国とは、友好関係を築けているが、それ以外の国々が、不穏な動きを見せている。

 だからこそ、ジアストールで今現在、馬鹿みたいな戦力を誇る、このファンガーデンに、助けを求めたと言う訳だ。


「ここ、国の最西端よ? 他にも貴族が居るだろうに、何やってんだよ」


 アズヴォルド領の兵を集めたら、ファンガーデンの凡そ、二倍の人員らしいけど、それで足りないとかヤバいだろ。


「数は居てもって、ヤツだろうなぁ」


 そもそも、ケモ部隊を持ってるのが、このファンガーデンだけだし、人間は魔法が使えると言っても、地力が違う。

 それこそ、広範囲を一撃で火の海に変えないと、接近されたら瞬殺レベルだ。


「……憂鬱だなぁ」


 そうして時刻は、十七時半過ぎ。

 バックヤードから、貴族達が続々とパーティー会場の中へ入って行くのを、ボーっと眺めながら、身嗜みの最終チェックを受けています。


「流さん、顔色悪いですよぉ」


「何言ってるのラナス。流さんはいつも、こんなお顔してるじゃない」


「そうかなぁ」


 ラナスとコルルは、雑談しながらも、台に乗って手際良く、俺の髪を整えている。


「うぅ、目が虹色なの、いつ見ても怖いなぁ」


「それは私も思うけど、口に出したら駄目っ」


 虹色の瞳は、仕方無いだろ。

 深緑の魔眼って言う、神殺しの発動キーらしいけど、元に戻らないからな。

 

「ドゥシャさんは?」


「アトゥナメイド長と、お着替え中ですぅ」


「そりゃ楽しみだ。ミルンとミユンは、準備バッチリなんだよな?」


「勿論ですっ。今は別室で、暇そうにしてるよ」


 今日は朝から、二人の姿を見ていない。

 と言うか、意図的に会わない様にされていたっぽくて、何かを企んでいる気がする。

 俺へのサプライズだろうか。

 そうだったら、物凄く嬉しいけどね。


「にしてもルシィの奴……まだ始まっても無いのに、あんなに呑んで、大丈夫なのか……」


 会場の最奥には、王専用の椅子を三つ、設置しており、その中央で脚を組みながら、ワインをがぶ飲みしているのが、ルシィだ。

 立食パーティーなのだが、流石に他国の王様を、座らせる訳にはいかないからな。


「シャルネはまだ、戻って無いのか?」


「時間には間に合うとの事でしたが、まだ戻って来て無いです」


「まだなのか……」


 親父さんを迎えに行って、何か起きたか?

 今回の婚約御披露目パーティーは、シャルネも居ないと駄目なんだけど、あと二十分ぐらいしか時間無いぞ。

 

「最悪、空を旋回してる黒姫に、音速ぶっぱで迎えに行かすしか無いな」


『(我もお酒を呑みたいのじゃっ!!)』


「……念話!?」


『(シャルネなら、もう直ぐ着くぞぇ。じゃから我もっ、パーティーに混ぜるのじゃ!)』


「(黒姫お前……こんな力まで有るのか。それなら裏山に降りて、ドレス着てから来いよ)」


『(ひゃっはーっ! お酒なのじゃーっ!)』


 お前はどこぞのヒャッハー族か?

 黒姫の事は置いといて、そろそろ音楽流して、ムードを作らなきゃな。


「コルル。楽団に演奏させるよう、指示を頼む」


「分かりました、行って来ます」


 コルルは羽根を広げて、そのまま上へとパタパタ飛んで行き、何とも便利な羽根様だ。

 二階には、遊戯コーナーとは別に、ちょっとした楽器を用意して、演奏スペースを確保。

 そこから下の会場に、音楽が流れる。


「頼むぞドール、ドーツ」


「良いなぁ、コルル。楽器触れるんだもん……」


「そう言うなラナス。工房が増えたら、お前にも良い楽器を作ってやるから」


「楽しみに待ってますぅ」

 

 ファンガーデン音楽団。

 王都では、夜会の際に必ず、専属の楽団員を使い、ダンスをするらしい。

 しかしだ、そもそも楽器の様な物、ファンガーデンには無かったんだ。

 そこで、工房の親方に相談をして、色々と試行錯誤の末、バイオリンっぽい物と、フルートっぽい物、シンバルっぽい物が作れた。

 何故、"ぽい物"と言うのかって?

 実物を見た事無くて、口頭で制作して貰ったから、正解か分からないんだよ!


「そこんとこ、ドゥシャさんに聞けば良かったと、少し後悔だわなぁ」


 んで、楽器を用意したまでは良かったけども、そもそも演奏出来る人材が、皆無だった訳で、これが一番頭を悩ませた。

 半ばやけくそ気味に、壁の置物と成って居たドーツに持たせて、強権発動。

 無茶振りして、弄り倒そうと思っていた。


「普通に演奏出来るとか……今だに信じられないわ。ドールの奴も、プロ並みだろアレ……」


 一体古代人は、ドール達に何をさせたかったのかと、疑問が浮かぶスペックです。

 コルルは何なのか?

 今頃、上手に指揮者やってるぞ。

 コルル、ドール、ドーツ、ラカス、新人メイド二人の六名で、ひたすら楽器の演奏タイム。

 ラカス?

 シンバル担当です。


「────っと、始まったな」


 演奏の楽曲は、全く知らない。

 知らないんだけど、ドールが譜面を作り、他のメンバーへ周知していた事は、知っている。

 何処かで、聞いた事の有る曲なんです。

 何だったかなぁ、この曲。


「日曜の朝に……良く聞いた様な……」


「中々変わった、音楽に御座いますね」


「ドゥシャさん、準備終わったの────」


 後ろから声がしたので、振り返って見たら、純白のドレスに身を包んだ、女神が居た。

 桃色お化けなんて、エセ女神だ。

 そう思わせる程に、美しい女性。


「流様、如何でしょうか?」


「えっと、うん。うーんっ、月並みな言葉で申し訳無いんだけど、綺麗だとしか言えん!」


「ふふっ。それでは褒め言葉を、練習して貰わなければ、なりませんね」


「努力するよ……」


 駄目だっ、美女を前にしてこの醜態。

 だってそのドレスっ、胸元開き過ぎじゃん。

 顔良し、スタイル良し、性格良しの完璧美女がだ、嫁候補って……リア充かよ!!


「おーい、流のおっ…領主様っ。シャルネ様とそのご家族が、到着しました」


「アトゥナさんや、いつまで経っても慣れない口調を、無理に使う必要は無いぞ?」

 

「これでも良くなったんだ! それよりも、他国の王族来てるんだから、早く行かないと!」


「流様。どうせならばシャルネと共に、会場入りを致しましょう」


 それって、シャルネの母親も居るよね?

 殺戮人形の母親。

 初顔合わせだな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ