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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
六章 異世界とは古き民が居る世界

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1話 婚約御披露目パーティーの準備.10



 ミルンの口撃!

 ドールは逃げられない!

 なーんて事が、ありました。

 うん。交渉したら、何とかなったわ。

 付与だけだけど。

 解析の事とか、魔力云々は、脅しても教えてくれなかったけど、付与だけなら、ドールが作業してくれる事になった。

 色々と、条件付きだけどな。

 

「……面倒な条件だなぁ」


「ミルンの手柄!」


「はいはい、ありがとうよ」


「"はい"は一回なの!」


 ドールが付与を行う条件は、五つだ。

 付与後は速やかに、充填する事。

 他の者に、情報を漏らさない事。

 武器への付与は、求めない事。

 この三つは、俺にとってもデメリット無いし、何の問題も無い。

 問題は、残り二つの条件だ。

 他の機体を探す事。

 定期的に、迅号を動かす事。


「迅号を動かすのは良いとしても、他の機体を探せって、どう探せと?」


「遠隔充填中は三機。大陸外から反応有り」


「……別大陸かよ!?」


「また旅行?」


「うむぅ、これは保留で良いか? 迅号は、定期的に使うと、約束しよう」


「了。付与は行いますので、御検討を」


 そんな事もあり、露店で売っていた世界樹のネックレスを買占め、それに何某らの付与をして貰い、婚約パーティーの土産物として、出す事が決定した。

 因みに付与の方法は、見ても分からん。

 試しに、空間収納で死蔵されていた、金の裸婦像に付与して貰ったが、何なのそれ?

 金の裸婦像をドールが持って、以上、終わりって、どうやったの?

 空間収納内に戻して、確認したら、金の裸婦像の癖に、"斬撃効果"が付いていた。


「意味の無い効果付けんなよ!?」


「ランダムにて、ご了承下さい」


「……デバフ効果は勘弁してくれよ」


「でばふって、なあに?」


「毒とか麻痺とか、ステータスを下げたりとかする、嫌な効果の事だぞ」


「嫌な効果! 背中が痒くなる!」


 それは、地味に嫌な効果だな。

 そんな異常にかかったら、ミルンに優しく、背中を掻いて貰おう。

 

「うしっ、これで抜かりは無いな。あとはこの手紙を、配達して貰えば完了だ」


 後は、婚約御披露目パーティーまでに、ダンスホールを完成させて、ミルンやミユン達のドレスを仕立てれば、完璧だな。

 

「明日にでも、ギルドに手紙を送って貰うか」


「ミルンっ、ミルンが持って行く!」


「……あまり無茶な依頼はするなよ?」


「日帰りで狩るの!」


「それなら、ドゥシャさんにも伝えて、しっかり許可を貰いなさいな」


「りょっ」


 さて、そろそろ夕飯の時間か。

 

「食堂行って、皆んなで食べるか」


「お夕飯のお時間? お米?」


「夕飯は、お米を食べ過ぎないようにな」


 注意をしておかないと、ミルン達に、米の蓄え全てが食い尽くされかねない。

 そんな不安を胸に抱きながら食堂に入ると、ミユンとピュアがキリッとした顔で、箸を片手に握り締め、夕飯待ちをしていた。

 

「お顔が濃いの……」


「濃いと言うか、なんか怖いぞ」


 ドゥシャさんと小花さんも居るけど、そちらは雑談をしている様で、何とも和やかなのに、ミユンとピュアは何故に濃い顔。

 俺とミユンは、専用の椅子に座って、その不可思議な光景を眺めるが、二人は微動だにせず、無言のままで濃いお顔。


「ピィピィ、お米楽しみっ」


「っ、びっくりしたぁ……エトワル居たのか。何で椅子に座らず、しゃがんで居るんだ?」


「ピィィィッ、食べにくい」


 そりゃそうか。

 羽根を丸めてしゃがむ姿は、どこからどう見ても鳥類のソレで、何とも可愛らしい。

 可愛らしいんだけど、何この空間?

 濃い顔のミユンとピュアに、可愛い姿のエトワル。それを無視するドゥシャさんと小花さんで、それらを眺める俺とミルン。

 

「混沌か?」


「お父さん。ミユンとピュアが、動かないの」


「何だろうなぁ」


 コンコンッ────「お待たせしましたぁ」


 ラナスの後にコルルが続き、配膳車をコロコロと、運んで来た料理。

 ソレを見た瞬間、理解した。

 地の精霊ミユンと、水の精霊ピュアが、何故濃い顔のまま、箸を握り締めて居たのかを。


「すっ、すき焼きだと!?」


「なあにそれ? スンスンっ、良い匂い!」


「ミルンっ、気を付けろ」


「なんで?」


「ミユンとピュアのっ、目がマジだ!」


 土鍋にぐつぐつと、煮えた肉が見えるが、あんな霜降りっぽい肉なんて、無かった筈。


「我がツキヨにて育てている、猛怒"牛"の良いところを、手土産にお持ちしたのです」


「小花さん……牛飼ってるの?」


「少しですが、育てております」


「まさかツキヨに、牛が居たなんて……っ、二足歩行のミノじゃ無いっ、ガチ牛肉!」


 それにいち早く気付いた、ミユンとピュアは、こうして精神統一をしていたと。

 流石に卵は、危険だから無いけど、味付けされた肉と野菜の香りが、最早凶器だ。

 勿論っ、白米も完備してます。


「パパっ、まあだっ!」


「涎が止まらないわ!!」


「お肉の良い匂いなのぉ……じゅるっ」


 すき焼きを前に、精霊二人とミルンがそわそわして、早くしろと目で訴えて来る。

 しかし、ドゥシャさんの目があるから、無様な姿は見せられないんだ。


「ラナス、コルル。深皿に小分けして、アトゥナとお前達の分も、確保しなさいな」


「やったぁ!」


「私達も食べれるぅ!」


 ギリギリと、歯を食いしばる音が、ピュアから聞こえて来るけども、そうしておかないと、地下でお仕事中のアトゥナの分なんて、残らないだろう。


「そろそろ良いか。それじゃあ手を合わせて、頂きます」


「「「頂きます!」」」


「我が国と、似た様な事をなさるのですね。では私も、頂きます」


「ツキヨでもなさるのですか。頂きます」


 ミルンとミユンとピュアの、肉を賭けた本気の戦いが、今っ、始まってしまった。

 うん、肉が消えて行くの。

 面白いぐらいにね。


「むぐむぐ……米旨めぇ」


 この勢いだと、俺は肉を諦めるしか無い。

 ドゥシャさんは、いつの間にか肉を確保しており、流石暗部の長だわ。

 全く見えなかったぞ。


「それっ、ミルンのお肉!」


「ふふん、甘いわよ」


「もちゅもちゅ…旨しっ!」


 いつかツキヨに出向いて、猛怒牛とやらを、見せて貰うとするか。

 出来るなら、育ててみたいものだ。

 


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