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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
五章 異世界とは機械人形が居る世界

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7話 領主代行ミルンのお仕事.7


 

 城塞都市ファンガーデンから、諜報員を殲滅しましょう第二弾なの。

 精霊さんを仲間にして、その力で諜報員を見つけ出し、全員捕まえ牢屋行きなの。


「黒姫とアトゥナが尋問している間に、御座ると一緒に精霊を見つけるの」


「うむ。何処から探すで御座るか?」


「先ずは世界樹近辺を捜索します。精霊達は、妖精達と同じく、世界樹が大好きなの」


 ミユンも良く、世界樹の周りを徘徊したり、湖を泳いで、世界樹にくっ付いていたの。

 一度くっ付いたら、半日は離れないから、ミルンも一緒にくっ付いていたの。


 なので来ました、世界樹が聳え立つ、ファンガーデンの中心部。

 ぐるっと回れば、各区域へ行ける為、最近では屋台などが軒を連ね、賑わっているオススメスポットなの。


「精霊が姿を偽るとしたら、どんなのかな?」


「そうで御座るな……矢張り獣族で御座ろう。このファンガーデンならば、暮らし易いので御座るよ」


「獣族……出店の人に、聞いてみるの」


「聞き込みで御座るな」


 どんな屋台が出ているのかを確認。

 定番の焼き串屋や、モツ煮などの食べ物の他に、商業区で作られた、世界樹をモチーフにした宝飾品や、工芸品等々、色んな屋台が有る。


「ムグムグ……外で食べるお肉は最高!」


「そうで御座るなぁ」


 湖に浮かんでる様に見える、立派な世界樹を眺めながら、お肉を頬張る。


「最高の時間なの!」


「ミルン御嬢様、聞き込みをするで御座る」


「忘れてないの。買食いも、市場にお金を流す為の、立派なお仕事です」


「それならば……良いので御座るが」


 腹拵えを済ましたので、屋台の人達に聞き込みを開始なの。

 先ずは、あそこのお店にするの。


「こんにちは!」


「いらっしゃいいっ!? ミルン様じゃ無いですか。今日はどうされたんで?」


「宝飾品の売れ行きはどう?」


「良い感じですね。世界樹をモチーフにしてるからか、冒険者達が買って行きますよ」


 良々なの。

 お父さんが考案した、世界樹の宝飾品。

 管理の全てをミルンがしてるから、売れれば売れる程、ミルンのお小遣いが増えるの。


「ならば良しなの。あと、ここ数ヶ月の間に、知らない人がお店を出したり、違和感の有る獣族を見なかった?」


「知らない人? 屋台は、入れ替わりが激しいですからね。知らない人ばっかりですよ」


「違和感の有る獣族は?」


「それなら、犬人族なのに鼻が効かないって言う、不思議な奴が居ますよ」


「その犬人はどこに居る?」


「二軒先に有る、工芸品の屋台ですね」


 早速、有力な情報を手に入れたの。

 犬人族なのに鼻が効かないのは、そこそこ怪しい犬人族なの。犬人族は、嗅覚が命です。


「有難うなの。売上向上頑張ってっ」


「有難う御座います! 何してるのか知らないですが、ミルン様も頑張って下さい!」


 二軒先のお店に行くの。

 もし精霊が、犬人族に化けているとしたら、犬人族であるミルンなら分かるの。


「先程の男性は、精霊では御座らぬのですか?」


「あの人は違うの。世界樹が生える前に来た、移住者の一人だから、精霊じゃ無いの」


「成程、初期のメンバーで御座るな」


「そうなの。それじゃあ次は、二軒先のお店を訪ねてみるの」


 ファンガーデンの工芸品。

 さっきの宝飾品とは違い、実用的なお皿や、ミルンを模った置物等、俗に言う土産物屋の屋台なの。


「こんにちは!」


「いらっしゃいまっ、ぶぇっくしょんっ!!」


「大丈夫? お風邪引いてるの?」


「いえっ、らいじょふうです。昔から鼻水が酷くて、何なんでしょうね」


 この犬人族は、ただの鼻炎なの。

 お父さん曰く、完治しない病気であり、一度治っても、再発するから放置なの。


「犬人族が鼻炎で御座るか……」


「普通なら有り得ないの。もともと山育ちの犬人族は、そう言った病に強い筈なの」


 それにこの犬人……ファンガーデン代表代理のミルンを見ても、畏まらないの。

 まるで、ミルンを知らないかの様な態度。

 もしかして、もう精霊を発見した?


「貴方はいつ、ファンガーデンに来たの?」


「いつですか? ええっと……大体三月程前になりますね」


「ふーん、仮住民票持ってる?」


「えっ、ええっと……」


 目がキョロキョロしてて、色々考えてるけど、仮の住民票が無いのなら、今やっている商売は不正なの。


「ファンガーデンに住んでるなら、役場で必ず説明されるの。貴方は何者?」


「逃げようとしても無駄で御座る。ミルン御嬢様ならば、地の果てまでも追いかけるで御座る」


「っ、……仮住民票、知らなかったな」


 雰囲気変わったの。

 この感じは、ミユンにそっくり。


「貴方は精霊?」


「……地の精霊に聞いたんだな。俺らを此処から、追い出す気か?」


 仮の住民票が無ければ、このファンガーデン住まう事は出来ない。そのルールは、何者にも適応され、一切の例外も許さない。


「追い出しはしないの。精霊も、ここに住まう者なら、最低限のルールを守るの」


「……何をさせたい」


「話が早いの。他の精霊達も、ここに集めて欲しい。ご相談があります」


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