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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
五章 異世界とは機械人形が居る世界

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7話 領主代行ミルンのお仕事.6



 ミルンの簡単、殲滅講座なの。

 先ずは、城壁の天辺から、下の諜報員達目掛けて、ジャンプします。

 落ちる際には体を丸め、回転した後に、右足を突き出しながら、『天誅』と叫びましょう。

 上手い具合に、諜報員の頭に右足を当てて、首を圧し折る事が出来たら、その場に居る全員の動きが止まります。

 あとは簡単。

 男は股間を潰して、動けない様にするの。

 女は脚を折って、動けない様にするの。

 あっと言う間に殲滅完了。


「……エグいで御座るぞ」


「お父さんなら、セーフアースに直送して、魔物の美味しいご飯にするの」


「子は、親を見て育つ……で御座るな」


「ミルンは優しいから、餌にはしないの」


 餌にはしないけど、後悔はして貰う。

 男は、オーガの雌にプレゼント。

 片玉は生きているから、死なない程度に、オーガ達に蹂躙されるの。


 リーダー以外の女は、脚が折れたまま、ミルン管轄の鉱山送りとなります。

 鉱山の野郎どもが、紳士的に介抱してくれるから、脚が折れてても大丈夫なの。


「ミルン御嬢様なら、暗部でもやっていけるで御座るな。純粋な狂気で御座るよ」


「暗部ほど酷くは無い……筈なの」


「それじゃあ、此奴らを館へ運ぶで御座るな」


「静かだと思ったら、泡吹いて気絶してる……弱々諜報員なの」


 縄で纏めて縛って台車に乗せ、宿屋近くまで運んだら、黒姫に合図をする。

 宿屋に居る男も、お持ち帰りなの。

 この一団を、館の地下にぶち込んだら、直様警備隊を招集して、ファンガーデン内部に点在する、お父さんの隠れ家に突入させた。


 お父さんはこの時の為に、ワザとこんな場所を、作っていたのだろうかと思う程に、居るわ居るわの他国の諜報員。

 正に取り放題。

 一夜で総勢四十八名もの、お馬鹿さん達が捕獲されました。

 



「おはようなの…むにゅむにゅ」


「ミルン御嬢様。おはようで御座る」


 昨日遅く迄動いていたから、まだ眠たいの。

 黒姫とアトゥナは……地下で作業中だった。

 今日のお付きはラナスなの。


 カチャッ────「おお待たせしましたぁ」


 ラナスがお付きだと、お茶を溢したり、何も無い所で転けたり、見てて飽きないの。

 今日は珍しく、お茶を溢して無いの。


「どっどどうぞぉ」


「有難うなのラナス……面白味が無いの」


「頂くで御座るよ」


 うん。緑茶なのに全く苦く無くて、まるでお団子を凝縮したかのような甘味に、どこからか酸味が襲ってくる、悪魔の飲み物なの。


「ラナス、お茶に何入れた?」


「えっ、ええぇっと……美味しくなるかなと思って、甘タレとレモモを少し……」


「緑茶への冒涜なのっ!!」


「うぬぅ……普通に不味いで御座るっ」


「わっ私が飲んだ時はっ、美味しかったですぅ」


 ドジっ子が無くなったと思ったら、究極の味覚音痴属性が追加されてるの。

 次は必ず、コルルに頼むの。


「これで少しは、諜報員減った?」


「分からぬで御座る。前日捉えた者達は、ルノサイアの間者のみで御座った故」


「ぬぅ…難しいの」


「焦らずとも、こう言うのは根気で御座る。怪しい場所を徹底して潰せば、数は減っていくで御座るよ」


 ぷちぷち潰していくの。

 若しくは、この都市内部に居ると噂の、精霊達にお願いをしてみるの。

 ミユンが以前、いっぱい居るって言ってたから、姿を偽って暮らしてる筈なの。


「どこに居るだろ……」


「ミルン御嬢様。余り突飛な行動をすると、皆んなに迷惑がかかるで御座るよ」


「大丈夫なの。精霊達を集めて、諜報員を撲滅して貰うだけなの」


「……大事に成りそうで御座るっ!?」


 大丈夫なの。

 精霊達は、お父さんが大好きなの。

 イコール、お父さんの娘であるミルンも、好きになってくれる筈なの。


「今日は精霊達を探す! 御座るも手伝って!」


「……承知したで御座るよ」


 ミユン以外の精霊を、仲間に加えるの!



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