間話 その頃ミユンは.1
「荒野のお土を、耕しましょう」
『穴掘り、種蒔き、発芽せよ♪』
「荒野のお土を、耕しましょう」
『死体が出たら、養分だーっ♪』
「荒野のお土を、耕しましょう」
『水撒き、栄養、沢山あげて♪』
「荒野のお土を、耕しましょう」
『妖精楽しく、髑髏の上で♪』
「皆んな楽しく、踊っているのーっ!」
「ミユン君……呪いの歌を口遊むのをっ、止めてはくれないか! 頭が可笑しくなるっ!」
「妖精がやる気だったから、仕方無いの」
「私には見えぬが、ミユン君の近くから、呪いの言葉が合唱しておるのだ……」
しくじったの、力の加減を間違えました。
土の妖精が踊り出したから、ついつい悪ノリして、遊んじゃったの。
「妖精さん。村長の頭が危ないから、お歌は無しなの。遊ぶの止めて、しっかり働くの」
『はーいっ!』
『面白かったのにーっ』
『髑髏は土に帰す?』
「ここでしっかり畑を作るの。上手くやれば、ファンガーデンに御招待です。髑髏は土に帰して、栄養にするの」
『頑張るぞーっ!』
『働きまーす!』
『砕いて栄養にするねーっ』
三匹の妖精。
村長と、ここで過ごして三週目。畑としてはそこそこ、形になって来たの。
そこに現れたのが、あの土の妖精達。
ミユンの存在に惹かれたのか、いつの間にか畑予定地で、うろちょろしてたの。
ウザくて邪魔だったから。捕まえて、脅……交渉して、上手く配下に加えました。
逃げたら、地の果てまでも、追いかけるの。
土の精霊であるミユンから、逃げられる訳が無いので、逃げるのはお勧めしない。
「村長。いつ農家の人達は来るの?」
「伝書鳥を飛ばしたからな。一月以内に、来るとは思うのだか。正直分からぬ」
「なら今の内に、色々作業を進めるの。畑は妖精達が見るから、井戸を増やしたり、家を増やしたりと、作業は山程あるの」
「うっ、うむ。要領良く進めねばな」
この村長は、脳筋の中の脳筋なの。
最早筋肉の塊なの。
頭で考えず、筋肉で考えようとするから、作業が思う様に進まない。
「村長は、この付近の魔物を片付けなさい。井戸作りはミユンがやります」
「ぬっ、了解した」
これはアレなの。誰か補佐役を付けないと、領地運営なんて、夢のまた夢なの。
『うわぁ、いっぱい埋まってるぞ』
『ほんと、人や獣って、お馬鹿だよねーっ』
『手を動かせよーっ、終わらないだろ』
本当に、沢山埋まってるの。
亡骸は兎も角、剣やら鎧は養分にならないから、除けて一ヶ所に集めてるの。
溶かせば再利用出来るし、今後の領地運営にも、役に立つ鉄製品です。
「お父さんなら、亡骸を見つけたら燃やすけど、ミユンに見つかったのが、運の尽きなの」
せめてもの弔いに、大地へと帰してあげるから、立派な作物を育んで下さいな。
『ミユンさまーっ、コレは何処に置いとくの?』
「宝石類は、あの小箱に入れるの」
『ミユン様、コレは?』
「革製品は、加工されてるから、あそこなの」
『変なの見つけましたーっ』
「陶器の破片は、あっちなの」
畑仕事のついでに、こうして仕分けです。
鉄製品以外にも、色んな物が埋まってるから、取り除いておかないと。
「畑に不純物は、混ぜたく無いの」
ここは妖精達に任せて、ミユンは井戸を何個か作らないと。
地下のお水は……いくつか反応が有る。
畑の近くにも、井戸は欲しいから、大体この辺りに作っておけば、利用し易いの。
「先ずは一つ」────ボゴンッ!
拠点の中にも作っておくの。
最終的には、川から水を引き込んで、ファンガーデンの様な上下水道も完備なの。
「早く、作業する人来ないかなぁ。鍛治系の人達が居れば、配管造らせるのに」
あの女王の事だから、お仕事遅いの。
職人や農民が来ないと、村長とミユンだけじゃあ、お話にならない。
『ミユンさまーっ、あっちから誰か来るよーっ』
妖精の一体が何か言ってるの。
あっち……移住者?
違うの。アレは俗に言う、賊なの。
野盗とも言うけど、丁度良いの。
「労働力を、確保出来るの。むふふっ」




