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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
五章 異世界とは機械人形が居る世界

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3話 突然の来訪者.2



「……ドゥシャさん。これ、何?」


「御手紙いっぱいなの」

「ひい、ふぅ、みぃ……数えるのが、馬鹿らしい数の文なのぢゃ」


 領主館に戻って、セーフアースへ逃げる準備をしていたら、ドゥシャさんに引き止められ、執務室へと連行された。


 そこに有ったのは、木箱にミチミチに敷き詰められた、書状の山。


「……東に在する各国からと、南の連邦国からも御座います。ヘラクレス様が、放置されておりました」


「こんな量……何処にあったんだ?」


「役所の隅っこで御座います」


「隅っこに放置って……」


 村長……領主になるんだよね?

 そんな奴が、他国からの書状を放置って、色々不味い状況になるぞ。


 木箱に入っている書状の山から、無造作に取り出して、その中身を読んでみる。


「……うん?」


『我が国に来て、穀物などの栽培をされたし。褒美として────』


 ビリビリッ────「ポイっとゴミ箱へ」


 宛名が和州国だったわ。

 安っぽい木の皮で、巫山戯た内容さようなら。

 あの国は、ケモ耳に優しく無い国だから、二度と行くことは無い。


「んじゃ次は……これにするか」


『ラカス殿へ。拝啓、ますますの活躍との事、お慶び申し上げます。つきまして、十の月迄に御返済頂く予定の、銀貨の御返済が、確認出来ておりません。次の三の月迄に、御返済を頂かなければ、冒険者の資格を、剥奪致しますので、お早い御返済を、お願い致します。冒険者ギルド代表、ネリアニスより』


「督促状じゃん……しかもラカス宛」


「ラカスに渡す?」


「ミルンさんや。院長影さんに、渡して欲しい」


「お灸をめり込ませるの! 了解!」

 ────ドダダダダダダダダダッ!!


 ミルン、楽しそうに爆走して行ったな。

 ラカスの奴、真面目そうに斥候してたのに、何で冒険者ギルドに、借金してんの。


「御返済は、お早めにってか……次はコレか」


『お皿を下さい』


「……えっ、コレだけっ!?」


 結構高そうな羊皮紙に、この一文。

 宛名も何も無く、誰宛てなのかも記載無し。

 ただの悪戯か?


「旦那様。その羊皮紙の印は、南の連邦国家のモノで御座います」


「連邦国家……あのイケメンの国か。あいつが送って来たにしては、やけにお馬鹿と言うか、この一文だけって……分からん」


「ノーザンはあくまでも、連邦国家の一つ。他の国から、送られて来た可能性も御座います」


 連邦国家……一つの主権ってやつか。

 確かあのイケメン、王様じゃ無くて、代表って言ってたもんな。


「……これは放置してっと、次だ次」


 今考えても意味無いし、さっさと書状の山を読み切って、土地開発の続きだな。


「暇なのぢゃぁ。我も見ていいかや?」


「見ても面白いモノ無いぞ?」

 

「構わぬのぢゃ。不要な文が有れば、我が横に除けてやるのぢゃ」

「それで御座いましたら、僭越ながら、私もお手伝い致します」


 ドゥシャさんと、黒姫が、手伝ってくれるのなら、時間はそんなにかからないか。


「お願いします」


「承りました」

「さっさと片付けるのぢゃっ!」




 東に点在する、国々からの書状。

 合計五十二通。

 内、破ったのは五十通。


 南の連邦国家からの書状。

 合計二百十五通。

 内、お皿と書かれていたのが、二百二通。


 ラカスへの督促状。

 五通。


 スパムメールですか?

 この電話やスマホが無い異世界で、二百通以上の書状を送って来るって、どれ程費用がかかると思ってるの?

 なんで皿が欲しいの?

 俺皿売りだと思われてるの?


 あと、このラカスへの督促状。

 商会からの督促状と、冒険者ギルドからの督促状に、道具屋、武器屋、飲食店と、ラカスの借金ヤバいよね。

 合計借入金額、金貨二十三枚。

 分かりやすく、二百三十万の借金だな。


「しかも、飲食店の督促状……ミルンの印付き」


 ミルンの印鑑。

 消費者金融を、裏で営むミルンの為に、ドゥシャさんが張り切って作った、ミルンのお顔が彫り込まれた印鑑。

 手作業で精巧に彫られており、この異世界だけで無く、日本だったとしても、偽造する事は不可能だろう。

 材料が特殊だからな。

 ある男の、スポッと抜ける、角ですから!!


 そのミルンの印の効力。

 簡単な話だ。

 ミルンが、取り立て屋に成ります。


「ミルンさんや。お山にポイは、駄目だぞ……」


「大丈夫なの。しっかり鉱山で、働かせるの」


 いつの間にか、ミルンが帰っていた。

 しっかりラカスへの督促状に目を通し、ニコニコ笑顔でそれを、ス──っと懐にしまった。


「……程々にな?」


「院長がブチ切れてたから、直ぐにラカスは捕まるの。鉱山で一月、休み無く働かせれば、借金なんて無くなるの!」


「……ご飯と休み時間は、与えてやれよ?」


「大丈夫なの。休みは無いけど、一日八時間労働で、三食無料で食べれます!」


 ミルンさん、休み時間は?

 鉱山に監査入ろうかなぁ。

 何だか物凄く、不安になって来た。



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