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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
五章 異世界とは機械人形が居る世界

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2話 稲作は難しい.2



 昼になったので、伐採工事を一旦止めて、領主館に戻り、昼御飯を待っています。


「おー昼っの時間だよーっと」


「お父さんがおかしいの。なんで?」


「魔神様、どうしたっすか?」


 何でまだ影さん居るの?

 朝御飯も食べてたけど、普通に昼御飯も食べる気満々だし、なぜに?


「日々の疲れが溜まってるんです。惨影さんは、何でまだ居んの?」


「そうなのお父さん! もっとウザ子に、注意をするの!」


 ミルン的には、その影さんはウザ子で定着したんだな。俺的には、元気っ子影さんなんだけど、ウザ子か……ピッタリじゃん。


「休暇は今日までっす! 明日になったら、またお仕事なので、勘弁して欲しいっすよ!」


「暗部に休暇って……まぁ良いか」


「良く無いの!?」


「魔神様有難うっすー!」


 休暇は大事だからな。

 いつも何処かに隠れてるんだし、たまには息抜きしたくなる時も、あるわな。


 カチャッカチャ────「ご飯持って来た」


 おっ、昼御飯の到着か。

 口調はあまり変わらんけど、アトゥナもメイドが定着して来たな。


「ドゥシャさんは、まだ帰らないのか?」


「帰ってないぞ」


「ドゥシャは忙しそうなの」


 これは……旅行に行く為に、結構先まで仕事を片付けてると見るべきか、ただ普通に忙しいだけなのか、どっちだ?


「新鮮なお魚っす!」


「……食うか。アトゥナも席につけよ」


「分かった」


「やっぱりお魚の煮込みなの! お父さんの大好物!」


 流石ミルン、俺の好物を見抜いてるのか。

 魚を食べるなら、醤油で煮込む。

 コレが一番旨いんだ。


「はい、手を合わせて……頂きます」


「「頂きます」」

「皆んな何してるっすか?」


「ウザ子もするの! これをやらなきゃ、食べちゃ駄目なの!」

「分かったっす! 頂きまっす!」


 そう言えば……黒姫のやつ、全然帰って来ないな。何処で道草食ってんだ?

 道草食って、どこぞで腹壊してんのか?


「ムグムグっ、お魚美味しいの!」


「……うん、味が染みてて美味いや」


「旨旨っすねーっ、ずっとここに居たいっす」


 ミルンとか、黒姫の存在忘れてそうだな。

 ミユンは村長の所に居るし、黒姫が居たら、多少寂しさも紛れるのに。


「お昼食べ終わったら、ミルンも外の作業、一緒にするか? 田んぼを作る準備だぞ」


「お手伝いするの!」


「分かった、それなら一緒にやるか。アトゥナはどうする? ここの仕事も有るんだろ?」


「俺は無理です。各部屋の掃除もあるし、ラナスとコルルだけだと、不安だからな」


「私は手伝うっすー!」


 ウザ子は付いて来るのか。

 ミルンが睨んで訴えて来るけど、このウザ子なら、断ってもたぶん付いて来ると思うぞ。


「……頼む」


「何故なのお父さん!?」


「畏まりっす! 頑張るっすよーっ!」


 と言う事で、ミルンとウザ子を連れて、戻って来ました南側。なんだけど、こいつは一体、何をしてるんだろう。


「……馬鹿なのか?」

「……お馬鹿なの」

「黒姫様、大丈夫っすか?」


「はっ、腹がっ、尻がヤバいのぢゃぁぁぁっ」


 マジで道草食っていやがった。

 しかも絶賛腹下し中で、尻を押さえながら、踠いているんだけど、何で南に居るんだよ。


「黒姫何食べた?」

 

「この草なのぢゃぁぁぁっ」


「その草、お通じ良くする薬草なの」


「のぢゃぁぁぁっ!?」


 流石ミルン。

 あの川近くで暮らしていただけあって、薬草や毒草に詳しいんだな。


「なあ黒姫。何でこんなとこに居るんだ? ダラクどうしたんだ?」


「今それを聞くのぢゃぁぁぁ?」


「お通じは短時間で治るの。黒姫はお馬鹿さん」


「ミルン助けてたもぉぉぉっ」


「自業自得なの!」


「黒姫様、コレを飲むっすよーっ」


「誰ぞお主っ、んぐ……のぢゃ?」


 ウザ子さんや、黒姫に何を飲ませたの? 物凄い正◯丸の臭いが、するんだけど。

 この臭い苦手なんだよなぁ。

 漢方の独特な香。


「ウザ子、今の何?」


「暗部のお薬っすよ。お通じを止める効能で、三日後に土石流っす!」


「のぢゃあああっ!? それは嫌なのぢゃ! 土石流は地獄なのぢゃ!」


「黒姫元気になったの!」


「三日後に、スッキリ爽快っす!」


 三日後には、黒姫の尻が死ぬ訳だな。

 お手洗いの数、増やそうかな。

 黒姫専用、ウォシュレット付き便座。

 龍が乗っても大丈夫♪


「お帰り黒姫、御苦労さん……」


「本当なのぢゃ! 和土国で呑んで帰ろうとしたら、全て出禁で楽しめなかったのぢゃ!」


「黒姫甘いの。醜態忘れた?」


「頑張ったのぢゃからっ、一杯ぐらい呑んで、帰りたいのぢゃ!」


「それなら家で呑むの。お外では、二度と呑め無い様にするの」


「酷いのぢゃ! ミルンは鬼かや!?」


「犬人なの。鬼じゃないの」


 ミルンの返しが強いな。

 黒姫の方が歳上なのに、立場が逆じゃん。

 いや……前からこんなんか。


「それじゃっ、黒姫も手伝いなさいな」


「のぢゃ? 何をしておるのぢゃ」

「お米の為の土地作りなの!」

「頑張るっすよーっ!」


 黒姫が居るなら、良い感じの戦力になるな。

 龍の姿になってもらって、大きい爪で、更地にした土を柔らかくして貰おう。


「それじゃあ、お仕事再開だ!」




『ところで黒姫さんや』

『何ぢゃ?』

『あそこに落ちてる黒いモノは……なんだい?』

『我の尻から出て来たモノぢゃ』

『……自分で片付けような?』

『のぢゃ?』


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