エピローグ 異世界とは悪魔っ子が居る世界
救護所の設営をした後、この首都に残る住民達に、姫さんからの御触れを出して貰った。
それを伝えるのは、犬人と猫人の隊員。
広い首都内を駆け回り、余す所なく、その御触れを広めた。
『エグル宮殿前にて、炊き出しと、病の者には、無償での治療を行う』
『戦を起こした愚兄、サハロブ・ブリージ・ノゾ・ゴルゾドディアを、今夜処刑する』
『前皇帝、サハロブ・エグル・ノゾ・ドルジアヌが娘、リリトア・ケネラ・リル・パネラシアより。我が愛する民達に向けて』
少ししたら、足取り重くふらふらと、住民達が集まって来た。
戦で疲れ果て、食べる物もままならない状況であるからこそ、最初のうちは、集まるだけで、こっちに寄って来なかった。
だからこそ、こちらから一歩、歩み寄る。
「おらぁっ!さっさと並んで食わんかい! 美味い飯が冷めてまうやろがっ! おいそこん餓鬼っ! さっさと食べて糞して寝えっ!!」
一歩、歩み寄る?
聖女の"せ"の字も無い、鬼のリティナが、住民達に向かって、声を張り上げる。
恐怖でも良い。
仕方無しでも良い。
誰かが一歩前に進めば、後は簡単だった。
「リティナ怖いの」
「無い乳だから、短気なの」
「二人共、今はアレで良いんだぞ?」
今から、数万人の行列が出来るからな。
デスマーチの、始まりだ。
そんなこんなで、数時間が経過。
ミルンとミユンには、畑に出来そうな場所の選定をお願いした。
影さん達は、その護衛だな。
リティナとニアノールさん、アトゥナには、救護所を任せている。
村長と姫さんは、ルシィが来る前に、色々と話し合うみたいだな。
愛の巣に、籠る訳じゃ無いよな?
アレスさんとマロンだけど……ルシィへの伝令を引き受けてくれたが、それが完了次第、旅に出るそうだ。
朕野郎を探す様だけど、執念が凄い。
俺は何してんだって?
アトゥナが上手くやれてるか、確認してるんだよ。
サボりじゃ無い。
決して、サボりじゃ無い。
「次の人、入っても良いぞ」
『すみません。家の娘が……流行り病で苦しんでおりまして……』
『はぁ…はぁ…げほっっっ』
「分かった。少し触るから、大人しくしててくれよっと……どうだ?」
『…えっ…くるしく…ない?』
『あっ、あああああっ! 良かったっ、良かったねぇっ』
「もう大丈夫だぞ。外で炊き出ししてるから、食べて行ってくれよな」
『有難う御座いますっ、有難う御座いますっ』
『おむねの、めがみさま?』
「女神じゃないぞ? 俺はアトゥナだ」
『すみませんっ。ほら、外に行きましょう』
『…ありがとうございました!』
「元気になって良かったな」
アトゥナって、口調は少し悪いけど、普通に出来る娘だよなぁ。
あそこの聖女とは大違いだ。
「こんなんでピーピー泣くなやっ! ニア! 一番痛い薬塗ったれ!!」
「はーい。それじゃぁ、塗りますよぉ」
『嫌だ……待って、儂が悪かったからっ、待ってえええあああ────っ!?』
「煩いねん! さっきの子が耐えれて、大人のアンタが我慢出来へんのかっ!」
『いだあああああああああっ!?』
相変わらず容赦の無い治療だ。
リティナは、スキルに頼り切らず、薬と併用して、上手く使い分けてんのな。
「子供や女性達はアトゥナの列並んで、男達は強制的に、リティナの列に並ばされてる……」
そりゃそうだ。
立派な御胸を持ったアトゥナが、男共を対応したら、下手し男共が発情して襲い掛かり、返り討ちで男が死ぬ。
「リティナなら、ニアノールさん居るし、何か有っても大丈夫だろうしな」
あの朕野郎はどこに居るのか。
ダラクはどうなったのか。
分からない事だらけだけど、もう少し頑張れば、帝国から帰れそうだ。
「疲れたぁ。和土国でのんびりする筈が、結局働き詰めじゃん俺……」
「おーい、流のおっさーん! 少し手伝って欲しいんだけどーっ!」
「流のにーちゃんっ! こっちもやーっ! 薬の在庫切れてもうたわーっ!」
俺、管理職だよね?
辺境伯だよね?
何か……社畜の時より、扱い酷く無い?
「早よ来んかーいっ!」
「早く手伝ってくれよーっ!」
「はぁ……戻るか」
夜になったら、あの半魔の馬鹿の処刑だし、さっさと終わらせて、帰りたいもんだ。
◇ ◇ ◇
「ほらぁ。今、弟さん?の首が、飛びましたよぉ。あのままアソコに居たらぁ、貴方も首だけになってましたねぇ」
『もがぁっ!? ももひゅっ』
「うふふぅ。感謝の言葉ですかぁ?」
『もひゅっ、ひゅっ』
「貴方にわぁ、彼の地で暴れて貰わないとぉ。彼を誘き出すぅ、餌ですねぇ」
『ひゅっ、ひゅっ、えあああっ!?』
「あの魔王が残した手記……貴方のぉ、お身体にぃ、この『魔石』をぉ、ぐりっっっとぉ」
グチュッ────『えあああああああっ!?』
「うーん。定着するのにぃ、時間がかかりますねぇ。神達に見つかる前にぃ、頑張りましょぉ」
『りじゅえっっっるざまあああっ!?』
「大丈夫ですよぉ。死にはしませんからぁ、いっぱい実験しましょうねぇ?」
『いやあああああああああああ────っ!?』
「この魔石とぉ、あっ、アレも入れてぇー」
うふふふっ、楽しみですねぇ。
これにて、四章終了で御座います。
あーとがーきのお時間デスっ!!
おはよう?
こんにちは?
こんばんは?
かみのみさきで御座います。
四章は、如何でしたでしょうか?
だらだらと読むには良いと思うのですが……
『つまらん!』
『面白く無い!』
『もっと尻をだせ!!』
有難う御座います!!!!
今回のお話は、若干リティナの生い立ちをチラ見せしつつ、エロ悪魔族を顕現させる事が目的で御座います!!
嘘です。
嘘吐きました。
御免なさい。
いつか、リティナの奮闘記を書きたいなぁ。
今回のお話は、栄子衰退と、不毛な戦を、裏の題材としております。
和土国では、小国間での争いで、ミユンがぷんぷん怒り気味でしたし、帝国では、後継者争いで民達が苦しみ、国が割れ、死屍累々。
もっと細かく書こうかと悩みに悩んで、グロ過ぎるので、オブラートに包みました。
飢えた人って、タガが外れると、本当に何でも食べますからね?
そんなん書けませんわっ!!
コホンっ、失礼をば。
兎にも角にも豚角煮。
四章これにて、終了となります。
読んで頂いている皆様!
誠に、誠にいいいっ、有難う御座います!
何卒! これからも!
見捨てないで下さい!!
ある程度まで進みましたら、一章から色々と修正をして行きます。
評価、感想等して頂けましたら、禿げが身に成りますので、是非とも、お願い致します。
それではまたの、後書きで。
リシュエル、楽しそうに実験してんなぁ。




