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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
四章 異世界とは悪魔っ娘が居る世界

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パッと見ただのエロ悪魔.1



 ミルンと別れた二日目の朝。

 テントから出て、陽の光を浴びていたら、遠くからミルンの声と共に、土煙が迫って来た。


 ズドドドドッ────『ただいまなのーっ!』


 色々とスッキリしたんだろう。

 それはもう、尻尾の振り具合が凄いのなんのって。ニアノールさんが目で追い切れない程、振りまくってますから。


 何事も無く帰って来てくれて、安心したよ。

 本気でほっとした。

 万が一ミルンに何か有れば……考えただけで、ゾッとするわ。


 今は馬車の中で、軽く報告を受けている。

 御座る影さんに、元気っ子影さん。

 ミルンにミユンが引っ付いて、後は……知らない巨乳が居るんですけど?


「……んで、この巨乳は誰だ?」


「何でだよ!?」

「お父さん、コレがアトゥナなの」

「お胸に何詰めたの?」


「ミルンさんや、嘘はいけないぞ?」


 青の瞳に褐色肌、白髪の目付きが悪いと言う特徴は合ってるけどもだ。アトゥナはリティナと同じ、立派な無い乳娘の代表じゃないか。


「こんな立派な御山は無かっただろ? 服もぴちぴちで、立派な翼が有って……エロ悪魔?」


「殴るぞ流のおっさんっ……」

「アトゥナに欲情したら、玉捥ぎ取るよ?」

「パパの悪い性癖なの」


「その言い方……マジでアトゥナなの?」


「俺以外何なんだよっ!」


「えっ、だからエロ悪魔?」


「だれがエロ悪魔だ──っ!!」

 スパーンッッッ────「痛っ!?」

 

 えっ!? 

 今のアトゥナの一撃っ、頭に受けたら、普通に痛いんですけど!?


「お父さんにダメージ通ったの!」

「アトゥナ何したの?」

「ほぉ、これは凄いで御座るなぁ」

「実験成功っすね!」


「痛ってぇ……実験って何やってんのっ。久々に脛以外で、痛み感じたわ」




「ふーん。ダラクに半殺しにされた後、変なモン飲まされて、マジカルなパワーが乳に集まり、巨乳に成ったと言う事か」


「マジカルって何だよ……」

「お父さん、意味不明なの」

「パパは時々、頭が可笑しくなるの。ミルンお姉ちゃんの玉殴りで、正常に戻すの」


「ミユンさんや、これが正常なんだよ?」


 何飲まされたのかは分からんけど、後でリティナに診て貰うか。

 

「それで、黒姫はダラクとやり合ってるから、まだ戻って来ないと」


「そうなの、黒姫本気で怒ってた」

「魔龍の強さの一端を見たで御座るよ」

「死ぬかと思ったっす」


 黒姫とダラク。

 一対一だけど、どうだろうなぁ。

 ミルンは、黒姫が怒ってたって言うけど、この場所まで余波が無いと言う事は、死なない様に加減してるのか。


「手は抜かないと思うけど……」


 アレで結構、優しいからな。

 本気で怒っているとは言え、殺す殺さないは黒姫判断だし、大丈夫だろうか?


「……戦ってる黒姫が決める事だな」


「そうなの。アトゥナを取り返して、ミルンも一発殴ったから、後は黒姫に任せるの」


「流石ミルンさん、良く分かってんね。それじゃあ一旦馬車止めて、ご飯がてら、リティナにアトゥナの状態を診て貰うか」


「ご飯食べるっ、お肉を所望します!」

「ミユンは豚肉の気分なの!」


「はいよ、豚肉さんね。アトゥナと影さん達はリクエスト無いの? 影さん達には世話になったし、アトゥナも食いたいだろ?」


「拙者達は殆ど、力になれて居らぬで御座る。ですので、御遠『ミルン様と同じやつがいいっす!』……影、貴様っ!」


「良いじゃ無いっすかぁー! お腹すいたっす! 影はお堅いっすねーっ」


 どっちも影だから、言い争っても影影影影。

 頭が混乱するんだよなぁ。


「いやいや、同行して貰ったし。そんな気にしなくていいぞ、御座る影さん」


「ござっ……それでは有難く…」

「ぷぷぷーっ、御座る影っすかぁ?」

「影っ、覚えているで御座るっ」


 狭い馬車内で喧嘩するなっての。

 本当に、濃い影達だよ。


 コンコンッ────「行軍を止めてくれ」

 御者側の板を叩き、指示をす。


『了解! ぜんたーい、止まれえええっ!!』


 それじゃあ、お昼の時間だな。


「ミルン、ミユン、お昼の準備を手伝ってくれ!」

「あいあいさーっ!」

「よーっ、そろ!」


 この二人……どんどん変な言葉、使う様になって来たな。

 一体誰が教えたのか。


「頼むから、汚い言葉は使うなよ……」


 


 流の願い虚しく、既にミルンは、汚い言葉を連発済。


『そう言えば魔神様。少しミルン御嬢様の言葉の件で、ご相談したい事が……』

『御座る黙るの!?』

『ミルン御嬢様、どうしたっすか?』


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