表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
四章 異世界とは悪魔っ娘が居る世界

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

357/415

魔龍の怒り



 ミルンがダラクを殴って、影二人と離れた事を確認した後、転がって行くダラクを足で止めて、少ぉし遊んでおるのじゃ。


「あっ、ほい」


 ドゴォッ────『げぱぁっ!?』


「のーじゃっと」


 メキィッ────『がっはっ!?』


「そりゃっ!」


 ピキキッ────『ぎゃあああっ!?』


 ふむっ、玉蹴りとは違って、そこそこの力で遊んでも良いからのぅ。

 これは中々どおして、楽しいものじゃ。

 衝撃波が地面を抉っておるが、ミルン達ならば大丈夫であろうて。


「ほれほれダラク。飛ばねばこのまま、死んでしまうぞえ」


 ドンッッッ────『ぎいいいいいっ!!』

 

「そうであったのぉ。御主は翼無き魔王。蹴り上げれば、落ちるしか脳が無い、ただの蹴り玉よなぁ」


 ドチュッッッ────『ああああああっ!?』

 

 おやおや。

 残った片腕が千切れおったわ。

 これでは、我の蹴りを防ごうとしても、残った脚だけでは、どうにもならぬの。


「アトゥナにした仕打ちを考えれば、まだまだその程度、不足過ぎるのじゃ」


 ────────ドチャッ!!


 柔い地面では、面白味がないのぅ。

 せっかく高く蹴り上げても、綺麗に脳髄をぶち撒けぬのじゃ。


「ぎぃっ、なんっ、何で…やっ!」


「ほぉ……まだ喋れるかや?」


「何っで! 姉っ、やんっ!」


 ふむふむ。

 アトゥナに魔石のカケラを呑ませたのに、何故アトゥナが無事なのか?

 そう言う疑問かや?


「ダラク御主、哀れじゃのぅ。あの様なカケラ如きでは、どう足掻いても、姉は戻らぬと言うのに」


「っ、何…言うて……」


「我は黒姫。長き時を生きる、最古にして、最強の龍であるぞ? 蓄えておる知識も、貴様の比ではないわ」


「うっ…そや、嘘やっっっ…」


 此奴を、このダラクを、少しでも苦しめる方法を考えておったが……矢張りコレかのぅ?



「ほっと!(ポンッ)黒姫の──っ、簡単魔法講座なのぢゃ! 今の姿でも、御主を瞬殺出来るからしてっ、最後まで聞くのぢゃぁ」



「ぐっぅうううっっっ(ギギギッ)」


 歯軋りが凄いのぢゃぁ。

 歯茎から血が出ておるが、しっかりケアせぬと、入れ歯生活になるぞや?


「さて、先ずは結論から。御主の姉は、どう足掻いでも、戻る事は無いのぢゃ。そもそも、魔石化を発動した場所が、悪かったのぅ」


 魔石化の欠点。

 必ず密閉空間でそれを行う事。

 意識を移す為には、カケラも残さず、塵も残さずに、魔石化した全てを、取り込ませなければならない事。

 

「御主の事ぢゃ。保護した悪魔族達に、その魔石化した姉を見せる為、開けた場所においとるのぢゃろ?」


「っ────」


「沈黙は、是也ぢゃなぁ」


 悪魔族の特徴。

 白の髪に、青の瞳の褐色肌。

 それは良いのぢゃ。

 しかし、リティナ、アトゥナ、ダラク、他の悪魔族達等、容姿までもが似過ぎておる。


「風に乗った魔石の粉が、拡がっていったのぢゃろうなぁ」


 意識やスキルまでは移らぬものの、容姿などの因子を、取り込んだのであろうて。


「目付きの悪い、貧乳娘の出来上がりなのぢゃ」


 では何故、この魔王ダラクは、リティナとアトゥナを姉の娘と言ったのか?

 ダラクの姉は、数百年前に魔石化しておるから、どう考えても可笑しいのぢゃ。


「奇跡と言うのかのぅ。力は戻らんかったが、少しの記憶を、引き継いだ者がおったのぢゃな」


 その者が、リティナとアトゥナの母。

 リティナは、先祖返りとでも言うのか、治癒のスキルを持ち、悪魔族固有のスキルも持った、特殊な例なのぢゃ。


 アトゥナは逆に、悪魔族固有のスキルも持たず、何も持たぬままに産まれた、これも特殊な一例ぢゃな。


「御主の姉が、何故魔石化なぞと言った、禁忌に手を染めたのかまでは分からぬが、自らの子を贄として、戻りたいなどと思うかや?」


「うるっ、さいっ……」


「詰まるところ、御主が勝手に暴走して、馬鹿な事をしているだけ。と言う事になるのぢゃ」


「うるさいねんっ」


「御主の姉も、浮かばれぬのぅ。この様な愚か者の所為で、娘が魔王に変質したのぢゃから」



「っ、うるさいんじゃああああ──っ!!」



 ほぉ……まだ立てるのかや。

 いつもの我なら、その戦意に敬意を表し、命ぐらいは助けるのぢゃがなぁ。


「今回は許さぬよ? 確か和土国に、御主の住処が有るのぢゃったなぁ」


「何をっ、する気やっ……」


「いや何。御主の望みを、粉々にしようかと思っての?」


「はっははっ…場所も知らんとっ、何言っとんねん」


「馬鹿ぢゃなぁ、御主。我の本気の知覚は、流の比では無いのじゃぞ?」


 ドズンッ────『ごあああ──っ!?』


「高く飛んだのぉ。さてとっ、一緒に空の旅でも、楽しむのじゃっ!!」


 高く上がったダラク目掛け、飛び上がり、そのままダラクの横腹を蹴り飛ばす。


 グジュッ────『ゲボはっっっ!?』


「ダラクや、目的地まで、死ぬで無いぞ?」




 黒姫のガチ怒メニュー

 ① 肉体的に、徹底して潰す。

 ② 精神的に追い詰め、更に殴る。

 ③ 相手の大事なモノを、粉々に潰す。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ