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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
四章 異世界とは悪魔っ娘が居る世界

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ミルンとミユンは混ぜるな危険.3



「お腹空いた……ようやく終わったの」


「ミルンお姉ちゃん、お疲れ様なの」


 本当に疲れたの。

 ルトリアも、補給部隊員も、こんなのを毎日してるなんて、感謝しかないの。


 ゴギュルルッ────「ご飯の時間なの」

 オーク、コカトリス、煮干しのスープも、隊員達がお代わりをして、全然残って無いの。


「……お父さんを、起こすしかない」


「ミユンも行くの! パパを一発で起こすの!」


「寝起きのお父さんは厄介なの。寝惚けて変な魔法発動させる前に、必ず意識をハッキリさせなきゃなの」

 

 起こすなら、確実に起こすの。

 下手な起こし方だと、本当に危ないの。

 前に領主館で、メイド見習いの子がお父さんを起こそうとして、寝惚けたお父さんに、危うく豪炎をぶつけらそうになったの。


「ドゥシャが止めなかったら、領主館が無くなっていたの……」


「ミルンお姉ちゃんっ、テントに行くの!」


「分かったの。もうお腹ぺこぺこなの」


 お父さん、すんなり起きて欲しいの。




 お父さんが寝ているテントに到着。

 このテント、内側から閉める仕組みで、一度閉めると、外側から開けられない様になっているの。


「厄介なテントなの……」


「ミルンお姉ちゃんの魔法なら、微塵斬りに出来る強度なの。斬らないの?」


「ミユンは知らないの。このテント、よく分からない素材で出来てて、ミルンの魔法を上手く霧散させるの」


「パパの変な知識で作った?」


「可能性はあるの。だから、魔法じゃ無くて、力尽くでこじ開けるっ」


 その為の特性斧なの。

 お父さんのトラウマを刺激する、豚野郎特製の大きな斧っ!


「ミユン、準備は良い?」


「いつでも来いなの!」


「行くの! せーのっ、『斬っ!!』」


 ────ズバアアアンッ!!

 テントを『縦』にカチ割ったの。

 これなら、お父さんにダメージが入って、しっかり目が覚める筈。


「斬れ味悪いの。流石オークの斧……」


「ミルンお姉ちゃん、パパは?」


「忘れる所だった。お父さーん? 晩御飯下さいなー」


 おかしい……流石のお父さんも、テントがこうなったら、目が覚める筈。

 中には────『なぁ…ミルンさんや?』

 ちゃんと居たの。

 良い感じに斧を避けたみたいで、横に寝転がりながら、万歳三唱してる。


「ミルンさんや? 俺に何か恨みでもあるの? 後少し、気付くの遅れてたら……俺、パッカーンって割れてたよね?」


「冗談は性格だけにして欲しいです。お父さんが、こんな斬撃程度で死ぬ訳無いの」


「パパなら、若干皮膚が裂けるだけで、別に死にはしない威力だったの」


「……俺今、褒められてるの? 貶されてるの? ねえ、どっちなの?」


 お父さんが、面倒臭いモードになってる。

 ここはアレなの。

 普通に無視して、ご飯を貰うの。


「ご飯下さいな! まだ食べてないの!」


「ミユンにも下さいな!」


「話逸らされた……と言うか、もう日が落ちてたのか。俺も腹減ったし、アルカディアスのお魚と、和土国のお醤油で、煮物でも作るか?」


「お魚の煮物!? いっぱい下さいな!」


「平べったいお魚が良いの!」


「平べったいお魚? カレイの煮付けか、良いなそれ。直ぐ作るから少し待っててな」


 流石ミユンなの。お魚の煮物と聞いて、直ぐにお魚の種類を指定したの。

 平べったいお魚は、骨は面倒だけど、煮付けにすると味が染みて、白米に良く合うの。


「お父さん! 白米も下さいな!」


「ミユンも白米食べたいの!」


「白米か……和土国で大量に買ってるし、今回は特別だぞ。研究用に幾らか、残さなきゃならないからな」


「分かってるの。足りない分は、お魚沢山たべるの!」


「稲なんて、ミユンにかかれば豊作間違い無しなの。ファンガーデンに帰ったら、唸る程作ってあげるの」


「唸る程って……まぁお米なら、ちゃんとした温度管理すれば、数年は保つからな。作る分には問題ないか」


 後はのんびり待つだけ。

 お父さんは、性格は色々あれだけど、作るご飯はとても美味しいの。


「お魚楽しみ!」


「ミルンお姉ちゃんに同意っ!」


 いっぱい働いたから、いっぱいご飯をお腹に入れるの!

 ここの隊員達には悪いけど、新鮮なお魚は、ミルンとミユンのモノだから、分けてあげられません。


「あんっ? ミルンやないか。流にーちゃん何処おるかしらんか?」


「リティナ? 今向こうで、ミルンとミユンのご飯を作ってるの」


「マジか、丁度ええやん。ウチも食いそびれてな、一緒に食ってええか?」

 

「……白米は駄目なの。お魚なら良いの」


 まだ白米は少ないから、たとえリティナと言えども、あげるわけにはいかないの。


「怖い目すんなやぁ。白米?は要らんよ、お魚だけで充分や。ニアとアトゥナも呼んでええ?」


 人が増えるのっ……その二人なら、別に問題ないの。


「大丈夫なの……」


「ミルンお姉ちゃん……白米護るのに必死過ぎなの。お家に帰ったら、嫌でも毎日食べれる様になるの」


「ミユン。それはそれ、これはこれなの」


「二人して、何の話しとるんや?」


 白米の話です。

 お米は貴重だから、分けてあげられないの。




 危うく流が真っ二つ♪

 実際に当たってたら、どうなっていたのか……

 

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