表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
四章 異世界とは悪魔っ娘が居る世界

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

336/412

ミルンとミユンは混ぜるな危険.1





 晩御飯の準備なの。

 補給部隊の面々が、天幕の下に調理器具を並べて、色々やってるけど、それを全力お手伝いします!


「お仕事下さいな!」

「ミユンにも下さいな!」


『おっ…ミルン御嬢様、ミユン御嬢様。そのぉ、お二人に頼める仕事わぁ……』


 何か嫌がられてるの。何で?

 ミルンはお料理のお手伝いがしたいの!

 摘み食いはしないの! 

 味見するだけなの!


『(うぅっ…圧が凄い)……ルトリア様に、許可をとって頂ければっ』


「分かったの。ルトリア何処に居る?」

「ミルンお姉ちゃん。あそこでルトリアが、炊き出しの準備をしているの」


 あんな所で準備してるの。魔法小隊の隊長なのに、意外としっかりやってるの。

 ルトリアに許可を貰って、さっさと晩御飯の準備をしないと、お腹が空いて来たの。


「ルトリア──!」

「お胸の人──!」


「──? ミルンさん、ミユンさん。今どちらか、変な事を言ってませんでしたか?」


「「言ってないの」」


「……それで、何の御用でしょうか?」


「お仕事下さいな!」

「ミユンにも下さいな!」


 ルトリアとは、知らない仲じゃないの。

 アルテラ教に寄付金も納めてるし、私が真面目な事を知っている、立派なお胸の人なの。

 

「仕事ですか……」

 

「そうなの。あそこの補給部隊の人に聞いたら、ルトリアの許可が、必要って言われたの」

「だから許可を貰いに来たの。ミルンお姉ちゃんだけだと不安だし、ミユンにも下さいな」


「(あの隊員……)申し訳御座いませんが、私では許可が出せません。領主様か、領主代行の許可が必要になります」


 さっきあそこの人に聞いて来たのに、ルトリアは許可が出せないの?


「あの男、嘘吐いた?」

「嘘吐きは、舌を引っこ抜くの」


『ひっ!?』


 ミルン達の視線を感じて、震えてるけど、震える程ミルン達は怖く無いの。

 舌を引っこ抜いて、リティナに治療させてを繰り返すだけなの。


「「だから優しいの」」


「やめて下さい二人共! 彼は命令系統を順守しただけで、何も悪くは御座いません」


 そうなの?

 確かに、この場所で一番偉そうなのは、ルトリアみたいなの。

 でもルトリアには許可が出せない…なんで?


「不思議ルールなの」

「お手伝いするのに、許可が必要なのは何で?」


「お二人の御立場を御考え下さい……」


「ここは戦場なの。使える者は何でも使うが、お父さんの教えなの」

「パパなら『お手伝い?良いんじゃね』って絶対言うの。暇だから手伝うの」


「流さん…教育間違ってませんか…」


 お父さんの教育は、一割ぐらいなら参考になるの。他は変な知識?だから、あまり参考にならないの。


「と言う事で、お手伝いするの」

「お芋の皮剥きでも、お肉の解体でも、何でもするの」


「……分かりましたわ。それならば、あそこの干物を、お湯で煮込んで下さい」


 干物を煮込む?

 あれは……アルカディアスのお魚なの。

 成程! 出汁の素なの!


「分かったの! 出汁をいっぱい取るの!」

「寸胴鍋が沢山あるの。ミユンも頑張って、旨い出汁をもちゅもちゅするの!」


「もちゅもちゅは駄目ですよ!? ミルンさんとミユンさんが摘み食いしたら、兵達の食料が消えてしまいます!」


 流石のミルンでも、数千人分のお食事は食べれないの。何か誤解されてる……何で?


「ミルンお姉ちゃんの、日頃の行いの所為なの」

「失礼なの。美味しくご飯を頂いて、残さず食べているだけ」


「それじゃあお願いしますね」


「任せて! ミルンの腕前お見せするの!」

「じっくり煮込むの! 出汁取るの!」




 寸胴鍋を、石と石の間に置いて、樽から大量のお水を入れる。

 煮干しと言われる小魚の干物を、大量にぶち込み、火をつけて、灰汁が浮かんできたら、お玉で掬ってポイ。


「お野菜もぶち込むの!」

「ミルンお姉ちゃん、コレも入れるの」


「なあにそれ? コカトリスの骨?」

「絶対旨い出汁が取れるの。前にパパが、『鶏ガラ豚骨味噌醤油』って、変な呪文唱えてたの」


 絶対旨い奴なの。

 それを入れるなら……別の寸胴鍋で煮込んで、後で合体させるの。


「あの寸胴鍋使うの。一瞬に煮込むより、後で味の調整をしながら混ぜるの」

「分かったの! ついでにオークの骨も煮込んでみるの!」

「沸騰しないように、火加減にも気を付けないと駄目なの」

「了解!」


 良い香りがお鼻を刺激するの…じゅるりっ。

 でも、これはただの出汁だから、飲んでもお腹は膨れない。


「ミユン。オークの骨と一緒に、お野菜とお肉も一緒に煮込むの。お肉が柔らかくなって、食べやすくなる筈なの」


「入れてみます!」


 じっくりコトコト、美味しい出汁を完璧に作るの!!




 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ