表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
四章 異世界とは悪魔っ娘が居る世界

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

325/417

大きな玉を潰しましょう



 苛々全開豪炎ブッパで、開幕速攻潰してやるわっ、ふははははははっ!!

 そう思い放った豪炎。

 周囲の部隊に被害は出ておらず、良い感じに魔王を炙っている。


『いばぁあああああああああ──っ!?』


 見ていて楽しいモノじゃないけどね。

 火を消す為に暴れているが、ダイレクト豪炎なだけあって中々消えず、どちらかと言うと、動き回るたびに火が強くなってるよね。


『っっっ、ガァアアアッ!!』──ブシュッ!


「成程……血は水か。良くそんなので火を消せるもんだ」


 全身から血を噴き出すって、この魔王……どんなスキル持ってるんだ?

 さっき俺の頭を掴んで、何かしようとしてたけども、不発だった様だしな。


「ぐうぅぅぅっ、熱いじゃないのよっ。お陰様で少し冷静になれたわぁ」


「全裸で冷静になるなよな。前ぐらい隠せよ気持ち悪い……おっさんそれ犯罪だぞ」


「お前がやったやったんだろがぁあああっ!! 糞糞糞っ、あの餓鬼と言いお前と言いっ、私の邪魔ばかりしやがってぇえええっ!!」


 あの餓鬼? 何で餓鬼? 

 誰か他に居るのか……こいつ青髭濃いなぁ。

 うむぅ、この魔王にどう対処するか。

 豪炎なら撃ちまくれるけど、周りに被害出したら洒落にならんし、下手に違う魔法撃つと…ミルン砲発射! 国境が消えました! 


「ってなったら……やばもんなぁ。魔王レベルの相手だから、緑化魔法でセーフアースに行ってらっしゃい出来んし……」


「何ごちゃごちゃ言ってるのよ──っ!」


 肉弾戦? 顔面狙いの一発だな。

 何かスローモーション見てる様で、気持ち悪いぐらい遅い。


「これ『きぃっ!』なら『糞っ!』避け『何で!』れる『当たらないのよ!』なぁ」


 目、鼻、腹、腕と、次々に拳や蹴りを放ってくんだけど……やっぱり遅い。

 遅いんだけど……これは膠着状態だな。

 

「がはっ、はぁ、はぁ、避けてばっかりで攻撃して来ないのねぇっ。馬鹿にしくさって……」


 違うぞ青髭のおっさん。俺の力のステ低いから、殴っても意味無いんだ。なんて言える訳無いっての。

 魔法を撃ちまくれば、間違い無く灰に出来るんだろうけど、この場所も消えちゃうだろうし、どうしたもんか。


『──流君っ!』

『魔神様!』


 おっ、村長走って来てるじゃん。

 これなら、無駄に魔法発動しなくても、筋肉村長に──『っ舐めんじゃ無いわよぉおおおっ!』──うおっ!? 速くなったぞ青髭っ!


 ゴスッ──「入った! 痛っ!?」

 うんうん、良いパンチが腹に当たったな。でもね、何で青髭が痛がってんだって話だよ。


「防ステ仕事してるなぁ、有難い……」


「ぐぅぅぅっ、再生しないじゃないのよ!!」


「再生? だから火傷も消えたのか。羨ましいスキル持ってんねぇ、北の魔王は」


 再生すんのに条件が有るみたいだな。結構弱ってたし、村長が先にボコってた?


『歩兵部隊! 機動部隊は奴を囲め! 近付くと何が有るか分からぬ! 距離を取って牽制するだけで良い!』


 おぉー村長ちゃんと指揮してんじゃん。

 脳筋だから無理かと思ってたわ……メンゴ!


「近付くと危ない…再生…なーんか、昔見たアニメの再放送で、そんな敵居たなぁ」


「糞糞糞糞糞っ! 私の実験をじゃましくさって、邪魔なのよ貴方達っ!」


「邪魔なのはそっちだろ青髭全裸。ってか、何で魔王がここに居んだよ。お前アレか? 戦仕掛けて来た張本人か?」


「不細工は嫌なのにっ、踏み潰してやるわ……」



   ────ピキッピキップチュプチュ────



「……テンプレ守る魔王だなぁ、全裸でデカくなるなよ。アレがぶらぶらしてんじゃん」


『総員距離を取れぇえええっ!』


『ヘラクレス!魔法使いと羽人で攻撃させろ!』


『分かっておるっ、魔法小隊! 航空部隊! あの化物を撃てぇえええっ!』



   ────プチュプチュチチチチチッ────



 どこまでデカくなるんだよ、砦の高さ超えたんですけどこの青髭。

 魔法やら矢やらが当たってるけど、効いた感じしてないな。


『フゥゥゥゥゥゥッ……ガァアアアアアアアアアアアアアアアアアア────ッ!!』


 うるせぇえええっ、耳痛いなこのっ、馬鹿な声量披露ってか? 


「村長!! 航空部隊退避しろー!!」


『流君何をするっ、航空部隊退避ぃいいいっ! 急げぇええええええっ!!』


 さっすが村長、分かってるぅ♪

 ここまでデカくなるなんて、この魔王は頭が悪いんじゃないか。

 

『ジネェエエエッ! ジアズドールノマオオオオオオオオオオウッ!!』


 足上げるなよ玉が見えてるぞ…汚いデカ玉。

 踏み潰す気かぁ。馬鹿だねぇ、前より動き遅いじゃん。


「へんーしんっ! 『全力威圧っ!』」


 角がニョキっと服が鎧に早変わり♪

 虹色お目々で全裸を見るよ♪


『ガァッ!? アッ……アアアアアアアッ!!』


 恐怖で固まる青髭さんに♪

 

『デヅヤァアアアアアアアアアアアアッ!!』


 とある魔法をプレゼント♪


 デカくなった分射角が取れるからね。

 確か黒姫の魔法って、黒い火だったよな。


 手に黒い火が灯る事をイメージして、狙うはあの、ぶら下がり万歳のデカ玉。


 ミルンなら、喜び勇んで潰す玉……あっ、また違うイメージしちゃった。

 まぁ良いか、ほいっと発動!!


 手の平に黒い火が灯る。

 その灯った黒い火を、今まさに俺を踏まんとしている青髭に向けると──黒き炎を身に纏うミルンが──発射された。


 狙うは巨大な玉。

 足を上げて無防備にぶら下がる、巨大で汚い黄金の……玉。


『ヴェッ、イバァアアアアアア────ッ!?』


 青髭は気付いた様だな。

 巨大な手で、自らの玉を護りやがった。

 だが……甘い。甘過ぎる。


『ぬぅうううううううううううん(ドンッッッ)』

『アッッッアアアアアアアアアアアッ!?』


 ミルンはね、手ごと玉を潰すんだ。本気で玉への執念が凄い。

 しかもそれは魔法……打ち上がるぞ。


『ぬぅうううううう────ん(ドゴゴゴッ)』

『いばあああぁぁぁぁぁぁ────────』


 玉デカい、汚い漢が、空行くよ。

 パンと弾けて、汚い花火。

 

 黒いミルンが光り輝き────轟音と共に青髭魔王を爆散させた。


「たーまや──ってか?」


 玉だけに! 

 親父ギャグか……歳食ったなぁ…俺。




 哀れ…北の魔王……

 でもまだ朕朕野郎が残ってるんです。

 玉の次は朕……

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ