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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
四章 異世界とは悪魔っ娘が居る世界

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急報と軍編成



「殴られた分は返さないとなぁ……ミルンとミユンは黒姫と話してるし、跨ったままだから分からんだろうなぁ」

『にっにに兄さんは節操無しかぁ!? ウチに何をする気やっ……まさかっ正気か兄さん!?』


 正気も正気!

 御手手わきわき!

 その無い無いを少しでも大きくしてやんよ!

 魔神の力、とくと味わうが良い!!

 

 後少しだったんです。

 無い無いでも良いかな? 

 結局お店で遊べてないし、良いかな?

 良いよ!

 そう思って、全力でわきわきしようとしたんです。

 そしたら──『流殿っ! 一大事に御座る!』

 姿が見えなかった影さんが急に現れて、後少しだった所を邪魔されたんです。


「……何でだよ後少しなのに! 俺だって男なんだよぉおおおおおおっ!!」

「っ、助かったわぁ……威圧解けてもうたやん」


「流殿! 至急ジアストールへお戻りを! 北の帝国が攻めて来たで御座る!」


 ぐぅぅぅ糞ぉ……はっ? 今なんて?

 悔しくて良く聞いてなかったな……何か凄い不穏な事言ってた様な。


「影さん、今なんて言ったの?」


「っ、ジアストールが攻められて居るで御座る! 王都よりヘラクレス殿に一報が入り、軍を編成して北の国境へ援軍に向かったとの事! 雲では無く影からの知らせにて、間違い無いで御座るよ!!」


 北……あの世界会議で。朕朕言ってた奴が攻めて来たのか? 確か北はドロドロの内乱状態で、他国に攻め入る余裕なんて無かった筈。


「ふっふふ、何やウチには好奇やないか。早よアトゥナ置いて、助けに行ったらええんとちゃうかぁ兄さん?」


 何でアトゥナ置いて行く前提……一人なら早く向かえるぞって事か。


「いや、帰るだけなら一瞬だし、アトゥナを置いて行くつもりは無いぞ? 黒姫! 『なんじゃ流?』この魔王見張っててくれ! 俺は影さんに詳しく状況を聞く!」


「ほっ、お安いご用意なのじゃ。魔王よ、大人しくしておけば、危害は加えまいて」


「化物が、なんで化物の言う事聞くんや……」




 凹んだ地面から這い上がり、ミルンとミユン、アトゥナを呼び付けて、傘音技も加わり、再度影さんに聞いてみた。


「影さん、もう一度詳しく報告を頼む」


「御意。先程、影の一人のスキルにて緊急の知らせが入ったで御座る。北からの侵攻にて、国境付近で戦との事。王都からファンガーデンへの援軍要請が有り、ヘラクレス殿率いる軍が、国境に向けて進行中で御座る」


「有事の際にと思って作っておいた、マニュアル通りの部隊編成か?」


「そこ迄は分かりませぬ。知らせをして来た影も、結構慌てていた様で御座るしな……」


 慌てる影さんってのも居るんだな。

 筋肉村長、ちゃんと部隊編成出来てんのか?

 不安になって来たな。

 俺が考えて伝えておいた、人間や獣族の特性を活かした部隊構想。

 現代戦の異世界版って所だ。

 流石にミサイルとかドローンとかは無いから、一昔前のって枕言葉が付くけどな。


 斥候工兵部隊──犬族を中心とした、所謂鼻が効く種族で構成された、偵察部隊だ。

 暗闇でも目が効き、主に敵の戦力の把握や、侵攻方向の確認、補給路の確認、罠の設置等が任務となっている。


 航空部隊──羽人族を中心に構成した、航空弓兵部隊だ。高高度から矢を射る事によって、重力を利用し、鉄をも貫く威力となっている。

 又、油の入った容器に火を付け、簡易的な焼夷弾を落とす役割や、空から敵のリアルな情報を集め、報告すると言った役割も持つ。


 機動部隊──馬人族を中心に構成した、陸地での機動力を高めた部隊。

 背には猫人族が乗っており、その身軽さと馬人族の機動力が合わされば、鈍足な兵など意味を為さずに肉塊となる。


 歩兵部隊──器用貧乏な人間を中心とした、所謂マルチ部隊だ。

 しかし、歩兵部隊と侮って居ると、痛い目を見る事になる。

 なぜなら、歩兵部隊=主力部隊だからだ。

 攻めの部隊は、魔龍の川の奥にある山々に住まう『オーガの雌』であり、並の武器では傷一つつかない屈強な女性達である。

 それをサポートするのが人間の部隊であり、その隊長を務めるのが、筋肉村長こと、ヘラクレス筋肉と言う訳だ。

 

 救護部隊──リティナがリーダとなり、歩兵部隊の後方で待機する、鼠人で構成された部隊だ。

 小さい体を活かして、あっちやこっちやと薬を運び、その愛らしい姿から、軍全体のマスコットとしての役割も持つ。


 補給部隊──随分前に乗った、リティナの馬車を参考に設計した、重装甲馬車のマッスルホース部隊である。

 軍を維持する為に、絶対になくてはならないモノである、食料や水を運ぶ重要な部隊であるからこそ、他の部隊には無い特徴がある。

 その馬車に同乗する者──皆んな大好き、異世界あるあるの魔法小隊である。

 人族で構成された小隊であり、アルテラ教神官ルトリアをリーダに、遠距離では魔法をぶっ放し、近距離ではマッスルホースが大暴れと言った、ロマン溢れる部隊へと作り上げた。

 

「ファンガーデンの守りを考えたら、連隊編成して約千二百程か……」


 魔法使いがもっと居れば、部隊の幅も広がったんだけど、やっぱ魔法使い少ないわ。

 これはどうしようも無い。

 

「さて……さっさと向かいたいんだけど、あの魔王が邪魔だよなぁ。放置したらヤバそうだし、どうしたものかね……」



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