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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
四章 異世界とは悪魔っ娘が居る世界
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間話 酒は呑んでも呑まれるな.3



 傘音技に黒姫の解放をお願いしたら、あれよあれよとスピード解決。

 マジで行動が早いのなんのって、直様黒子を呼びつけて、黒姫が馬鹿な姿で寝て居た酒蔵の店主を拷……事情を聞き、売り払われた先の妓楼の亭主を呼び付けて問い詰めた。

 酒蔵の店主は、黒姫を売り渡す際に証文を捏造した様で、亭主はそれを信じて買い付けたと判明し、直ぐに解放めでたしめでたし……で終われば良かったんだけどね。


 酒蔵の店主は、他国からの来賓を辱め、和土国の恥を晒したとして、店主はミノ引きの刑となり、一族郎等墨入れの刑だそうだ。

 妓楼の亭主も、亭主でありながら証文を見抜けず、愚かな行為に手を貸したとして、鞭打ちの刑となる予定だ。


 これがたった一夜の出来事なんだよ……普通は有り得ないよなぁ。

 んで、朝になってから黒姫を取っ捕まえて、城へ連行して、傘音技の前に座らせている。勿論正座でだ。


「でだ黒姫……お前にお咎めが無いのは、可笑しいと思わないか?」

「……我の所為なのかや? 我は酒を呑んで居ただけなのぢゃ! 誘拐する奴が悪いのぢゃ!」


 ほぅ……間違っちゃいないがな、酒に溺れて酒蔵の酒を呑み干した、大馬鹿者の台詞じゃ無いよね。それは間違い無く、こっちの落ち度だぞ黒姫。


「ミルンとミユンはどう思う」

「黒姫ギルティなの、有罪なの」

「黒姫お姉ちゃんだけ呑み歩いていたから、何か罰が必要なの」


 結論、黒姫は同罪とまでは言わないけど、何某らの罰は必要だわな。


「と言う事でだ、和土国代表! 傘音技珠代殿に申し上げる!」

「っ!? 急に何ですの流様っ!」


 急にメンゴ。

 だって置物の様に俺達の会話聞いてたからさ、ちょっとばかし目を覚させてやろうと思ってさ。


「この度の出来事っ、此方にも非がある事は明らか! ならば此方の非で持って、今回関わった狼藉者達の、減刑を所望致しますが如何か!」


 和土国は小国であり、今回起きた出来事も直ぐに話が広がるだろう。

 他国の者の為に、自国の者を罰する。

 犯罪者なのだから当たり前だ。

 当たり前だが、実際はどうだろうか。

 姫様が自国の民を切り捨てた!

 これは他国の謀略だ!

 何故姫様は、我々を守ってくれない!

 この様に、騒ぎ立てる馬鹿が絶対出て来る。

 必ずだ。

 和土国民の、面子の問題だな。

 それは非常に面倒臭いし、だからこその減刑だ。


「流様……有難くそのお話、お受け致しますわ。お心遣い感謝致します」


 良しっ! これなら遺恨も残らないし、後はコイツの額を畳に擦り付けるだけだな!


「黒姫……まず傘音技に土下座して、後で酒蔵の店主にも土下座させるからな」

「のぢゃっ!? 何故なのぢゃ! 今正に我の罪消えたの『黒姫謝るのっ!』ぢゃぷ!?」


 流石ミルン、黒姫の後頭部掴んで、畳に顔面ダイブさせたな……グットだ。


「黒姫お姉ちゃん!ちゃんと謝るの! 謝らないと……錫杖でお尻を刺すの!!」

「ミユンさんや、錫杖は神聖な物だから、それで刺したら絶対駄目だぞ」

「何故我が……のぶっ、これミルン! 畳にぐりぐりは止めるのぢゃ!」

「黒姫が迷惑かけたからなの、お仕置きです」


 黒姫さんや、まだ理解してない様だな。

 減刑は和土国の奴等だけで、お前の罪を無くすとはいってないぞ。


「黒姫……今後和土国内での一人呑み禁止の上、常時監視で影さん付けるから。これ、決定事項な」

「のぢゃっ、一人酒禁止ぢゃと! 流は横暴なのぢゃ嫌なのぢゃ自由に呑みたいのぢゃぁあああ!」

「黒姫駄目なの! 本来なら禁酒にされても文句は言えない!」

「黒姫お姉ちゃん我儘……」


 まぁこれで、良い教訓にはなるだろう。

 さてっと……水路作りでも再開しようかね。んで、また夜にこっそりとだな。


「お父さんは今夜からミルンと寝るの」

「右はミルンお姉ちゃんで、左はミユンなの」

「……はは、嬉しいなぁ……」


 ミルンとミユンの目が……怖いなぁ。

 察しが良すぎて泣きそうです。

 

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