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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
四章 異世界とは悪魔っ娘が居る世界
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間話 酒は呑んでも呑まれるな.2



 俺は、馬鹿な理由で花街に売られた黒姫を解放するため、取り敢えず傘音技に伝えて、何とかして貰おうと城に戻った。

 しかしだ、俺はこっそりと城を抜け出しており、時間が経てばそりゃバレる。

 誰にバレるって?

 それはね……通用門を塞ぐかの様に立っている、阿吽像様な御姿の娘達にさ。


「お父さん……遊んで来た?」

「パパ……お早いお帰りなの」


 ミルンの手には、何かを潰す為の輝く杵。

 ミユンの手には、立派な錫杖

 これはあれだ……誤魔化せねば軽く死ねる奴だよね。


「ミルンっ、ミユンっ、聞いてくれ……誤解が有りそうだから言っておくが、俺は遊んで無いぞ! そんな事よりも大変なんだっ!」

「すんすん……確かに女の匂いはしないの」

「でもこっそり出ていったの、何で?」


 いけるぞっ! 誤魔化せっ! 誤魔化して乗り切れ俺っ! 


「くっ黒姫が見えなかったからっ、迎えにっ、そう迎えに行ったんだ! そしたらあいつ、何でか花街でとっ捕まってたから、傘音技に相談するため急いで戻って来たんだよ!」

「ふーん黒姫が……」

「黒姫お姉ちゃん捕まったの……」


 どうだ……『んぐっ』……誤魔化せたか?

 ほんの少しだけしか嘘吐いてないし……実際遊べてないからセーフだよな? 頼むからセーフでお願いします!!


 あぁ、手汗すっごいわ……無表情で黙り込む二人怖えぇ。


「ミルンお姉ちゃん、どうでしょうか?」

「お父さんの口癖が、『嘘を吐くなら、真実九割、嘘が一割だな』だから、絶対黒なの」


 俺の教育の賜物だよね!

 俺のバカァアアアアアアアッ!!

 ミルンの前で色々披露して来たら、そりゃあ学習しますよね! ミルン普通に頭良いケモ娘だからね! 詰んだかなぁあああ!?


「でも、臭いしないから未遂なの、ミルンは優しいから許します(ドゥシャに襲わせるの)」

「ミルンお姉ちゃんパパには甘いの。ならミユンも許すの(シャルネをけしかけるの)」


 何だろう……二人の心の中が見える気がするよ。だって顔に出てるし、目が本気なんです。


「有難う娘達っ、じゃ無くて! 傘音技に会いに行くぞ!」

「絶対ドゥシャと結婚させるの……」

「側室にシャルネなの……」


 うひぃっ!? 声にだして宣言やめれ!?





「姫様! 姫様ぁあああ! 一大事に御座います故失礼っ!」


『何ご』────スパァアアアンッ!!

「戯け者! 誰が入って良いと言──流様!?」

「お父さん見ちゃ駄目! (ゴッ)『ぬぃっ!?』」

「なぜ裸なの! 早く服着るの!」


 おっ、おいミルンさんっ……杵で脛を打つのは反則だってっっっ、防ステ高いのに糞痛いんですがっ!!


「ミルン様にミユン様まで……何事ですかこんな夜更けに」

「良いから早く(ゴッ)服を着るの(ゴッ)」

「ミルンさんや……脛を押さえてしゃがんで居るのに、容赦無く俺の顔を杵で叩かないで下さいな。目を閉じてるから早く服着ろ傘音技!」


 顔は打たれても痛く無いのに、脛はまだ痛いんですけどっ! どう言う仕組みだよこれ!?


「分かりましたわ……これで宜しいでしょうか」

「まだなの! それじゃあ透け透けだから、そこのお布団も巻くの!」

「早く(ゴッ)するの(ゴッ)じゃ無いと(ゴッ)お父さんが(ゴッ)説明出来ないの!」

「…………心が痛い」


 ミルンさん容赦無いぞ……絶対怒ったままじゃん許して無いじゃん。


「(もそもそ)なぜ姫たる私が……」

「それで良いの、お父さん説明!」

「パパ早く説明するの!」

「分かってるからっ、怒るなよぉおおお!」


 二人共杵と錫杖持ったままだし、アレか? 俺は何か悪い者に憑かれてるとでも? 今までで最大の怒り具合なんです泣くよ俺!?




 そんなこんなが有りつつも、本気で和土国滅んじゃうかもね、どうする? と傘音技に説明しました。


「────と言うわけで、何か知らんが黒姫が花街でぷにぷにしてたんだ……このままだと和土国滅ぶぞ?」

「…………」

「おっぱい気絶しているの……」

「ミルンお姉ちゃん、この女はお尻なの」


 二人共何と言うあだ名を付けてんだよ。

 せめて、名前の前に付けなきゃ駄目だろ。


「ミルン、ミユン、あだ名はしっかりと決めなきゃ駄目だ。傘音技なら──エロ将軍だな!!」

「流様それだけは断固反対致しますわ!?」


 ほら、意識戻って来た。

 ショックで放心したなら、それ以上のショックを与えれば、一周回って回復するからな。


「流石お父さんなの……傘音技エロ将軍」

「城下に流せば、一瞬で定着しそうなあだ名なの」

「ミルン様ミユン様も! それだけは成さらない様お願い致します!!」

「「……分かったの、でも保証はしないの」」


 おぉ……二人がシンクロしたな、中々冴えた返答だ。


「と言う訳で傘音技エロ将軍……頼むから黒姫、解放してくんない?」

「あなた方はっっっ、直ぐ解放させますから広めないで下さいましっ!!」


 そうそう、なる早でね。

 じゃないと、黒姫怒ったら和土国終わるから、俺ら全力で逃げるぞ。


「「早くするの! でも保証はしないの!」」


 二人共……変なスイッチ入ってないか?


 

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