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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
四章 異世界とは悪魔っ娘が居る世界
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和土国流のおもてなし?.3



 さてさて、あのお城に行きたいんだけど、流石に造りがちゃんとしている。◯◯城だなぁと思った通り、歴史の教科書で見た様な感じの攻め辛さだぞ。


「輪郭式だったか……まさか異世界で見れるとは思わんがな」

 

 普通は平地に作る筈なのに、段々で石垣プラス池で囲って、行き辛いっての。しっかり二の丸三の丸で見張り居るし、なんなら槍構えて待伏せしてるな。


「変な作りなの、ジアストールのお城より攻め難いです!」

「何で池で囲って……魚泳いでる!」


 娘二人が楽しそうだ。

 まぁ、俺も少しだけ楽しい。日本では引き籠ってばっかりだったし、お城なんて修学旅行以来だからな。

 入ろうとしたら牢屋直行だったけど、これならもう少し滞在して、見てみるのも有りだな。


「あそこの橋を渡った先で待伏せしてるぞ。俺はセーフアース送りしか出来ないから、ミルンとミユンに任る! やってお仕舞いなさい!」

「がってんなのお父さん!」

「ミルンお姉ちゃんから知らない言葉が!?」


 本当にね、どこで覚えて来るのやら……町歩き中か? 


「ミルンは何でも吸収するのぢゃな、我でも知らぬ言葉を知っておるのぢゃ」

「……龍なのに知らないのか、流石のぢゃ子」

「龍でも知らぬ事はあるのぢゃ! 流行り廃りは早いのぢゃ、覚えきれぬし面倒ぢゃ!」


 要は覚える気が無いって事だよな、長生きなのに勿体無い……逆に、知ってる事って何なんだろうか。


「なあ、流のおっさん。アイツらこっちに向かって来るけど……問題なんて有る筈無いか……穴に落とされてるし」

「ミユンを舐めちゃめっなの! 離れてても落とし放題です!」

「ミユン! ミルンの分も残して!」


 ミルンさんや、そんなに焦らなくても、おかわりは沢山来るから大丈夫だぞ。アイツら次から次へと諦めずに来てるし、状況理解出来てないのか?


「穴に落ちた奴等を助けようとしてるのか……無理だって、ミユンが居るからな」

「落としてっ、落としてっ、更に落とします」

「むぅぅぅ、ミルンの出番が無いのっ」


 うん、落とし放題だ。

 穴に落ちた奴を助けようにも、助けに来た奴も落とされるから意味無いぞ。


「ほんじゃ、進むとしますかね」

「次ミルンの番! ミユンはお休みなのっ!」

「分かったの、お姉ちゃんに譲ります」


 それだと乙女を量産してしまうな、三の丸の兵達……御愁傷様だ。


「ミルンや、玉潰しは程々になのぢゃ。このままぢゃと面倒に成るからの」

「この中じゃ、黒姫さんが一番まともなのかなぁ……」

「アトゥナ、騙されるなよ。お前の肩に乗っている黒姫が、一番ヤバいからな」

「我はヤバく無いのぢゃっ! お主と一緒にするで無いのぢゃっ、ぷんぷん!」


 ぷんぷんて、口で言うなよのぢゃ子さん。

 あっ、門閉められた……のんびりし過ぎたかな。


「見張り台からこっち見てるの、石なげて落としてみる! えいっ──(ボヒュッ)」


 何今のボヒュッて音、音速超えた?

 顔面直撃して普通に『あああああっ!?』って落ちていったじゃん、可哀想に。


「ここを開けるの、(ドンドンドンッ)開けなきゃ壊して土の肥料にするの、(ドンドンメギッ)」


「ひっ!? きっお主等は何奴だっ! あの様な人外の術を使いよってっ、ここは開けぬぞ! 早々に立ち去られいっ!」


 門向こうから怯えた声がするな、しかも若干涙声……開けないとマジで門壊されるぞーい。


「ゴホンっ、聞こえるかー? 傘音技に伝えろ! 招待しておきながら牢屋に直行とは何事か! 罰として……何にしようか、『美味しいご飯!』『珍しい薬草!』『酒なのぢゃ』を要求する! 従わぬ場合……暴れるだけ暴れてそのまま帰るからな! 直ぐに伝えろっ!」

「ひっ────」


 行ったな、これなら傘音技に伝わるだろ。それじゃあ進行再開だ、ミルンも運動をしたそうにしてるしな。


「それじゃあ門を壊します! 触るだけで『アッ!?』と言う間に土の中なの!」

「まじで門壊されてアッて叫んだぞ、芸人かよお前等……」

「一人一人潰して行くの! 玉が駄目ならお尻なのっ!」

「ミルンや、コレを使うと良いのぢゃ──」

「お父さんの角なのっ! 良い武器です!」


 黒姫さんや、何で俺の抜けた角持ってんの。しかもそれを武器って、結構ヤバい鋭利さなんだぞ……痔の奴等は地獄だなぁ。


「くっ、こやつ等は少数だ! 囲んで一人一人対処せよっ! 怪しげな術を使うぞ!」

「「「応っ!? ぎぃやぁあああ──っ!?」」」

「どうした何を────いつの間にっ!?」


 本当にね、ミルン強くなってんの。

 走ったら俺の方が速いんだけど、なんて言うか……緩急? 動き方? 足の運び? まるでダンスをしているかの様な滑らかな動きで、次々に俺の角を兵の尻に突き刺して、悶絶させて行ってるんだ。

 独特な足の運びだな……一秒に五人程尻を潰して、これなら直ぐに本丸潰せそうだ。


「パパの角が汚れなの、後で土に埋めます」

「汚れって言わないでねミユン、汚れは黒姫の角の事を指すからな」

「誰が汚れぢゃっ!? 我は清潔なのぢゃっ! 三日に一回は風呂で酒なのぢゃっ!」


 風呂ぐらい毎日入れよ。

 和土国に来る際も、ちゃんと簡易風呂用意したのに、何で嫌がるのかね。


「終わりました! 弱々な兵達なの、ドゥシャなら瞬殺出来るの」


 死屍累々……尻を押さえて悶絶するおっさん達の事! 又は涙鼻水尻から……汚いっ!? 漏らしてるじゃん。


「勿体無いの! 掬う物っ掬う物──っ、あったの! これを垂れてる下に置いてっと、これで肥料回収出来るの」


 無惨っっっ、兵達の兜がっ、ただの肥料ボックス(簡易トイレ)に成ってしまった……同情はするけど仕方無いよな。


「次は二の丸か……傘音技が来るのが早いか、本丸に着くのが早いか……」

「次はミユンの番なの!」

「まだミルンにやらせて! 呆気無いの!」



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