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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
四章 異世界とは悪魔っ娘が居る世界
277/320

やって来ました……何処だここ?.1



 パッカラパカラとマッスルホースのテンポの良い足音を聞きながら、地図を頼りに道無き道をを進んでいます。

 国境を抜けて一月と少し……もう和土国とやらに到着していても、おかしく無いんだけどなぁ。


「なぁなぁアトゥナ、これ方角合ってるよな?」


 方位磁石をまじまじと見ながら、地図と照らし合わせて進んで行く。


「流のおっさん、俺地図分から無いって前にも言ったよな? それに、流のおっさんが自信満々に任せろって言ったんだぞ」

「言ったかな……草ばっかりで道が無い、もしかして道間違えたか」


 この磁石、本当に東を指してるのかすら怪しくなって来た……影さん迎えに来てくれないかな。


「流さん、ここから少し先に建物が見えます。ラカスに偵察させますので、一旦ここで止まりましょう」

「りょーかい副リーダー、ちょっと見て来る」

「それなら、俺とモンゴリリーダは周囲の警戒だな」

「モスクは馬車の上から警戒してくれ、僕は背が高いから、このまま周囲を警戒する」


 役割分担がしっかりしてるな。

 ここに来るまでに何回も魔物と戦ったけど、マッスルチェイサーの面々は堅実に戦い、傷一つ負う事無く殲滅して行った。

 一人一人の技量も凄いが、誰一人として突出しようとせず、連携して戦う事の大切さを理解している様だ。


「若いのに凄いな……」

「流のおっさん、おっさん臭いぞ」


 おっさんおっさん言うんじゃありません。

 館に居る時は御主人か領主様呼びなのに、外に出てからずっとおっさん呼びだよね。


「言葉使いが悪いってドゥシャに言い付けるぞ」

「……勘弁してくれ領主様、あれは教育じゃない、ただの洗脳だ」


 アトゥナが遠い目で空を見上げたぞ……ドゥシャさん一体どんな教育をしたんだ。


「洗脳か……ひたすら体を動かして疲弊したところに座学をぶっ込んで、寝ようとしたら薬(天然成分由来)を飲まされて、強制的に目を覚まさせる方法かな」

「何で知って──まさかおっさんの指示か!?」


「失礼だな、俺ならそんな事はしないし、やるとするならもっと楽だぞぅ」


 疲弊して座学で寝たところに、お香を焚きながら耳元でひたすら擦り込みをかけて、それを毎日繰り返していたら──知らない間に体に染み付くからな。


「俺のやり方を試してみるか? 疲れたら寝てて良いし、安心安全超楽ちんだぞ」

「……絶対にやらない、なんか怖いから」


 そりゃ残念、誰かに実験したかったんだけど、そうそう良い奴居ないからなぁ。


「──帰って来たな……ラカスの奴、何であんなに必死なんだ?」

「なぁ、領主様……あいつ追われてないか?」


 ん──ほんとだな、剣や弓持った男衆に追われてるけど、ラカスが悪戯でもしたのか?


「戦闘態勢! ラカスを救出に向かう! ノーインは馬車の護衛だ!」

「モンゴリリーダー、殺しては駄目ですよ」

「ラカスの奴っ、今度は何しやがった!」


 珍しい、モンゴリ君が前に出るの『今行くぞラカスゥウウウウウウッ──!!』突撃して行ったな。

 あの体格で村長より走るの速いじゃん、どんな訓練したらああなるんだ?


「リーダーっ、前出過ぎだぞっ──」


 モスクがモンゴリ君を追って行ったな、まぁあの強さなら、早々負けはしないだろうけど……ラカスを追ってる奴等は村人か?


 おっ、モンゴリ君が接敵したぞ──走ってる勢いそのままに跳ね飛ばした!? 跳ね飛ばされた奴、空中で何回転してるんだ!?


「モンゴリ君怖えぇ……」

「なぁ、流のおっさん……人ってあんなに飛ぶんだな……」


 飛ぶと言うか、飛ばされているよね。

 モンゴリ君は一人を跳ね飛ばしても止まらずに、そのまま二人、三人と空中回転者を量産させて、一人目はまだ回ったままなんだよ。


 モスクが追い付いたけど、ラカスを保護してモンゴリ君を見守っているだけだな。


「なあノーイン、あれ、死んで無いよな?」

「大丈夫だと思いますよ。あの感じだと、相当手加減していますからね」


「あれで加減してるのかよ。一人目の奴地面に落ちて、泡吹いてるんだけど……」


 体格を活かした力技だな、絶対近接戦ではやり合いたく無い相手だぞ。


「終わった様ですね、ラカスと倒れている人に、事情を聞きに行きましょうか」


 なんかノーインの額に血管が浮き出ているけど、仲間を襲われて怒ってるのか……こういう大人しい奴を怒らせたら、怖いぞ本気で。


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