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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
四章 異世界とは悪魔っ娘が居る世界
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ミルンとミユンのお勉強.6



 お昼過ぎ────ネリアニスから依頼を貰い、アルカディアス国境沿いの山の中に来ています。

 今日は楽しい豚さん狩りなの!

 新人冒険者達が力試しに山へと入り、豚さんに襲われて、オーガ(雌)に助けられると言う不甲斐無い状況なので、ミルンが豚さんを減らすの!


「何で俺たちまで……」

「しっ! 玉狩りに聞かれたら潰されるぞっ」

「ギルドで暇潰しするんじゃ無かったぜ」


 おっさん三人が何か言ってるの。

 ミルンだけでも狩れるのに、ネリアニスが暇なおっさんを捕まえて強制参加なの。


「三人とも! ミルンの邪魔したら玉潰すの!」


「邪魔なんてしやせんぜっ」

「ギルド長からは見守るだけと言われてんでさぁ」

「玉狩りが冒険者ライセンス獲れば、俺達来なくてすんだのになぁ……」


 ミルンも冒険者ライセンス欲しいの。

 でも、お父さんが前に要らないって言ってたし、無くても狩は出来るの。


「喋ってないで索敵なの! 自分の身は自分で守って下さいな!」


 さっきからミルンの耳に、豚さんの足音と鼻息がいっぱい反応しています。数は大体……十体ぐらいなの。

 豚さんには色々と思うところがあるから、手加減無しでプチプチ潰してお肉にするの。


「にしても、こんな国境近くでオークの群れが居るなんて、おかしく無いか?」

「北か南から流れて来てるんじゃね? 特に北なんか、結構荒れてるらしいからな」

「お家騒動か……巻き込まれたくないな。そういや少し前に、魔物来てたよな……しかも喋れる希少種、おっかないぜ」


 おっさん達緊張感ゼロなの……あれでも銀三の中堅冒険者だから、いざという時にはせっせこ働く筈なの。


「──来るの! 警戒体制!」


「マジかっ、俺の索敵には反応してないぞ!」

「言う事聞いとけ! 獣族の感覚は俺達より遥かに良いんだよ!」

「銀三の俺達ならオークなんざ一捻りだぜ」


 おっさん三人が背中合わせで、剣やら槍やら弓を構えたの。あれなら何処から襲撃されても対応出来そう……ミルンなら瞬殺出来るけど。


  ────『プギャアアアッ』────


 肌の色が紫っ、豚さんの変異種なの!

 紫の至宝とまで云われる変異種で、いつも食べている豚さんよりも遥かに美味しく、その希少さ故に出逢った冒険者達からは──美味しい経験値とまで言われる程!


「マジかっ! コイツら居たから新人共が森に入っていたのか!」

「俺達ラッキーじゃね、一体で金貨二十枚以上する奴等が沢山来やがるぞ!」

「俺達だと五体相手にするのがやっとだぞ! 十体以上いやがる! おい玉狩り逃げるぞ!」


 おっさんは弱々なの……ドゥシャやシャルネなら一体一秒、村長なら五分ぐらいで片付けて行くのに、情け無いの。


「ミルンなら、魔法と合わせれば村長より速いのっ!」


 先ずは真正面から突っ込んで来た豚さんの顎目掛けて──パンチ『ゴギャッ』して砕き、前のめりになったところをお腹に──キック『プギィッッッ』して、後ろに居たお仲間もろとも吹き飛ばす。

 倒れた豚さんが起き上がれない様、ジャンプして踏みつけ、踏みつけ、踏みつけ、踏みつけて──五体を再起不能にして、残り六体に狙いを定め──突っ込みます!


「うわぁ……あの変異種が泡吹いてるぞ」

「いっ──玉潰されやがった!?」

「玉狩りお嬢ちゃん、容赦ねぇな……俺らやる事無くね?」


「倒れている豚さんを締めるの! 血抜きして鮮度を保って下さい!」


 残りは一体──背後からお尻に木の枝(太め)を刺して、『プモギャァアアアッ』両手でお尻を押さえたところで回り込み、空いているお腹をパンチなのっ!


 合計十一体、一丁上がりです。


「ぬぅ……思ったよりも手間がかかったの、ドゥシャとまた手合わせなの」

 

「いやいや玉狩りヤバすぎだろ……」

「一人で全部か……ランクだったら金は確実じゃね?」

「あの領主様の娘だけあるぜ、強すぎだって」


 お父さんは接近戦は弱ぽだから、今の豚さんに囲まれたら大変なの。間違いなく、全力で逃げると思います。


「この豚さんを持って帰るの手伝ってくれたら、半分はあげます。ミルン一人だとお持ち帰り出来ないの!」


「良いのか? 俺達は構わないけど……良い値段するぞ?」

「ひゃっほう! 良い部位だけ売らずに、俺らで食おうぜ!」

「銀三の面目が立たないな……まぁ良いか」


 ミルンの分は、館で働いている皆んなに振る舞うの。きっと喜んでくれる筈……ミルンもいっぱい食べる。


「ちゃっちゃと運ぶの! 早くしないとお肉が痛むの!」

「「「おうよ! 玉狩りのお嬢ちゃん!」」」


 その二つ名は要らないの、次言ったら潰すっ。



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