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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
四章 異世界とは悪魔っ娘が居る世界
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ミルンとミユンのお勉強.4



 はったけーはったけーたーがやーすのー!

 はったけーをたっがやーしみーのらせてー、お土に栄養たーんまりとー、こーやしを盛り盛り盛りつけるぅ──!


「今日はお勉強お休みだから、畑を一日中弄れるの! パパへの目印も植えたし、一月も経てばお花が咲いて完璧です!」


 ミルンお姉ちゃんは冒険者ギルドへ行ったし、今日は久しぶりに一人なの。

 こうして歩いている人を見ると、色々な種族が行ったり来たりと凄い場所なの。

 馬族に猫族に犬族、鬼族に天族に人種、桃色に桃色に桃色……目が痛いの。


「あらっ、貴女確かーあの魔神と一緒に居る精霊じゃない。一人なんて珍しいわね」

「……桃色お化けなの、邪魔だから退いて下さい」


 桃色お化けが前を通せんぼして、行かせてくれないの。


「貴女も私の事を桃色お化けと言うのね……魔神の所為よねコレ。お買い物してても、桃色さんとか桃色姉さんとか言われるもの」


 違うと思います!

 見た目が桃色一色だし、目が痛くなるから皆んな見た目で言ってるだけなの。


「ミユンは忙しいので失礼します!」

「まぁまぁ、そんなに邪険にしなくても良いじゃない、少し私に付き合いなさいな」


 右へ行こうとすると塞がれて、左へ行こうとするとまた塞がれて、下がろうとすると前へ出て来て、本当に邪魔なの。


「……土に埋めるの、魔物の餌なの」

「私に通じない事はわかるでしょ、文字通り格が違うのだからね。あそこでお茶にしましょ、ルトリアからお小遣い貰ってるから奢るわよ」


 自分の信者からお小遣いを貰う神……恥ずかしく無いの!? でも奢りなら貰うの、ミルンお姉ちゃんなら食い尽くすの。


「……容赦はしない」

「何を考えてるか手に取るように分かるわね、言っておくけど二品だけよ」


 読まれたのっ!? ならばせめて、お高い物を選んで食べるの!

 


 桃色お化けに連れられて、少しお洒落なお店のテラス席へ座り、メニューを見て目を見開き愕然とした。


「お安いお値段ばっかりなのっ、こんなに良い場所で何故お安いの……」

「良い事でしょ。これも魔神が何かしてるのでしょうけど、安くて美味しいモノばっかり揃ってるわね」


 パパの所為なの……確かに、安くて美味しいは正義だけども、今は違うの。


「らっしゃーせー、何にしますかー」


 良い雰囲気のお店が台無しの店員さん!?

 ヤル気が微塵も感じさせない程に覇気が無く、目もぼーっとしてて駄目なヤツなの!


「私はこれとこれね、精霊は何にするの?」

「精霊じゃ無くてミユンと呼ぶの! ミユンはこの萌え萌えプリンに、甘々紅茶を下さいな!」

「かしこまりましたー、少々おまちくださーい」


 ヤル気を! 少しでも労働にヤル気を見せるの店員さん! あと自分で頼んでおきながらだけど、萌え萌えプリンに甘々紅茶ってなあに?


「絶対パパが絡んだお店なの……副業してるの、ドゥシャに要報告なの」

「魔神も大変ねぇ。少し前に出て行くの見えたけど、今度はどこに向かったの?」


 何でそんな事を桃色お化けが聞いて来るのか。神様なんだから、自分で調べたら良いと思います。


「ミユンは黙秘します。部外者に内情を喋る程、ミユンは甘く無いの『おまたせしましたー、萌え萌えプリンと甘々紅茶になりますー』辛口なの……」


 空気を読まない店員なの! 萌え萌えプリンと甘々紅茶を今出さないで!


「あらあら、とんだ辛口妖精ね。少し気になったから聞いてるだけで、他意は無いのよ」

「そんなのミユンには分からないの、お先に頂きます……もちゅもちゅ……激甘なの!?」


 普通のプリンに更に何か甘いシロップがかかってて、更に甘い紅茶がそれを呑み込む……恐ろしい甘味なの。


「おまたせしましたー、れもものパフェとストレートの紅茶になりまーす。食べ終わったら、こちらの札をあちらのカウンターまでお出しくださーい。ごゆっくりどぞー」


 雑っ!? お客様対応が酷いの! 畏まる必要は無いけど、少しは愛想良く対応するの!


「それじゃあ私も……うん、とっても美味しいわ。紅茶とも合うし、中々の出来栄えね」


 ぐっ、桃色お化けは店員さんに、一切反応しないの……何か負けた気分になる。


「桃色お化けはお家に帰らないの……神様のお仕事放棄してる」

「ちゃんと帰ってるわよ、分体だけど。それに私はこの地を気に入ってるの、他種族が争う事の無いこの地をね」


 確かにファンガーデンなら、神様が一柱や二柱居ても気にならないし、住民達が気にする様子も無いの……慣れは怖いの。


「あの魔神……流と言ったかしら。あいつには色々とやられたから、少しばかり気になるだけよ。あいつが動くと碌な事にならないじゃ無い、前は天軍も来たしね」


 否定出来ない……パパが動くと色々とやらかして、下手をすれば国が無くなるの。


「もちゅもちゅ……ご馳走様でした! それでもミユンは情報を漏らさないの、奢っていただき有難う御座います。ミユンは畑に行くので失礼致するの」

「……御礼を言うだけあの魔神よりマシね。何かあれば言いなさいな、私は別に敵対する気はないからね」


 それは有難いの、今度肥料を取りに行こう。


「お尻を洗って待ってるの!」

「……何を言ってるの?」



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