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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
四章 異世界とは悪魔っ娘が居る世界
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ミルンとミユンのお勉強.3



 今日のお勉強はお休みです!

 ドゥシャ曰く、『毎日お勉強ですと飽きてしまい、必要な事を覚える事が出来ませんので』と言う事らしい。


「なので久しぶりに体を動かすの!」


 冒険者ギルドへ行けば、討伐依頼や薬草採取、荷物運びからお婆ちゃんのお世話まで、何でも依頼が有るから暇潰しに最適です。

 ミユンは畑に行ったし、ミウとメオ、ラナスとコルルはお仕事だから、今日は一人で狩りを楽しむの!


「ネリアニス! 依頼頂戴な!」


 冒険者ギルドの扉を開けて一声発すると、ギルド内に居た冒険者達がこっちを見て来た──と思ったら直ぐ目を逸らした。


「ヤベェよ……玉狩りの嬢ちゃん来たぞ」

「俺達は何もして無いから大丈夫だろ……」

「それを知らない奴等が声かけて、玉潰されてたよなぁ……怖えぇ」


 大の大人がミルンを見ると、あの様にギルド内の隅っこで固まってお股を守ってます。

 ミルンのお耳は地獄耳、ちゃんと何を言ってるのか聴こえてるの。

 冒険者ギルド内で、ミルンに声をかけてくれるのは、ネリアニスや受付さん、あとは──頭を禿げ散らかした焼肉屋さんなの!


「おぉ、ミルンの嬢ちゃん久しぶりじゃのぅ、元気にしとったかぁ」

「焼肉屋さん! 美味しい部位は有りますか?」


 王都からファンガーデンに来て、店を構えて定住している一人なの、いつも美味しいお肉を有難う御座います。


「わしゃぁ焼肉屋さんじゃ無いけぇのぉ、まだ美味しい肉は入荷しとらんなぁ。また獲れたら食いにきんしゃぃ、ミルンの嬢ちゃんなら割安で良いけんのぉ」

「その時はミユンと行くの! 是非お願いします!」


 焼肉屋さんはミルンの頭を一撫でして、そのまま外に行っちゃったの。お父さんの次に撫で方が上手いから、自然と尻尾が左右に揺れます。


「あのヤナギさんを焼肉屋扱いしてるぞ……」

「ヤナギさんも嬉しそうだし、流石玉狩りの嬢ちゃんだ……怖いもの知らずだぜ」

「玉狩りの嬢ちゃん、肉好きなんだな……玉潰され無いよう干し肉用意しとくか?」


 玉は潰さないけど、干し肉は用意しておいて下さい。

 ネリアニスはどこだろうか、部屋に籠ってるのかな、受付さんに聞いてみるの。

 

 そう思って受付に向かうと、なぜか冒険者達が道を開けてくれて、受付真っ最中だった叔父さん冒険者も股間を押さえて離れて行く。


 コカトリスでももうちょっと気合いが有るのに、情け無い冒険者達なの。


「いらっしゃいミルンさん。ネリアニスさんなら部屋に籠ってるから、行って癒してあげて」


 何も聞かずにこの対応、満点なの!

 ミルンは冒険者登録してないから、依頼を受けるとしたらネリアニスの許可がいるの!


「有難う御座います! 行ってみます!」


 一階の端にある応接間。

 大体ネリアニスはそこに籠って、書類作業をしているの。

 ギルド長室は有るけど、最上階だから面倒臭くて使ってないらしい……無駄仕様です。


「ネリアニス! 依頼頂戴な!」


 応接間の扉を開けて一声発すると、『ミルンさぁあああ──ん!』と声をあげてネリアニスが突撃して来たから──避けます!

 ドゴォッと鈍い音を立てて、ネリアニスが扉の角に顔面をめり込ませたけども、直ぐに立ち上がって近付いて来る。


「ネリアニス! 依頼頂戴な!」

「尻尾を撫でさせて頂けるのなら良いですよ!」


 余程お仕事がキツいのか、髪はボサボサ、目の下の熊さんが真っ黒の、とても危険な状態なの。こんな時は、ネリアニスをソファに座らせて、膝の上にミルンの尻尾を乗せます。すると──ネリアニスが自然と尻尾を撫で始め、お顔を埋めてそのまま寝るの。


「すぅ……すぅ…………」

「ネリアニスは頑張り屋さんなの……ミルンも少し寝る……」


 大体お昼前には目を覚ますの、それからでも依頼は受けれるの。



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