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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
四章 異世界とは悪魔っ娘が居る世界
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魔王って沢山居るんですね.4



 リティナに追いかけ回された次の日、俺は元孤児院の院長の影さんに会いに来ていた。元と付く筈なのに、未だケモ耳幼児、幼女達に囲まれて生活しているけどね。

 泥棒娘はリティナの家でお留守番です、ここの話を聞かせる訳にはいかないからなぁ。


「流さん、今日は村長どこにいる?」

「会いに行って肩にのるの」


 筋肉村長の事が大好きな犬耳幼女ミウと、ハム耳幼女メオちゃんだな。

 少し前までメオちゃんの口調が幼児のそれだったけど、少し大きくなった様で『でちゅ、ましゅ』口調じゃ無くなっている。


「村長は領主館でお仕事中なの、ミウとメオなら顔パスで入れるの、このミルンが許可します」

「さすがミルンお姉ちゃんなの、しれっと職権乱用してる」


 昨日は夜遅く、世界樹のある湖に緑化魔法でダイブして、濡れミルンと濡れミユンのまま領主館に放置したけど、全くもって元気なんだよな二人共。

 俺はリティナと駆けっこしてたから、若干眠いんです。


「じゃあ村長に会いに行く、ミルンありがと」

「村長の膝上でお仕事見る!」


 颯爽と出て行った……危険は無いかな。

 このファンガーデンであの子達に手を出そうモノなら、その者達は直ぐにキルされるだろうしね。


 この場に残って居るのは、ラナスとコルルだな。

 ラナスは、浅黒い肌に背中に悪魔の様な翼を生やした幼女で、性格は超内気なマイペースガール。

 コルルは、真っ白い肌に背中に天使の羽根を持つ幼女で、超意味不明な言動をする不思議っ子ガール。


 単純な印象だけど、悪魔と言うならばラナスの様な姿を想像するんだよなぁ……物凄く可愛いけど。んで、コルルを見てるとあのリシュエルを思い出す……背中の羽根の所為だな。


「ななな流さんがコッチを見てるっ、私は美味しく無いよ! たた食べるならコココカトリスにしして下さい!」

「落ち着いてコルル……流さんは幼女好きな変態さんだから……見てるだけだよ」


 ラナスとコルルは見た目は正反対だけど、中身は少し似ているからか相性が良い。こうして俺に会う度にコルルは怯え、ラナスはそれをフォロー? している。


「お父さんはミルンとミユンだけのモノ、浮気は許さないの!」

「パパ! 浮気するならドゥシャに言いつけます!」


 いや、浮気も何も、俺ドゥシャさんと結婚している訳じゃ無いからね。


「お待たせしました流さん、すみません子供達が失礼な事を」

「大丈夫だよ影さん、俺は楽しんでますから」


 だって、ミルンの尻尾にミユンの羽根、ラナスの翼にコルルの羽根が、近くを行ったり来たりと見るだけでも楽しめますからね。


「お父さんの弱点なの、モフモフはミルンだけ!」

「ミユンにはモフモフないの……でも羽根でアピールします!」


 二人共何を張り合っているんだ……ケモ耳尻尾羽根翼全て大好き流さんだからね。


「流さんは魔神に成ろうとも、相変わらずの様ですね。それで、今日はどうされたのですか」


 そうだった悪魔について聞かないと。

 黒姫に聞きたかったけど、まだ影さん達から解放されて無い様だし、院長の影さん魔眼持ってるから何か知ってるでしょ。


「少し聞きたい事があってね。影さんって、悪魔族って知ってるか? リティナって聖女なのに悪魔族なのか? そこのラナスとの違いって何か分かるかな」


 聞きたい事を全部聞いて見ました。

 影さんは顎に手をやり考えながら口を開くと────『何処で知りましたか?』威圧を超えた殺気だろう、魔神に成って強くなった気で居たけども、俺……気を抜いたら首飛ぶんじゃね、と思わせる程ヤバい。


「止めるの影! お父さんがマジになるの!」

「パパに殺気を向けたの! 土に埋める!」


 影さんは俺の眼をジッと見た後溜息を吐き、殺気を霧散させて再度聞いて来た。


「どこでその話を聞かれたのですか流さん」

「ふぅ……やっぱり影さん力隠してるよね。ちゃんと話すから睨まないでくれって────」


 新しく領地となった町で聞いた事、その町に居たリティナそっくりの泥棒娘の事を全て説明して、影さんは頭を抱えた……大丈夫かな。


「まず流さんには、東の国で言われている悪魔族について説明します」


 何か授業が始まったぞ!?


「悪魔族とは……厳密に言えば魔人の一種族名であり、そこに居るラナスは病魔族と言う珍しい種族になります」


 何その病魔族って……それだけ聞いたら怖いんですけど。


「魔人の種族は多く、悪魔族、病魔族、鬼姫族、緑人族等、他にも把握出来ない程存在しています。因みに我等影は緑隠族ですね、人からはエルフと呼ばれていますが」


 エルフは間違いだったのか。

 みどりにかくれるぞくと書いて緑隠族ねぇ、まんまじゃね。


「ジアストールでは獣族達への迫害が酷く続いておりましたが、逆に言えば人種と見た目が余り変わらない悪魔族からしたら、逃げ場としては最適なのです」


 ほうほう、なら泥棒娘も誰かが東から連れて来て、こっそりあの町で育てて居たのか。


「リティナは──由香里の働いていた鉱山仲間の一人です。と言っても、本人は小さ過ぎて覚えていないでしょうけど」


 なんだそりゃ……迫害から逃れる為に東の国から来たのに、鉱山で生活してたってか。


「じゃあ泥棒娘は、リティナの血の繋がった家族なのか……見た目変わらないし」

「可能性は有ります。ですがリティナは、自分が悪魔族で有る事を知りませんし、血の色もなぜか赤色なのです。私の眼で見た限りだと、悪魔族である事は間違い無いのですけど」


 血の色が紫じゃ無いんだな。

 変な癒しの力も持ってるし悪夢を見せる力もあるから、何かあべこべだったけど納得だ。


「有難う影さん、何かスッキリしたわ。悪魔族の話は、リティナに内緒にしとくから安心してくれ」

「お願いします流さん。あと、護衛であるニアノールは知っていますので」

 

 ニアノールさんは知ってるんだ……東の国から来た人に、見た目で迫害されるから、その為の護衛だったのかね。



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